第16話 日本のものを持ち込むとパワーアップ1
「こんなものも持ってきたんだよ」
取り出したのは、電気柵。
「使えるかどうかはわかんないけどね」
電源はソーラー。
太陽光発電気があんな風になってたから
期待してみてみると、やっぱり。
「魔素エネルギーで動くみたいだね」
「魔素エネルギーですか?これも魔道具ですか?」
ソーラーパネルは魔素集積機になっていた。
どうも、電気系の機器は魔道具になるようだ。
「この柵にはね、雷魔法が流れているから」
電気ショックって、この世界ではわかってもらえなくて、雷で説明した。
「となると、触るとまっ黒焦げですか?」
住民は恐れ慄く。
「一度、試してみようよ」
僕達は設置してみた。
とりあえず、100m四方の畑を囲ってみた。
『ボン!』「「「!」」」
柵に向かって物を投げつけてみる。
柵に到達する前に大音量と発光とともに
爆発した。
どうやら、柵に近づくだけで
電気ショックが発生するようだ。
「い、い、いや、威力、強すぎませんか!」
まったく。おっしゃるとおり。
「僕もびっくりした。安全地帯を作る必要があるよね。柵を三重にして電気柵をサンドイッチするか、堀をほるか」
「耕運機で内外に堀を掘っておきましょうよ。水を流しておけばよっぽどのことない限り大丈夫でしょ」
「コウキ、いけるかな?」
「ゴシュジンサマ、オマカセアレ!」
耕運機は機械系亜魔物で、嬉々として高速で掘っていく。
ちなみにコウキは彼?の名前だ。
「これはいいですな」
「安全対策はしっかりとね」
「あの黒焦げ見せるだけで大丈夫でさ」
「全く」
「できれば、集落の周囲にもあるといいんですが。時々、魔獣とか魔物が襲来するんですよ」
集落の周囲は簡単な木の柵で囲ってある。
「とりあえずは僕が土魔法で外壁を作ってみるよ。電気柵は次回ね。でも、メンテや拡充なんかはできる限り君たちの仕事だよ?僕も手伝うけどさ」
「「「おお、度々ありがとうございます」」」
女神が僕の部屋を覗いてくるのを阻止するため、
認識阻害スキルを発現しておいた。
それをここで活用する。
電気柵の電源と魔素集積機を見えないようにした。
集落の人には見えるようにしておいた。
スキルのほうで除外者を設定できるのだ。
「魔獣とか襲来するっていうから、次は武器・防具の話ね」
まず、武器。
ナイフと包丁。
「このナイフは振ると風魔法風刃が発動するんだよ。シュバ」
「ほおお、これが風刃ですか。見事な切れ味ですな」
直径10cm程度の木が切断された。
「儂らにもそのナイフを使えるのでしょうか」
「魔力のある人なら。使用者の魔力にも依存しているようだから、各自で練習を重ねてね。レベルが上がると攻撃力がダンチになるし」
僕が真剣にナイフを振るとどうなるか。
『ドゴーン!』「「「うわあ!」」」
「この通り、3種類の範囲攻撃ができるようになるんだよ」
3種類の攻撃とは。
ソニックウェーブ 衝撃波 音魔法
ライトニングウェーブ 雷魔法
フレイムウェーブ 強力な炎攻撃
「練習を重ねれば、こんな凄い攻撃ができるようになるんで?」
「それは君たち次第だと思うよ。ただ、少なくとも風刃は発動するはず」
「弓より使い勝手が良さそうだしな」
「ああ、攻撃対象が広いね」
「あとはね、弓を使う人が多い、というから、こんなものを持ってきた」
取り出したのは、弓2種類。
「これは格好のいい弓ですな」
「使ってみてよ」
弓は自分たちが使っているものを使用。
「これがリカーブボウですか。デザインが洗練されてますね……射ってみると精度や威力が高くなってますが、自分たちのいつも使う弓の延長線上のものですな」
「これはコンパウンドボウというんですか。滑車とかえらく高機能な感じがしますね……やってみると、使用感が違いますね。弓を引っ張ったあとの維持が簡単です。こっちのほうがいい感じがします」
「では、次は特殊な矢を使用するよ」
矢は日本で買ってきた金属製のものだ。
でも、見るからに凶悪な感じがする。
『シュパ』『ズゴーン!』
矢が着弾するとともに爆発した。
直径数mのクレーターができていた。
「……なんですか、あれ」
「矢に爆発魔法かなにかがこめられているってことかな」
なんだろう。
簡易RPG、ロケットランチャーというところか。
次元わたりで矢に凶悪な威力がついたようだ。
「人間の軍隊相手でも行けそうな感じっすね」
「うん。小隊規模なら行けそうな気がするな」
「今回は1セット持ってきたんだけど、次回はもう数セットもってくるよ。それと矢はできる限りたくさん」
次元渡りは弓本体ではなく、
矢に影響を及ぼしたようだ。
矢は継続的に大量に購入しておこう。
「あと、防具はこれ」
ボディアーマー、ヘルメット、安全靴をわたす。
「ムチャ、かっこいっすね」
スタイルは王国的には随分とモダンであるが、
好評だった。
使用してみると、ユニクロと同じく、
使用者のサイズに自動的に合わせてくれる。
どうやら魔法攻撃・物理攻撃・精神攻撃耐性が
付加してる模様。
ただし、使用者の魔力に依存するようである。
【お菓子】
「さて、前回は各種お菓子を置いていったんだけど、効果は良かったみたいだね」
「最初はですね、お菓子食べられてラッキー!だけでしたが、食べるごとに薄く発光しまして。数日後には魔法を使えなかったものに魔法が発現したのには驚きました。その他も明らかなパワーアップを感じたり、新しい魔法が発現したり。いや、もうあれにはみんな本当に驚きました」
「ああ、これからもお菓子を配るから、お菓子を朝に食べたあとは何か負荷をかけてね。そうするとパワーアップが永続的に身につくみたいだよ」
これはルシールの助言だ。
ルシール自体がお菓子の恩恵を受けていた。
以前比で魔力が2割増しになっているという。
必死にダイエットしたかいがあったというものだ。
「そうなんですか!でも、負荷のあることって?」
「力仕事とか。農作業とか」
「ああ、だから朝にお菓子を食べる指示をくだされてんですね」
「みんなさ、どこかにジャンプ力を測定するボードを作って、パワーアップしてるかどうか確認したらどうかな。それから、次回は握力計持ってくるから」
「わかりました」
「それとね。時計を持ってきた」
僕はちょっと大きめの置き時計を取り出した。
「時計ですか?噂には聞いたことがありますが」
「これはね、1日の半分がたつとこの短い針が1周するわけ。1日だと2周だね」
などと説明をしていった。
一度では覚えられないかもしれない。
そこで、
「みんな、朝6時には起床。7時に朝ご飯。8時には農作業に出て……」
と1日の予定を時計に従って立てることにした。
時計にはアラーム機能がついており、
たくさんの設定をしても大丈夫だった。
なお、時間や距離等は地球と同じであることは、
前にも述べた。
神様たちが世界を作り上げるときのデフォに
なっているのだ。
「それから、毎週日曜日は休み。そのときに、持久力の測定を行うよ」
「持久力ですか」
「畑の周りに堀を掘ったよね。そこの周りを3周する。そのタイムを測ろう。みんな一斉にスタートして、何分何秒かかったか」
「面白そうですね。んじゃ、早速やってみませんか」
ということで、持久走を図ってみた。
1周が500m強。
持ってきた電気柵が500mだったからだ。
そこを3周で1500m強の長さになる。
タイムは速い人で6分、遅い人で15分だった。
「よし、じゃあこのタイムを各自の初期値としよう。タイムを10%以上縮められたら、賞品をあげるね」
賞品はメガ盛り弁当でいいだろう。
「「「おおおー!」」」
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