第35話 いろいろ買ってみた
【土壌分析機】
ネットで土壌に関して調べていると、
土壌分析機というのがあった。
中でも高性能なのは、
土壌主要構成物質として15種類(含肥料)
土壌の肥料保持能力
土壌腐食値
土壌汚染物質として26種類
が調べられるという。
自動車が1台買える価格ではあるし、
異世界には存在しないのでは、と思える物質も
分析できる。
ただ、異世界で農業を進めるのならば、
この程度は知ったほうがいいのでは、と思い、
購入に踏み切った。
自慢してるわけではなく、
今の僕には金額の多寡はあまり関係ない。
金塊、銀塊、多分その他のレアメタルなんかも
あちらでバンバン手に入るから。
この分析機がどうなったか。
やっぱり、想像通り、魔物化した(笑)
なんというか、魔物というよりは
口うるさい化学者になったようだ。
自分で歩くし。
で、村の周囲を土壌分析してみた。
「ケッカガデタゾ(結果が出たぞ)」
分析機の口調は偉そうである。
一応、モニターと紙で結果が出力される。
「地球と比べてどう?」、
「チキュウトコウセイブッシツハホトンドカワランゾ(地球と構成物質はほとんど変わらんぞ)」
「ほとんど?魔素がこの世界にはあるということ?」
「マソガアラユルバショニソンザイスル(魔素があらゆる場所に存在する)」
この機械は、魔素濃度も分析できる。
これは異世界分析機器ならではだ。
次元わたりで機械が進化したのだ。
この分析機に聞くと、
魔素というのはこの世界だけではなく、
あらゆる世界の必須物質らしい。
だから、地球にだって存在しているかもしれない、
という。
そういえば、僕、向こうで軽く魔法を使った。
チャッカマン魔法。
魔法かどうかわからないけど、魔法に近い
回復薬(マキロン)も使った。
魔法が使える、つまり魔素が地球にもある証拠
なのかもしれない。
まあ、頻繁に使用すると
そのうち地球の神様に見つかるから自重するけど。
あのアメリカの神様なんか、かなり感度高いしね。
地球の裏でも魔法使用を感知されていそうだ。
他に良かった点は、
この化学者もどきの魔物機械、
植物を投入すると、
ベストな必要肥料を分析してくれる。
実に有能な機械になった。
「アタリマエダ。モットホメロ(アタリマエダ。もっとほめろ)」
などと胸を、というか胸にあるモニターを
張ってきた。
この点は、研究所を設立して
誰かに研究させようと思っていたのだ。
根気さえあれば、
さほど難しい作業ではないと思う。
が、その手間隙を一気に解消できた。
一応、主要な肥料6種類を買い込んである。
この分析機のアドバイスに従い、
不足する肥料を日本で購入しよう。
【レジャーボート】
僕が一時期日本ではまった趣味。
それは渓流釣りだ。
その時の憧れとして、海釣りがある。
それも立派なボートに乗って、というやつ。
昔、有名な俳優が南の海とかで
真っ黒に日焼けしてカジキマグロを釣り上げる。
小さい頃から日陰者の僕としては、
非常に憧れるシチュエーションだ。
だから、ボートを買うことにした。
そのために、せっせと学校に通って、
2級船舶免許を取った。
ボートを買うのに必要らしい。
これで総トン数20トン未満の船が買える。
ただ、調べてみると20トンの船ってそんなに大きくない。
長さ20mもない感じ。
外洋バリバリに出ているような船はのきなみ
20トン以上ありそうだ。
もっとも、レベルの上がってきた僕でも、
大きな船をマジックバッグには収められない。
せいぜい10mちょっと、10トン未満の船が
せいぜいだ。
ちなみに16世紀頃、世界の冒険家たちが操った
帆船(キャラベル船)は50トン程度だった。
コロンブスの船が60トン程度らしい。
ボートには大まかに2種類があった。
プレジャーボート、クルージングを楽しむものと、
漁船タイプ、魚釣りとかを楽しむもの。
プレジャーボートは格好いい。
LDKのような設備があり、
まさしくお金持ち仕様だ。
でも、僕の目的は魚釣り。
だから、漁船タイプに絞る。
漁船タイプはいきなり外内装が地味になる。
その分、実用性は高い。
ただ、海に出るようなことがあれば、
プレジャータイプも購入してもいいかもしれない。
当面は、レベロン川での使用がメインだ。
村のそば、とはいうものの、
20kmぐらい離れているけど、
そこを流れる幅数百mはある川。
そこに港を作るつもりなんだ。
不安なのは川の深さ。
だから、水深測定機を買った。
合わせて魚群探知機も兼ねている。
まあ、船も探知機も魔物化したけど。
この辺はもうあきらめている。
魔素で動くし、魔素は自動的に取り込んで
くれるし、激務にもさして不平不満は言わないし。
むしろ、ほっておくと文句を言う。
で、すねたりする。
実にブラック仕様なのであった。
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