架空歴史伝!~時代をつかさどる神に成り上がったある1人の現代クズの物語~

沼津平成

第-1話 プロローグ

「え!? 転生っすか」

 その話を持ち掛けられたとき、僕は軽い気持ちで聞き流していたが――。相手が自分の話をよく聞くように、と持ち掛けられて、いつの間にかそいつの話を聞いてやっていた。

 浜辺をさわやかな風が撫でている。こんな日は散歩にうってつけだ。しかし、そんな日を奴はただの僕との対談に費やしてくれたのである。

 もっとも、とうの僕は散歩がしたかったのだが。

 そいつは、石を投げた。遠いところからだったから、海のほうへなど入らなかったが、そいつは熱中して水切りごっこをはじめた。

「なあ、いい加減話してくれよ――散歩行くぞ?」

 最終確認だった。奴は答えた――「そういうのを待っていたよ!」


「なあ、転生しないか?」


 僕の周りをまた、秋の風が吹き始める。これが人生の転機、いや”最後の転機”なのだ、と僕は直感した。

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