第11話

「へえ、じゃあソフィアに服脱げっっていったら脱ぐの?」


「分かったわ。」


 そう言うとソフィアはノーモーションで脱ぎ始める。


「え、まて!ストップ!」


「ええ、分かったわ。」


 ちょっとはだける辺りで止めてしまったが、止めなければそのまま行ったのだろうか。微妙に後悔が残る。


『おお、これ我からの指示でも動くのか?』


『…ああ、その通りだ。』


 これは、夢あるな!


『だが、最上級の支配下拘束はやめてほしい、お互いの為にも。どのみち我々はもう裏切る事はできない。』


「え、そりゃあ嫌だろうけどさ。何でまた。」


『戦闘などで一キロ以上離れた場合、こちらからそれ以上離れる事は出来ないが、そちらが離れる事はできる。』


「うん。」


『その場合我々は離れた時点のそこで死ぬ。』


「はあ?」


『それに冗談も指示になる。例えば死ねと言われたら、本当に死ぬだろう。』


「うげ、なんだよリキ、お前めんどくさい事したなあ。」


『だから今条件緩める為に色々頑張ってるんだろうが!くっそ、なんだこれめんどくせえ…』


「ええと、ソフィア、さん。あなたは何か今したい事はありますか?」


 なんか改めて彼女を見るとその綺麗さも相まって緊張してしまう。


「ソフィアでいいわ。それに敬語も。」


「え、ああ、わかったよ、ソフィア、さん。」


「ふふ。」


 くそ、緊張からイニシアチブ取られてる。冷静に考えると綺麗な女性が自宅にいる状態なんて初めてだ。


 ああ、部屋片付けるべきだったか?だがそんな焦りの中改めて彼女を見ると、陽射しにより彼女の顔や衣服に汚れと傷が見えた。そうだ、昨日俺達は戦った、と言うか一度彼女をぶっ飛ばしているんだった。


「すまない、こんな形で関わる事となって。」


「いいわ。私は殺すつもりだったし。それに今は貴方の事嫌いではないし、好きよ?」


 何!なんだこの都合のいい感じは!まずい、俺の年齢と容姿を考えればまず美人局の可能性も考慮しなければならないのだが。いやでも昨日殺し合い状態だったし、駄目だ頭がバグる。


『あ、一応だが隷属状態になると好感度は最大状態になるぞ。基本聞き分けがいい方が奴隷として都合がいいからな。』


 ちょっとがっかりしつつ奴隷という言葉に引っかかる。


「おいリキ、奴隷ってそんな言い方無いだろう。」


『いや、文字通りだ。隷属といっただろう。今はそう言う状態だ。まあ戦の敗者には死か支配って事だ。権利なんて無いのさ。』


 そこで初めて、レイゾクの意味を知る。口頭での説明でなんかそう言う何かがあるのかな?と思っていたのがこの言葉で大体意味が分かった。


 何やってんだと思えど、じゃあ殺すかとなるとまだましなのだろうか。

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