第3話 運命のふたり

「そうだね。お母さん。私も、お母さんとの、残された時間を、大切にするから。

おかあさん、一日でも長く生きてね。」


私は、そう言った。祈りにも似た気持ちだった。


実家に帰ると、父が出迎えてくれた。


「なんだ。絢香。お母さんとは話は出来たのか。」


父が足を引きずるように歩いて来て、玄関から出てきた。


「出来たよ。少しね。お母さん、苦しまないで逝けたらいいね・・・。」


そう、私が言うと、父は、たまらずと言った感じで、

目に涙を浮かべた。


一度は、離婚した二人だった。

しかし、運命は二人を再婚に向かわせた。

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