第17話 仲間と剣と約束
前回、様子がおかしいツルギは何者かに操られたかのうように放射能の剣、『アトミックブレード』を完成させてしまう……!
彼が暴走する前にサラ達はツルギを説得できるのだろうか……!
「なんだ? 騒がしいぞ?」
「ほんとです……! それに強い邪気が!!」
「まさか、一般人でもわかるぐらいの邪気を持った奴がここに来たのか!?」
「いいえ!! 邪気の元はツルギ君の中にいる奴よ!」
(やっぱりあれはツルギ君じゃない……とてつもない邪気を持つ何者かが裏で操ってるんだわ……!)
「やっぱりか……!」
「なんとなく察していたのです!!」
「見ろ!!宿から邪気が溢れてる……!!」
「とてつもない邪気……! ツルギ様の体は大丈夫でしょうか!?」
「急がなきゃ!!」
私たちはツルギ君の元へ急いだ……宿の前に着くと、もうその時点でxランクの魔物ぐらいの邪気が漂っていた……!
「開けるわよ……!いいわね!!」
「ああ!行くぞ!」
扉を開けると今まで見たことないような強大な邪気が溢れ出し、私たちは気持ち悪くなって口を手で覆う
(なんて邪気なの……!?ツルギ君……こんなに闇を抱えてたなんて!!)
流石の邪気を感知したのか、教会から賢者が来た。
「貴方達!!これはなんですか!?」
「ツルギ君が……!邪気に乗っ取られて……!」
私たちは事情を説明する
「そういう事ですか……! 私も同行させていただきます……! 邪気の浄化なら任せてください」
「頼もしいぜ……!」
「それじゃあ、行くわよ……!」
再び扉を開けて中へ突入する。
賢者の人が貼ってくれたバリアである程度の邪気は防げているけど……それでも気持ち悪いのは変わらなかった……
そしてツルギ君が作業していた二階へ進む……
階段を一段一段上がるたびに足が重くなっていく……!
階段を上りきるとそこには相変わらず剣を打ち続けるツルギ君の姿が……!
「ツルギ君!!」
私はツルギ君に抱きついて刀鍛冶をやめさせようとする。
きっと今作っているこの剣が原因だ……! 私はそう確信していた。
「ツルギ君!!やめてっ……!」
「…………」
「ツルギ君……! おかしいよ……! 私たちはあなたを捨てるわけ……ないじゃない!!」
必死に説得しようとするけどツルギ君は聞く耳を持ってくれない……!
「……私よりそんな剣の方が大事なわけ!! この刀鍛冶バカァ!!」
「…………」
「また約束破るわけ!? なんで!?」
「怖い……」
「……!」
「刀鍛冶をしなくなったら本当に俺がいる意味がなくなっちまう……!」
「だから……! 俺にはこれしかできないから……!」
「……だからあんたなんて嫌いなのよ……!」
「嫌いでいい……嫌ってく…」
「そのなんでも自分1人で抱え込むことが大っ嫌い!!」
「………」
「あなたに頼るのは良くてなんであなたは頼っちゃダメなわけ!?」
「俺は人じゃない……道具だ!!」
「そんなわけない!!」
「なんで婚約者の私を頼ってくれないの!?」
「…………」
「私はあなたのことが……! あなたのことが……! 好きなの!!」
「……!!」
「いつも剣を治してくれるから!!美味しいご飯を作ってくれるからぁ!! 笑顔にしてくれるからぁぁぁぁっ!! 」
「だからっ!! あなたが好きなの!!約束したの!!」
私は泣きながら想いを伝える。
絶対後で恥ずかしい奴だ……でも構わない……! 彼を救えるなら……!!
「結婚するって………!!約束したんだよぉぉぉぉっ!!」
「………!!」
ーーーーーー
俺は一瞬手を止めてしまう。
その時……俺は思い出した……あの時の記憶を……!
「ねえツルギ君!! 私の結婚指輪作って!!」
「結婚指輪ぁ!?」
「うん!!」
「な、なんで?」
「お守りにするの!! 約束忘れないように……!」
「お、おう」
次に会ったときに僕は結婚指輪を渡した。
「わぁ……!綺麗!!」
「ありがとう!!ツルギ君!!」
「おう!!」
「ぎゅーっ!!」
「うええええっ!?」
あの時の優しくて温かい思い出が蘇る……
するとサラの服の胸ポケットからあの時渡した結婚指輪が落ちて転がってくる。
「あっ……」
俺がそれを拾うと……涙が溢れてきた……
なんで泣いてるんだ俺……なんでだ……?
「辛かったよね…………いつもありがとう……」
サラは俺の頭を撫でて抱いてくれる……姉さんと同じだ……
『ツルギ〜いつもご飯作ってくれてありがと〜』
「ああっ……あああっ……!」
続いてスフィンもツバサも俺のことを抱きしめてくれる……
みんな俺を……仲間だと思ってくれてた……! 約束を覚えていて……くれてた……!!
その事実に俺は泣くことしかできなかった……こんなに嬉しいことはない……!!
『ツルギ……だから言ったろ?』
どこからともなく父さんの声が聞こえた。
「父さん?」
『剣は人を繋ぐってな』
「うん……!うん……!」
すると俺の周りに漂っていた邪気はたちまち消えていった。
そして俺の中から奴が出てくる……!
『おのれえええええっ!! 下級生物どもがああああっ!!』
『この女がぁぁぁぁっ!!』
「………!!」
奴がサラに襲い掛かろうとした時だった!!
俺の体が動き4代目アーマーブレイカーが奴の魂を貫く!!
「なにぃっ!?」
「もう……お前に何も奪わせない……!」
4代目アーマーブレイカーは光属性の魔法をコーティングしたことで、アンデットや悪霊などに必殺級の攻撃を与えられるようになった!!
こいつがあればやつは逃げれない!
「賢者さん! こいつをアトミックブレードごと封印してください!!」
「賢者だと!?」
奴はいまさら賢者の存在に気づいたがもう遅い……!
賢者は封印の術をもう唱え終わっており、すでに封印する準備はできていた!!
「やめろぉぉぉぉっ!」
「じゃあな!!邪神さんよ!」
「グォォォォォォォォッ!?」
そして邪神はそのままアトミックブレードに封印されてしまった。
そしてアトミックブレードも賢者が作り出した空間に吸い込まれ封印される!!
「終わった……」
「ツルギ君……!おかえり……!」
「ああ……! ただいまっ!!」
「へっ……!お前は笑顔がお似合いだよ! ツールギ!!」
「いてっ!! 何すんだコンニャローッ!!」
「ツルギ様が元に戻って良かったですぅ……!」
ツバサちゃんはその場で泣いてしまう
「泣くなってば……!」
「だってぇ……!サラお姉様の想いがやっと伝わったからぁ……!」
そうだ……! サラ!
サラは結婚指輪をそっと見つめていた。
「サラ……その……」
「別にいいわよ……あと……その……」
俺はサラの言いたい事を察する。
「……約束…思い出したよ…!」
「え?」
そして俺はサラにそっとキスをする。
「!?!!?!?」
サラは少し抵抗するがすぐにおとなしくなった。
「………バカ」
「あんたなんか……大好き……!」
「え?」
「な、なんでもないわよ!!」
「それより! 今日もご飯作ってくれるのよね!?」
「お、おう」
「さぁ!二人で作るわよ!!」
「ええぇーっ!?」
無事に約束を思い出したツルギとサラ……!
ついに約束を果たす時が刻一刻と近づいていたのだった……!
「いいなー私もツルギさんとチューしたい……」
「また今度な……」
次回……国王からの依頼!!任務は姫の救出!?
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