第2話 転生しました
この俺、
「あう~」
うん、暇だ。 今、俺はベビーベットで寝ているのだが、暇だ。 大事なことなので、もう一度言おう…暇だ!
かれこれ、転生してから一週間ほど経ったけど、寝るか、おっぱい飲むか、泣くか、寝るかしてない!
いや、まーね? 赤ちゃんになっちゃったから、仕方ないよね? ちなみに、泣くことに関してはもう止められません。 お腹空いたと思ったら、体が勝手に泣いちゃう。 後、一応オムツを履いているんだけど、尿意と便意を感じたら、我慢出来ずに出しちゃう。 そして、泣いちゃう、勝手に泣いちゃう。
なんか色々尊厳を破壊されているような気分になっている。
でも、恥ずかしい思いだけをしているわけじゃないんだ。
だって、おっぱいが飲めるのだから! お腹が空いて、泣いたらお母さんがやって来て、おっぱいを飲ませてくれる! 最高!
……って思ってました。 なんか、お母さんのおっぱいを見ても興奮しないんだよね。 やっぱり、血が繋がっているからなのかな?
あっ、ちなみに今世のお母さんは、最初に見た黒髪で瞳が水色の女性です。 長い髪を後ろで結っている、いわゆるお母さんしばりにしているすごく綺麗な女性で、優しそうな雰囲気がします。 はい。
前世の俺だったら、こんなにも綺麗な女性に見つめられたら、ドキドキして興奮するんだけどな~。 血の繋がったお母さんだからなのか、体が赤ちゃんだからなのか、全くドキドキしません!
あっ、後、顔を見せてくれる度に、話しかけてくれるんだけど……
「○□◆◇●▲◎□△? ○□◎▲▽■▼◇~」
はい、何言っているのか全くわかりません!
もうね、ここでピンと来たよね。 「俺、ただの転生じゃなくて、異世界転生しているわ」って。
だって、ラノベでよく見たもん。 それに、周りを見たら良く分かるんだけど、部屋の明かりが電気じゃなくて、ランタン。 そう、ランタンなのだ! お母さんたちの服装も、中世ヨーロッパの庶民が着てそうな、植物の繊維を使ってそうな服装だし。
あと、何より、お母さんたちの瞳。 お母さんは水色。 お父さんは緑。 日本じゃ、中々見ないよ、こんな色の瞳。
あー、忘れてた。 お父さんは最初に見た黒髪の男女の男のほう。 黒の短髪で緑の瞳をしている、これまた優しそうな雰囲気の男。 ちなみに、ちょくちょく抱っこしてくれるんだけど、思っていたよりも体つきがガッシリしている。 あと、髪が固い。
まー、話を戻そう。 ん? 俺? 俺はどんな姿をしているのかだって? 知らん。 鏡やガラスが無いんだ。 自分の姿を確認出来ないんだよ。
あーでも、頭を触った感じ、髪はある。 あと、髪の色は黒だった。 両親が黒髪だから、予想通りなんだけど。 ちなみに、髪の色を確認した方法だけど、自分で髪を引っこ抜いた。 引っこ抜いたとき、思わず泣いちゃって、お母さんに心配をかけちゃったけど。
瞳の色に関しては、わからん。 これは自身の姿を写すモノを使うか、他の人から教えてもらうしかないと思う。 人から教えてもらうにはコミュニケーションを取れるようになるしかないんだけど…。 現状、お母さんたちの言葉が理解できないし、俺自身、喋れないからどうしようもないな。 はい、諦めます。 それに、言葉がわからないから、今世での自分の名前すらわからないし。
さて、今度こそ話を戻そう。 ここが異世界だとしたら、魔法とかは存在するのかな? あと、この世界では一夫多妻は合法なのかな? え? なんでそんなことを気にするのかだって? いや、一夫多妻…ハーレムは男の夢じゃん。 日本だと、一夫多妻は法律上駄目だったから、この世界では合法だったらいいな~って。
あっ、暇すぎて、脳内で一人語りしていたら、眠くなってきた。 よし、寝よう。
――ガチャ
ん? 寝ようと思っていたら、誰かが部屋に入ってきた。
まーいーや、無視。 俺は眠い。 寝る。 さすがに寝ている赤ちゃんを起こそうとしないだろう。
「○◎▲◇□▽△●○? △●■▽◇▲○◎□~」
……!? 目を閉じていると突然、ほっぺを押される。
思わず、押された側を見ると、そこには、小学校低学年くらいの可愛い少女がいた。 黒髪のミディアムヘアで緑の瞳の少女が何か言いながら、満面の笑みで俺のほっぺを押している。
その笑顔は可愛いんだけど、俺はそろそろ寝たいんだ。 だから、ほっぺを押すのはやめてほしい。
というわけで、俺は、ほっぺを押してくるその人差し指を捕まえる。
よし、これで平穏が訪れ――
「□○●◇■~」
――なかった。 こいつ、今度は空いているほうの手でほっぺを押してきやがった。 気づけ! 嫌がってることに気づけ! 俺は寝たいんだ!
……。 まーこんなにも可愛い笑顔が見れるんなら、我慢するしかないか…。
ちなみにこの子、おそらく、俺の姉である。
~あとがき~
未だに主人公の名前が決まってないどうしよう。 プロットを見ても「主人公」としかない。 さぁ、どうしよう。
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