第12話 刀匠ムラマサの鍛冶素材探し―2
ムラクモ:
「あ~さっきの鍛冶場の音はやっぱキミだったか~」
クサナギ:
「そして失敗したと――――」
・クサナギの言葉にムラマサは黙って頷く。
・その反応を見てクサナギもやはりか・・・とため息を吐いた。
・続く様にムラクモもあ~・・・と先ほど同じ反応をしながら同意の様に
うんうん、と答えながら頷いた。
ムラクモ:
「そこはちょっと気にしてたんだよね~実は・・・ホラ、最近玉鋼の上質な物が
流れてこなくなってるよね?」
ムラマサ:
「確かに・・・最近は流通も今までと比べるとかなり少ない感じですね」
クサナギ:
「贔屓にしている商人連合からの話だと産出している鉱山がモンスターに占拠されているらしい」
ムラマサ:
「モンスターに・・・?」
・怪訝な表情を浮かべるムラマサ。
・それを流し目で見ながらもクサナギは話を続ける。
クサナギ:
「詳しく聞く所によれば突如として現れて鉱山夫らを追い出す様に襲い掛かったらしくてね、けが人は出てはいるが死者は1人もいないらしい」
ムラマサ:
「妙に引っ掛かるな・・・モンスターの種別は?」
クサナギ:
「話を聞く限りでは“リザードマン”らしいですね」
ムラマサ:
「リザードマンか・・・確かに奴らなら鋼などの鋼材を加工するなど出来なくはないだろうな」
・リザードマンたちはモンスターではあるが人々と交流する者達もおり、ここで話題に上がっているのはゴブリンらと同じく『ダンジョンに住まうモンスター』としてのことを指している。
・リザードマンらは自分らで武器や道具を作ることなどで狩猟も行っており、ダンジョン外の彼らは自分らで取得した獲物や武具などを他種族との交易を行っていたりしており、彼らの収入源の一つでもある。
・そんなリザードマンの中でダンジョンで活動している一派が坑道及び鉱脈をいわば不法占拠しているとも言える状況だ。
ムラマサ:
「――――討伐などは?」
クサナギ:
「商人側で有志で募った傭兵が何人か乗り出したらしいが・・・」
ムラクモ:
「相手の方が一枚上手、挙って返り討ちだそうだ」
・お手上げのポーズをしながら舌を出すムラクモ。
・どうやら占拠しているリザードマンらはレベルが高く、一筋縄ではいかない存在な様だ。
・だが質のいい玉鋼が取れる鉱山は少なく、新しい場所を開拓するには色々とコストも掛かる。
ムラマサ:
「――――背に腹は代えられないな・・・」
・何かを決意したのかその場から移動し出すムラマサ。
・それを呼び止める様に声を掛けるクサナギ
クサナギ:
「どこへいくんだ?というのは無粋かな?」
ムラクモ:
「いくんだよね、鉱山」
・ムラクモの言葉に頷くムラマサ。
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