私達の世界はもしかしたら箱庭かもしれない

@matunoko

地球はもしかしたらゲームかもしれない

いつもはただただ星をぶつけるだけで終わってるワールドシュミレーターゲームで、今日はしっかりした生物の住む惑星を作ってみようと思う。


適当に恒星系を選んで、恒星から程よい距離にある原子惑星が今日のターゲットだ。空中に映し出されたその惑星はまだマグマオーシャンだ。とりあえず将来必要になる物質を加えるために彗星や小惑星を沢山ぶつけて見た。ぶつかったエネルギーでその惑星はさらに赤熱し少し固まっていた表面もまたドロドロと溶けだした。

ここで少し好奇心が湧いてきた。こんなにドロドロしてるとこに大きな惑星を当てたらどうなるのかと、少しの自制心で本体よりかは小さなサイズの惑星にはしたものの、ぶつかった第2惑星は第1惑星を大きくえぐりその破片を大きく吹き飛ばした。


やべぇとは思ったもののそのまま早送りしてみたら、飛び散った破片の大部分は第1惑星に再び落ちていきまた破片を飛ばし、それを数度繰り返しドロドロに解けたマグマの球体になった。合体した破片とは別の塊が徐々に集まって衛星になったのは誤算だったけど、見栄えがいいからこのまま残すことにした。


それから惑星表面が固まるまでの間早送りしていった。その間に何度も何度も雨が降っては蒸発しを繰り返して、最終的には表面が塊できた窪地に大きな水溜りができた。


このまま待ってても生物はできないだろう。そう思って、原始的なバクテリアを惑星全体の水中に散りばめた。タイミングが悪かったのか、最初は生物の数が全然増えなかったが、早送りしつつ加えていったら、そのうち生物の数が増え、それから時間を置き今度は酸素濃度がぐんぐん伸びて行った。


それからは目に見える大きさの生物もちらほら出てきて進化するに任せて早送りしつつ、途中二酸化炭素濃度が高すぎた時は地下に炭素を蓄えさせるために光合成生物を加えたり、大量絶滅が起きた時は、リロードし事前に何割かの生物を保護しておき何とか生物を進化させて行った。

途中で地上生物だらけになってつまらなくなり空を飛ぶ生物を追加してみたが、ほかの動物と違いゴツゴツしてて形容しがたい気持ち悪い生物になってしまったが、多様化というにはいいだろうと思ってそのままにしたりもした。そんな感じで20億年ほど進めた。


その頃になると10メートルを超える巨大生物ばかりになり、安定してしまった。狙っていた安定にはたどり着いたけど、私と似たような生物を作り出してみたかったからこんなに大型な生物は違うかな……。


そう思い、大きな小惑星(小型の動物だけを保護して大型の地上生物が絶滅するくらい)を落とした。何回か加減を間違えて惑星を壊滅させてしまったが、その度にロードを繰り返し、20回目くらいで程よい結果が出せた。小さい生物ばかりになったので、そのまま時間を進めた。


そうしてさらに時間を進めた。環境の変化を繰り返しながら概ね安定した生物相になってきたところで、片隅に住んでいた私たちに少し似た生物に知恵の実を食べさせた。これを食べたら知識がついて知的生命体に進化するというものだ。そしてまた時間を加速させた。


また何分かして見よーと思い目を話そうとした時、異常に気づいた。特に目立った天体イベント(隕石が落ちたりなど)は起きていないが生物が絶滅し始めたのだ。直ぐに一時停止し、原因を探したら、知恵の実を与えた生物が急激に勢力を伸ばし、他種族を狩り地下資源を採掘して毒を垂れ流し、環境安定のために地下に埋めた炭素塊を掘り出し二酸化炭素をばら撒きまくり、戦争を繰り返し同種族間でも争っていたのだ。


これは、この種族だけ間引いてやり直しかなと思い、しかし雑に間引くと他の生物種も絶滅しかねないそう悩んでいると、


「___!ご飯だよー」


そこで母に呼ばれ、とりあえずゲームの進捗を保存することにした。


その後失敗したこの世界を彼が開くことは無かった。

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