岩より落て朝を迎うる事

朝というのは清々しく迎えられる日ばかりではございません。

巷に流布された「朝」という言葉は、前向きな印象で捉えられることが多いですが、生きていれば陰鬱な気分で迎える朝ももちろんあるわけです。

そんな時として迎える陰鬱な朝が今日だった訳で、特に理由がある訳ではなく「何となく陰鬱である」といった気分でございました。

そんな中、清掃の奉仕中に足をかけた岩から滑り落ちました。着地をした直後、今まであったどことなく陰鬱な気分は吹き飛び、文字通り「清々しい朝」へと世界が一変したのでございます。

岩から滑れば刹那考えなければならないのは「着地」でございます。これは一々思考すると言うよりは本能的に行われる脊髄反射とも言えるでしょう。「考えざるを得ない」が適切かもしれません。それ故に、選択肢はなく心に諸々ある思考や煩事を全て跳ね除け「着地」一色にして心が染まるのです。

こうなってしまえば「陰鬱」はどこかへと追いやられ、「着地」を終えた後にできる心の隙間が清々しい「朝」で満たされてゆくのです。

これは一例にすぎませんが、朝になにかしらを集中して行うことはその日その日を清々しく過ごす上で非常に有効であると言えましょう。


令和6年11月9日

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