第18話 国王からの依頼!!任務は姫の救出!?

 前回、ツルギを乗っ取っていた邪神は賢者によってアトミックブレードごと裁きの空間に封印された。

 ツルギも元に戻りサラとの約束も思い出して、剣にしか興味がなかったツルギは新しい幸せを見つけたのだった。



 邪神を封印したその後、俺たちは邪神を封印した功績で国王から讃えられ大量のお金をもらった……正直使い道がないので今はまだ貯金することにした。

 あと、冒険者協会からちょっとした支援としてギルドホームと携帯型活動拠点を貰った。


 携帯型活動拠点は普段、魔法でカプセルの中に家の設計図を閉じこめてあるが、これに生成魔法をかけて投げると……あら不思議、家が生成される。


 カプセルはガチャを回して手に入れるため快適かどうかは運だ。


 俺たちが手に入れたのはランクB。シンプルイズベストって感じなので改造次第では快適に過ごせるってレベルだ。


 そしてギルドホームは中央王国から少し離れた場所にあるちょっと大きな家だ。


「キッチンは備え付きで……かまどと風呂付きか……」


「おまけに畑と寝室がある……」


「ベットもまぁまぁ広いわね」


「リビングも多いのですっ!」


「「「「……………」」」」


「まぁまぁ当たりじゃないか?これ……!」


「ええそうね!!」


「うちの王国じゃあ貴族が住むようなレベルだぞ?この家……」


「さすが中央王国なのです……!」


 俺たちはあまりにも快適な家にびっくりする……というか今まで拠点は宿か手作りだったから自分たちの拠点があると思うと少し感動だ。


「さーて、生活用品でも買い出しに行きますか……!」


「そうね!」


 コンコン……!


 すると誰かがドアをノックする。


「? 誰だ?」


「だれか客人呼んだ?」


「いや?」


「よんでないのです?」


 するとノックが強くなる。


 ドンドンドン!!


「わかった! 今出るから!!」


「どちら様ですか……ゲッ!!」


 ドアを開けるとそこには……


「ねねね、姉ちゃん!?」


「おーっす!! ツルギ!!」


 すると姉ちゃんは俺を締め上げる。


「いだいいだいいだいいだい!!」


「村に戻ったからショックだったぞ!? これはお・し・お・きだな!!」


「やめて!! もう姉ちゃんのお仕置きはごめんだぁぁぁぁぁっ!!」


「もう離さないぞーーーっ!可愛い弟よーーっ!!」


 ギチギチギチと徐々に締め上げられる……!


「姉ちゃん!! ギブっ!! 死ぬぅ!!」


「えーっしょーがないなー」


 そのまま俺はポイ捨てされてしまう。


「ぐはっ」


「ツルギーーーーーっ!!」


「あいつはいい奴だったよ……」


「本当なのです……」


「ちょっ!! 私の弟を勝手に殺すなーっ!!」


「殺したのはあんただろうが!!」


 この暑苦しいゴリラ……ゲフンゲフン、気高き女騎士はテツノ・ツバキ……俺の姉さんで、中央王国の近衛騎士団の団長だ。


「あーそうそう、国王からあんた達に依頼よ」


「は?」


「ついこの前に騎士団を連れた姫が魔女の討伐に行ったけど……見事に全滅、姫は囚われの身よ」


「姫を救い出してきてほしいわ」


「それって近衛騎士団の仕事じゃないの?」


「本当はそうだけどその魔女は厄介でねぇ……今の所、ほぼ女しかいない私たちじゃ多分勝てないのよ」


「女じゃ勝てない? どういうことだ?」


「相手は"快楽魔法"の使い手よ? 女が勝てるわけないじゃない?」


「か、快楽魔法!? まだ残ってたのか……!」


「魔物はなんでもありだからねぇ……」


 快楽魔法……はるか昔に王族を惑わしたとされる女性タイプの悪魔に対抗すべく開発された魔法だ。


 手足を魔法陣で縛り上げたのちに身体中の神経に快楽を送りつけて死ぬのがマシなぐらいの地獄を体験させるその魔法は本来の使用用途を外れて、拷問や奴隷……貴族の趣味などに使われてきた。


 今では中央王国によって使用が禁止されたが、スラム街や奴隷市場……魔界など中央王国の政権が届かないところはいまだに使われている。


 しかし弱点もある。それは男には通用しないということ。


 だからあの魔女は男の騎士は殺して姫騎士であるあの方だけを捉えたのかもしれない……


「ってわけでよろしくー」


「ノリ軽くない?」


「大丈夫!! 私もついていくから!!」


「 でも相手は快楽魔法の使い手だぜ……姉ちゃん」


「快楽に堕ちる前に首を斬ればいいの!! 簡単でしょ?」


 全く……この脳筋は……


「あのな姉ちゃん!! 快楽魔法に耐えた女騎士は歴史上1人もいないんだぞ!」


 耐えたとしても更なる快楽を求めて自分の体を売ってしまう女騎士もいたという噂を聞いたくらいだ。


 そんな危険な任務に姉ちゃんを行かせられない!!


「だいたい姉ちゃん5人目お腹にいるでしょうが!!」


「げっ……!」


 そう姉ちゃんはまだお腹は大きくなってないが5人目を妊娠しており俺はどうしても姉ちゃんを戦場には行かせたくなかった。


「もう少しお腹の子の気持ちを考えろや!!」


「えーもうすぐ産休になっちゃうからひと暴れしようと思ったのにー」


「お願い……!! 連れてってーーっ!!」


「でも……赤ちゃんごとお腹切られちゃったら……」


 ツバサはあの時のこともあり一番姉さんの事を心配していた。


「大丈夫!! 私こう見えて切られたこと4回ぐらいよ!」


「4回も切られてるじゃねえか」


「はぁ……わかった……だけどメインは俺達だからね!!」


「姉ちゃんはどうしてもの時にだけ来てよ!!」


「がってん承知の助!!」


「ほんとかぁ〜?」


 俺は姉ちゃんの体を心配しながら魔女の討伐へ向かうのだった。


 次回 快楽魔法の恐怖……!ってユキとサラが分離!?

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