第2話 バタートーストにハチミツ

理奈の赤ちゃんに、銀のスプーンをあげたいな、なんて思って。

銀色のペンを指で回した。

理奈のダーリンが、上手く回しているのがカッコよくて、

やってるけど、なかなか上達しなかった。


隣の子が、それを見て、いつも笑いをこらえていた。


ケージに閉じ込められた、私の夢は、

いつか、青空に飛び立てる日を来る事だった。


そう。やっぱり、本音は、サッチャーを目指していた。

あの鉄の女に並びたい。

いや、彼女を超えたいと。



ベランダから見えるネオンに手をかざした。

夜の熱を、この心と体に溶け込ませたかった。

純が、私を後ろから抱きしめようとしたのを、さっとよけた。

つまづきそうになった純を、

今度は、私が抱きしめた。



「たまには、ゆずってよ。」


私は、微笑んだ。


純からは、また、愛液の香りがして、私は吐きそうになったが、

なぜか、愛を打ち消すほどには至らなかった。


朝食のトーストにバターをぬった後、

ハチミツをおとした。

口に含んでいると、純が、「ついている。左。」

と言った。

でも、私は、わからなくて、


すると、純は、指でとって、それをなめた。


「華美のビーンズと同じ味がする。」


私は、それを聞いて、真っ赤になった。

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ビーンズ 慈雨 @beniya87

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