第44話お母さんも大概でした

それからと言う物、私は流石に毎日は行き過ぎると思い、金曜日に泊まる事にしました


金曜日だったら早起きもしなくて良いし、土曜日泊まる日曜日の朝から和希さんの顔を見れる、うん最高


私はお母さんから渡された夏にぴったりの冷たいミルクティーを飲みながら、話した


「わかった」


お父さんは柳の木が書かれた陶器に入った6:4ぐらいのお湯で割った焼酎を少し強く机に叩きつけて言い、私はそれに少し驚きました


「良いの?」


正直お父さんはこのような話を出すと確定で『無理』と言う2文字を口走っていたのに……多分、和希さんを一回我が家に招待したのが功を制したのでしょう


お母さんも和希さんを招待してからは、ずっと『逃してはダメよ』と言っていて少し鬱陶しいけど、それは私も思っていました

現に和希さんは大学内でもモテモテ、和希さんは私だけを見てほしい、他の女の子を瞳に映さないでほしいという願望があります……


「結婚式のスピーチ頑張るからな」

「早いですよ」


私は2人の会話を聞いて顔が徐々に熱くなってきました


流石に気が早すぎるのでは?私だって流石にそこまではまだ考えてないんですが


「じゃあ、もう行ったほうが良いんじゃないのか」

「そうね、雫も和希さんといっぱいイチャイチャしたそだものね」

「べ、別にそんな事考えてないし」


うん、早くいっぱいイチャイチャしたい、いっぱい甘えたい、いっぱい和希さんの匂いを嗅ぎたい


私は一応、許可を貰ったので、少し水滴がついてあるガラスのコップに入ってある冷たいミルクティーを飲み干し、自室に戻ろうとすると、背後からお母さんが一つ私を引き止めるように咳払いをしました


「雫、私のクローゼットに一緒についてきて」

「わかったよ?」


お母さんは自分のクローゼットにつくと、お母さんは勢いよくクローゼットを開き、衣類を貪り尽くす勢いで自分の服を外に放り出し『あった』


お母さんが無くしたおもちゃを見つけた子供のような声をあげ、奥底に眠っていた、全国の女の子が憧れるお嬢様が着そうな、ドレスパジャマと、可愛らしいフリルと水色の花びらが描かれたワンピースを手に取っていました


「これを着て行きなさい、そして、添い寝の時はこのパジャマを着て寝るのよ」

「え、な、なんでこんなの持ってるの?」


ワンピースは私好みの色合いで水色の花びらが良いアクセントになってると思う、それに多分生地も良さそう、だけど、多分このドレスパジャマは、絶対に高いって言い切れる


私だって女の子だから、幼いときはどこかの国のお嬢様、映画に出てくるプリンセスに憧れていましたが、今、まさにそんな憧れていた人達が来てそうな可愛らしいパジャマが目の前にあります

こんなパジャマを持ってるお母さんは、どんな人生を歩んできたんでしょう?


「まぁまぁ、この服達は私がお父さんの家に初めて泊まった時に着ていった服たち、貴方の貴方の健闘を祈ってるわ」


私はお母さんから服たちを貰い、お母さんの車で和希さんの家に向かいました。


◆◆◆


「そのドレスパジャマどこにあるの?」


私はお母さんの昔話に出てきた服にすべての集中を奪われました。


絶対に着てみたい、蒼君にそのドレスパジャマを着た姿を見てもらいたいという思いもあるけど、単純に着てみたいっていう思いのほうが強いです


「だめよ、まだ貴方はお姉さんじゃないじゃない」

「お、お姉さんだよ」


私はお母さんの言って言葉に直ぐさま対抗しました

――罠だったとは知らずに


「ほら、まだお姉さんじゃないわ、まだ貴方は子供」

「確かに、今の反応でお姉さんは無理だね」


私は彩姫さんとお母さんの言葉で初めて罠だと気づき、既に手遅れという事に気づきました


「貴方にもいつかは着させるから、まだ私の話は続きがあるから聞いてね」


◆◆◆


それから、少し日が経ち、蝉さん達の声が更にうるさくなった、喉がずっと乾くような暑い暑い8月


「あんた、流石に帰ってきなさい」

「嫌だ」

「帰ってきなさい」

「無理、和希さんとずっと一緒にいるの」

「……大丈夫?」

「うん……甘えてもいいですか?」

「はは、おいで」


私はペットの猫のように、体を和希さんの腕にこすりつけ、和希さんの鍛えられたお胸に顔もこすりつけました。


「和希さんは、もし、こんな女がいたら迷惑ですか?」

「うーん、そうだな、もしそんな女の子がいたらおれはその女の子が甘えるのを飽きるまで沢山甘えさせるし、おれもそんな姿を見て癒やされるかな」


毎朝、毎晩、特定の時間に毎回電話をかけてくる両親、でもごめん、私は和希さんとずっと一緒にいたい、どんなに帰ってこいって言われても私の意思は揺るぎません


◆◆◆


「そこから私は家に帰らず、ずっとかず君の家に住んでたのよ」

「教科書とかは?」

「最終的に、向こうが呆れて、教科書とか、必要なものすべて持ってきてくれたのよ」

「すごいのはね澪ちゃん、この人、一回和希さんの家に両親が来て無理やり帰らそうとしたのに、ずっと和希さんの腕にしがみついて、最終的に服が少し破れるたのよ」


え、怖

流石に私でも、お母さんたちに服を引っ張られるまで無理やり蒼君の家に泊まったりしない


「まぁ、澪ちゃんも、雫の遺伝子引き継いでるから多分もうずっとあの家にいるんでしょ、私と蒼空さんも仕事で居ることがほぼ無いから大丈夫よ」


彩姫さんはコーヒーが入った、美しい装飾が施されたカップを手に持ち、綺麗にウィンクをして私に言ってきました



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