第22話

[現状の予算ではこちらになります。]


「ああ、ありがとう。」


 この選定は俺に投げられた。というのもソフィアは頭脳労働はできない、というか彼女は家事すら碌にできない事が分かった。


 ソフィアとは距離制限が無くなった今も同棲を続けているものの、彼女は毎日修行を怠らない勤勉さだが、戦闘以外の事になるとからっきしであった。今まではその部分をイズベルトが指示してフォローしていたようだ。


 そんな感じで彼女は女性であるが立ち位置はかなり男っぽい。おかげで家事は大体ガンプ、料理と家計は俺がやる流れから、この選定も俺になった。


 なおソフィアは最近こっちの食事がおいしいからか、太ったというか、前のキレキレの体から女性っぽい肉付きになってかなり色っぽくなった。


 それに対してイズベルトがダイエットさせたいと言っていたが、俺は今の方が好きと言った所、彼女はダイエットに積極的ではないそうだ。リキが言うにはイズは貧乳好きだとか。何話してるんだうちの剣共は。


[リスト作成しました、こちらになります。]


「あいよ、ありがとう。」


 パッと見数は三十。顔写真とかなく、内容はエネルギー容量や伝達効率、そして価格とあり、基礎出力なんて項目もあるが。


「マジでわからん。」


 どこ見りゃいいんだこれ。なおこれ全部英語なのだが、実は俺は今、英語やいくつかの言語を読めるようになっている。


 どうもソフィアの支配の際に、彼女の言語能力がコピーされて知識として入ったとの事らしい。その為にソフィアと会った翌日に会話が出来たのだ。


[実際の所、数値は重要ではありません。現状、すべてにおいて優れたソフィア様に対しても、暫定マスターの貴方の方が戦果が高いので。]


「いや、ガンプ着ているからだろ…、というか二重の意味でそんなん言われてもなあ。」


 能力が低いと言われたのか、それでもすごいと言われたのかよくわからない気持ちでリストのスクロールを続ける。


 すると項目内にオプションタイプと書かれた項目があった。そこには数字ではなく文字が書かれており、大体がドッグとエイプと書かれていた。


「ふーん?」


 オプションという事は犬っぽいとかそういう?猿っぽいはどんなんだよと思いながら、更にスクロールを続ける。すると底の方に一つだけフォックスタイプというのがあった。


「ほお。」


 キツネねえ。キツネっぽい感じってことかな。その上なんかこの人安いな。まあ、数値は重要ではないっていうし、これでいいか。


「それじゃあガンプ、これで。」


[ふむ?了解。ではそちらでオーダーをかけます。恐らく到着は明日の夜となるでしょう。]


「はーい。んじゃ夕飯の買い物行ってくるか。」


「あら、買い物?なら一緒にいきましょう。」


『ソフィア、菓子類はひかえるのだぞ。』


 一応今日の分の食料をスーパーで買っている途中で、ソフィアがパック売りのケーキを持ってきた。それを見て、恐らくあの青年みたいな新人さんがくるのなら歓迎会でも開くべきなのだろうかという考えが浮かぶ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る