第10話 聖剣エクスカリバーのダンジョン探索!!-10

エクスカリバー:

「うーん、お日様が眩しい・・・!!」


・ダンジョン脱出からの第一声はなんとも味気ないがそれでも帰還を感じさせる。

・ゴブリンの拠点となっていた洞窟から外へ出る4人。

・時間的に3~4時間ほどだと思うが感覚的にはそれよりも長く感じていた。

・エクスカリバーの気まぐれによるダンジョン探索ではあったがゴブリンの前線基地を

叩き潰せたのは僥倖と云っても過言ではないだろう。

・幸運なことにエクスカリバーやアロンダイトとガラティーンのみならずギリシャ神話の

名高い盾であるエイジスの参入はかなり大きかったと言える。


アロンダイト:

「最初、流石にゴブリンが可哀想だと思ってしまったんだがまさかの隠し玉を有していたとは」

ガラティーン:

「ゴブリンライダーがまさかのドラゴン騎乗は想定外ではありましたわね・・・」

エイジス:

「どうやら連中もただ単に襲撃の用意をしていたわけではない、ということね」


・3人は続く様に先ほどの戦闘を振り返っていた。

・少なくともゴブリンの群れがあれだけではないとは踏んではいるが今後とも襲撃してくるに

しても警戒を強めてしばらくは大人しくしているだろうとエイジスは予想し、3人もそれに

同意している。

・どちらにせよ、近場の脅威が無くなったのは事実ではある。


エクスカリバー:

「とりあえずは今日はもう帰って休もうか」


アロンダイト:

「そうですね、時間的にもお昼ぐらいですし」


ガラティーン:

「エイジスさんはどうしますか?お食事ぐらいはご一緒でもよろしいかと思うのですが」


エイジス:

「そうね――――そちらの学園の食事も美味しいって評判だからね。ちなみに本日のメニューは?」


アロンダイト:

「確か、カレーライスでしたね。ビーフの」


ガラティーン:

「食べ応えありそうですわね」


エイジス:

「そうね」


・女子2人が嬉しそうにそう言いながら、徐々に足を速めていく。

・そんな様子を後ろにいたエクスカリバーはその後を追う様に歩いていた。

・そこへアロンダイトがエクスカリバーに話しかける。


アロンダイト:

「先輩、どうでしたか今回?」


エクスカリバー:

「そうだね・・・正直に言うと楽しかったなってのはあるよ」


アロンダイト:

「意外でした。フハハハ、ゴブリン無双楽しいぞー!!ってしばらくはしゃいだ後、つまんない!!

って愚痴るんじゃないかって思いましたが」


エクスカリバー:

「――――キミ、ワタシのこともしかしてバカにしている?」


・それに関しては全力で否定するアロンダイト。

・ジト目で睨むエクスカリバーだったが「ま、いっか」と話題を戻す。


エクスカリバー:

「行く前にも言ったけども気分転換したかったのは事実だよ。最強の聖剣と云われることもある

けどもそれによる不満はない訳じゃないからね・・・こういう不満は他人に任せても解消できる訳が

ないからこそ、そういうしがらみとかゼーンブぶっ飛ばしたい気分になりたかんだ」


アロンダイト:

「先輩・・・」


エクスカリバー:

「そんな顔しないの。人それぞれ色々あるんだから、それで問題無くなればそれはそれでいいのさ」


・笑顔でそう言いながら歩みを続けるエクスカリバー。

・アロンダイトは少し不安げな表情を浮かべながらもそれではいけないなと表情を改め、3人の後を追う。

・突発的な先輩の思い付きから始まったダンジョン探索はこうして幕を閉じるのであった。


【聖剣エクスカリバーのダンジョン探索!!『完』】

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