第2話 伝えたい事はちゃんと言葉にして

そうしてから、

母の病室に戻った。


「お母さん、それに、私が運動会に出なかった時、教室で一緒にお弁当食べてくれたでしょう?あの事、すごく覚えているのよ。」


そう、つぶやいた。


「ああ。あの時ね。あんたが、普通の教室に通えなくなった時ね。」


母は、思い出した様に言った。


「あんたね、伝えたい事は、ちゃんと言葉にしなくちゃ、伝わんないんだよ?

伝えなくても、わかっていてくれると思ったら、それはエゴよ。」


私は、胸につまされるような思いだった。

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