第13話目的地は・・・
あの鬼畜な訓練を思い出すと今でも背筋が凍るがこうも実用的に使えるとその訓練のおかげと言いざるおえない。
「お待たせしました。魔獣が出たって聞きましたけど・・・・・・」
「その件についてはカイがあっさり片付けたから大丈夫だ」
「お怪我はありませんか?」
レクスがそう答えた瞬間僕の方を向き凄い勢いでそう聞いてくる。
「だ、大丈夫遠くから魔法を撃っただけだから」
その勢いに驚きつつもそう答えるとホッと安心するマイ。
(好きな人にこんなに心配してもらえるなんて幸せ者だねぇ)
うるさい!
ソラは僕をたぶらかさないで欲しい。
改めてそう言われると本当にもしかしてと考えてしまう。
「良かったな、カイ」
小声でレクスにも言われてしまった。
こいつらめっちゃ気が合いそうだなと思いつつ本当にもしかするかもと思ってしまうカイだった。
◆
あれから更に馬車で進んでいき夕方になった頃、
「もうそろそろ目的の街に着きますよ」
アゴットさんが外を見ながらそう告げる。
「初めに行くのはイレイスだったな」
「ええ、自由な時間を増やされますか?」
「いや、予定通りで良い。想定よりも魔獣に足止めを食らっていないからな」
それは僕のせい・・・・・・いや、おかげかな。
見つけたと言う声が聞こえて、その魔獣が見えた瞬間に魔法を撃って倒しているからだ。
本当はそこまでする予定じゃなかったんだけどマイが倒すたびに凄いと言ってくれるので調子に乗って倒していたら僕が倒すという認識が全員についてしまい魔獣が出たという知らせが大声から僕に伝えるためのものに変わってしまい結局僕が倒すことになった。
「しかし、ゆっくり会える時間は中々とれませんよ?」
「私情をはさむわけにはいかないからな」
何かレクスが少し緊張している気がする。
「何か緊張してる?」
「いや、そんなことは・・・」
「無理もないでしょう何せ婚約者のご実家に向かうのですから」
「おい、アゴット」
「これは失礼」
レクスが慌ててる。婚約者の実家に行くので緊張しているのは図星なんだろうな。
「それなら、王都以外の街は初めてなので少し長く滞在しても良いですよ」
「だから、私情は」
「それもそうですね。朝出発の予定を昼間で延ばしましょうか」
こうしてレクスの抵抗はあったが、僕とアゴットさんの連係技によって滞在時間が延長されたのだった。
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