第4話 百合香と里花
平井 百合香と出会ったのはアイドルの養成所だった。里花が歌の歌い方が分からず困っていたところを百合香が助けてくれたのだ。それがきっかけで2人は仲良くなり2人でアイドルグループになるほどになった。中々人気が出すライブに1人も人が来ない日もあった。そんな日々が続き里花はもう嫌になり百合香に辞めたいと言った。その時百合香は里花にこう言った。
「私はある日テレビに出ているきらきらしたアイドルを見て自分もこうなりたいと思った。
でもどうしてもダンスが苦手で私には無理なんじゃないかと思っていた。
でもある日里花に会って、里花は歌が苦手だけどそれでも毎日頑張っていた。その時思った。私が見ていたきらきらしたアイドルもきっとこの子みたいに努力をしていたんだって、だからこそきらきらしていたんだって。その時に私は貴方みたいなアイドルになりたいと思った。
貴方は何処へだっていける。例え武道館だって。」
「武道館は無理だよ百合香。」
「できるよ里花。私が保証する。一緒に武道館で歌おう!」
そう言われた瞬間里花は本当のアイドルになった。そんな気がした。苦手な歌も沢山練習してもっときらきらしたアイドルになって、いつか百合香と一緒に武道館のステージに立つんだ。
里花はその時決意した。途方もない夢を叶えると。だから里花の夢でもある武道館でライブをするというのは百合香との約束でもある。百合香は唯一無二の相棒だ。たとえ今は人気がなくても百合香とならいつか絶対夢を叶えられる。里花は今でもそう思っている。百合香もそう思っていると思っていた。 なのに
「なんで?なんで辞めるなんて。」
「別に、もういいかなって。」
良くない。何も良くない。
「2人で武道館に行こうって言ったじゃん。」
「無理に決まってるじゃん。そんなの」
「無理じゃない!私達ならできる」
「どうやって?私達の人気じゃ無理」
「できる!私がそうさせる。無理だと思うなら見せてあげる。次の1ヶ月後の野外ライブで1000人以上の観客を来させるから。」
「私達のファンは100人程度だよ。そんなに来るわけないでしょ。」
「何としてでもさせる。もし出来たらアイドルを続けて、出来なかったら辞めていいよ。」
「分かった、そうする。」
つい熱くなってしまった。1000人、今のままではどう考えても無理だ。だが里花には唯一の希望があった。もう始めるしかない。里花は電話をかけた。
「もしもし、江成さん。計画を始めましょう。」
「里花ちゃんから掛けて来るとはびっくりしたよ。もう始まるの?」
「ええ、始めましょう。偽装スキャンダルを」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます