第43話母の遺伝子
「まだあっち系の事はしてない?」
私はお母さんが淹れてくれたブルーベリーティーをお口に運ぼうとすると彩姫さんがコーヒーを啜り終え、カップを机に置くのと同時に聞いてきました
あっち系?
私は脳内で何回も反復しました。
しかし、私の脳みそではどれにも予測変換できませんでした
「蒼とは仲良くしてるみたいだけど、あれはもうしたの?」
「あれ…ですか?」
私は一瞬何を指しているのか分からず、首をかしげました。彩姫さんは笑みを浮かべたまま、少し身を乗り出してきます。
「ほら、あれよ。大人になったら、自然とするでしょ?」
その言葉を聞いて、私の頭の中に疑問符が浮かびました。何のことを言っているんだろう…。
考えてると、お母さんがやれやれ、みたいな感じで言ってきました
「もう、うちの澪はまだ初心なんだからやめて」
「ふふ、確かに雫の遺伝子を引き継いでるものね」
と笑いながら話を遮るのですが、その雰囲気がどこかからかうようで、ますます混乱します。
「具体的にはどんなことを…?」
思い切って尋ねると、彩姫さんは目を輝かせながらこう言いました。
「え?例えばキスとか、その先とか…」
「その先って……」
「ほら、中学で習ったりしたんじゃない?」
「……っ、ま、まだです」
言葉を詰まらせる私を見て、彩姫さんは楽しそうに笑い、お母さんも「澪、顔が真っ赤よ」と茶化してきました。
「いえ、そ、そんなことはまだ……その、ぜんぜん……!」
必死に否定する私の声が裏返りそうになるのを抑えながらも、頭の中は蒼君の顔でいっぱいでした。
急に押し倒されて……わ、私の——
「まあまあ、焦らなくてもいいのよ。ただね、蒼は男の子だから、いろいろ気を付けてね?」
彩姫さんのその言葉に、私はさらに動揺し、紅茶を口に運ぶ手が震えてしまいました。お母さんもそんな私の様子を見て、楽しそうに微笑んでいます。
お母さんと彩姫さんは高校生でやってたのかな?てか、高校生の平均はいつなんだろう、もしかしてもう過ぎてたりとか
女子会というよりは、完全に私をからかう会になっている気がして、ただただ恥ずかしいばかりの時間でした。でも、どこか二人の温かい気遣いを感じる瞬間もあって、完全に逃げ出すわけにもいかず…。
「もう一緒に寝るのやめようかな」
小さな声でつぶやくと、二人が同時に『それは無理ね』と笑い合ったので、私はもう何も言えませんでした。
「雫の娘だったら無理よ」
「そうね」
私は意味がわかりませんでした
ぽかーんと聞いてるとお母さんが話してくれました
◆◆◆
和希さんの部屋は、大学の近くにある小さなアパートの一室でした。
家具は最低限しかなく、部屋全体がどこか男性的ではなく、シンプルな印象を受ける空間。それでも、私にとってはその部屋が妙に落ち着く場所になっていました
ある日、授業が終わった後、和希さんと一緒に買い物を済ませてそのまま彼の部屋に向かった。
「今日も泊まっていくのか?」
冗談めかした和希さんの言葉に、私はは少し頬を染めながら「迷惑じゃないなら…」と答えた。
でも、流石に毎日は和希さんにも迷惑ですよね
私は自己反省していると、和希さんは優しい声で『大丈夫』そう言ってくれました
その日の夕食は二人で作った簡単なパスタとサラダ。和希さんがキッチンでパスタを茹でている間、私はサラダを手際よく仕上げていく。まるで夫婦のような共同作業が、私と和希さんの二人にとっては当たり前のようになりつつありました。
食事を終えた後、いつものように勉強を始めましたが、私はは和希さんの隣に座っているのを意識するたびに胸が高鳴るのを感じていた。彼の穏やかな声で問題の解説を聞くと、それだけでなんだか安心してしまう。
「そろそろ帰らないと、親御さんに怒られるんじゃないか?」
和希さんが気遣うように言うと、私は少し俯いて言いました
「帰るのが嫌なわけじゃないんです。でも、ここにいると…すごく落ち着くんです。」
和希さんはしばらく黙っていたが、やがて小さく笑った。
「なら、無理に帰らなくてもいいさ。」
その一言に、私は胸がいっぱいになり、言葉に詰まりました。
しかし、当然ながら家族からは頻繁に連絡が来ます。ある日、電話越しに母親から「いつになったら帰ってくるの?」と責められ、以前の私だったらそのまま帰ると言っていたかもしれません
けれど、今日言われた言葉に少し勇気をもらい
「帰らないわ。私は和希さんと一緒にいたいの。」
電話の向こうで驚いた声が聞こえたが、私の決意は変わりませんその後も家族とのやり取りはあったが、最終的に両親は折れてくれた。
「結局、親も認めてくれたわ。でも、あの頃の私、よくあんなに大胆なことを言えたなって思うのよね。」
お母さんはそう言ってクスッと笑った。
「でも、何で添い寝をやめる事ができなくなる事に関係するの?」
何故添い寝を止めれないに関係するのが私にはわからなかったが『続きがあるの』そう言われ私はその後の話を聞きました
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