第4話 一夫多妻は合法なの?
「一夫多妻って合法なの?」
俺には、この世界に転生してから……いや、前世のときから、夢がある。
それは、可愛い女の子に囲まれたハーレムを作ること!
男の夢であるハーレム、前世では一歩もその夢に近付くことは出来なかったが、今世はまだわからない。
けれども、今の俺は、前世の記憶を持った三歳児である! その記憶を生かして今から頑張れば、この夢を叶えることが出来るかもしれない!
でも、もし前世で住んでいた国――日本と同じく一夫多妻が非合法だったら、ハーレムを作るのは困難なことになる。
だから、まずはこの国では、一夫多妻が合法かどうかをお父さんに聞いたのだが――
「一夫多妻って、どこでそんな言葉を……。 えと、一夫多妻自体は合法だぞ? でも、俺たち平民はダメで、許されているのは王族と貴族だけなんだ」
困惑しながらも答えてくれたお父さんの言葉に、俺はショックを受ける。
俺たち平民はダメ、だと…? いや、待て落ち着け
平民はダメでも王族と貴族は許されているということは、俺が貴族になれば……って、なれるわけないか…。
「そっか…平民はダメなんだ…」
「うん。 あーでも、貴族になれば大丈夫だぞ?」
「え?」
え? なれるの? 貴族に? まじ?
「え!? 貴族って、平民でもなれるの!?」
「お、おう、一応、頑張ればなれるぞ。 例えば、騎士爵とか……」
「詳しく! 詳しく教えて!」
「え、えぇ…」
お父さんがすごく困惑しているけど、そんなこと関係ない。 ハーレムを作るためなんだ、早く教えてほしい。
「んーと、貴族ってのは、基本――」
「あなた? 何を教えようとしているのかしら?」
っ!? お父さんが、貴族になる方法を教えようとすると、お父さんの背後から優しそうでありながら、悪寒がする声を発しながらお母さんが現れた。
お父さんがバッと振り返る。
「あ、いや~、シクルにね? 聞かれたからね? あ、えっと」
「ふふ、そんなこと教えなくていいのよ?」
「は、はい…」
お父さん!? そんな簡単にお母さんに負けて良いの!? ハーレムを作るためにも教えてくれないと困るよ!?
お母さんの視線が俺に向く。
っ!? な、なんだこの悪寒は!? お母さんは笑顔なのに、なんでこんなにも怖いんだ!?
「シクルも、貴族になろうとしなくていいからね?」
「う、うん…」
俺が全力で頷くと、お母さんはお父さんを連れてどこかに行ってしまった。
あれから、改めてお父さんに貴族について聞こうとしても、「お母さんに怒られちゃうから、ごめん!」って断られてしまった。
結局、今も貴族についての情報は一切なし。
はい、回想終了。
現在、俺はねぇねのおままごとに付き合わされている。 正直、飽きた……。 ラノベ読みたい……。
そんなことを考えていると、いきなり、ねぇねが立ち上がって、俺に向かって――
「シクル、お外に遊びに行こう!」
――と言ってきた。
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