第14話

「途中で夜の道路工事の人と目が合っちゃったけど大丈夫だろうか…。」


[この状況では我々も認識されにくいはずです。恐らく気のせいと処理されるかと。]


「来たわ、旦那様。」


 その声に構える。すると出てきたのは。


「チュイ。」


「あ、なんだ、ラトルか今日。」


 この化け物はラトル。大きさは大体猫ぐらいの鼠の形をしたやつで、すばしっこいが強くは無い。


「へえ、こちらではラトルというの。私の国ではモスロッテよ。」


『いや、我は化け鼠と呼んでるのだが、こいつがガンプの呼び方で覚えただけだ。』


「疲れた今だと手間がかかるだけで、命がかかる様な戦闘にならないのは助かるな。とはいえいつも数が多いから。なるべく処理できる様にどんどん行こう。」


 そう言って俺は腕の銃口から弾を撃ち、ラトルに当てる。だがその威力は今までより強く、弾は貫通して既に虫の息だ。その後にサクッと刀で止め、ラトルは光始める。


「うう、なんか罪悪感が…。」


「旦那様、優しいのはいいけど鼠にまで優しいのは考え物よ。」


 そう言いながらソフィアは別のラトルを見つけて氷で撃ち抜いて、一撃で殺した。


「やっぱり射撃威力はまだソフィアの方が強いか。」


[次回HQとの通信時に、私の武器のアップグレードを進言します。]


「え、ああ。一応ガンプにも悔しいって感情あるのか。」


[はい。]


 あっはっはと皆で笑いながらラトルを狩って行く。そしてとある道の角を曲がった所。


「え?」


 家よりでかいラトルが居た。


「何だコイツ!」


[ラトル集合体のラトルトですね。ここまで大きいのは初観測です。]


「ヂイイイイイイイイイイイ!」


 デカいラトル、ラトルトは俺らを目にした瞬間に一気に臨戦態勢に。なんかキレてない?


『しゃらくさいぞ化け鼠が!ぶった斬ってやれ!』


「お、おう!」


 リキの勢いに気圧されて俺はそのまま飛び上がる。するとリキの身体能力向上と、ガンプの動作補助が相まって家より高いラトルトより高く跳べた。


「おわ!」


[ふむ、リキ様の出力が乗ってしまいましたね、修正が必要かもしれません。]


 そんな言葉を横に聞き、そのまま振り切る!するとその抜群の切れ味から切る感覚も無いほどに両断する。


「よし!」


[いえ、効果は薄いです。]


 不意のガンプの一言で前を見る。すると切り口はわずかに光っているが、同時になめらかな断面から無数のラトルの顔が出てきた。


「うわあああ、気持ち悪!」


[集合体の為に斬撃では効果が薄いです。]


「先に言え!」


『それじゃあ衝撃剣だ!押しつぶせ!』


 だがラトルトは二の手を打たせてくれなかった。ラトルトは俺が作った断面からぺリぺリと裂けて行き、二体のラトルトに別れた。そして一匹が尻尾で俺を吹き飛ばした!

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