第24話  ファントムと証と欠片の印


プリンの試食です。



あれからも続く歩法の訓練にやられている僕




あまーいのが欲しいのです。



ミレイが張り切って2日に1回くらい作ってくれます。なかなか難航してる模様。


まあそれもこれも僕が安易に『好き』と言ってしまったのがいけなかったのかも。



でも『新しい味にチャレンジは楽しいです』


結構楽しいらしい。うーん。僕の知識では


アドバイス出来ないしなー。


でも美味しいよ?プリンじゃないけど。



コハクもユオも最近楽しみにしてる。



さぁ、今日も遊ぼうか!



僕たち3人はまず祭壇部屋へ行って


お参…お祈りしてから部屋で遊ぶ。


コハクは割と手を使うのが上手なので


積み木大好き。



ユオはそんな積み木を崩さないくらいの



絶妙な匙加減でいたずらをするのが好き。



『きゅい!きゅ!』

『あっ、またやったなー』


澄まし顔で『にゃにゃ〜?』




でもそんな時は僕とコハクのダブルモフを


ユオにお見舞いするのだ。



僕はお腹にずずっーと顔を埋めて


コハクは首元にまとわりついてきゅ!



『にゃ!にゃ!』


ふふふ、逃げれまい。



するとヒュンと影に逃げるユオ。


『あー!また影にいったなー!』

『きゅきゅ!』


コハクは影を探してテシテシ。


ふふ、僕には全て見えているぞ。


にゅっと出てきた所をキャッチ!


『にゃ⁈』『きゅーーい』


そしてコハクダイブ。



うむ。楽しい。


そんな僕らはすぐに新しい遊びを見つける。




トンネルだ。



裏庭にある砂場で僕が山を作る。



もちろんバケツに水は忘れない(小さめ)



スコップ持って山を作る。こればかりは2人には出来ない作業なのだ。



1人せっせと作っていたら“とある”感情が


流れてきた。



僕はガバッと立ち上がり“それ“をみた!



そして




すぐにスコップを投げ出し向かった!



2人のもとへ。




『ドッキングなんてずるいー!』




そうやる事のない2人はドッキングしてた。



ユオの頭にコハクが乗り


手をあご下に巻きつけ身体は首あたりで


寝そべり尻尾を真上に立てクルクル回す。



くっ。それは何か受信するのか?



黒いユオに白のアクセントのコハク。



尻尾が円を描いて僕のハートを撃ち抜く。


『ぼくもドッキングしたい〜!』


しかし僕たちを放置したよね?って。


ち、ちがうよ〜。おやま作るのは大変じゃん


しかし、誘惑するようにぼくの周りを



ドッキングモフがテシテシ歩く。



そこからスッスッと。



な、なんだと!ユオ⁈


『な、なんでユオが⁈』


ユオはロブ達の使う謎の歩法をマスターしていた。ゆらりゆらり。


そして怯んだ一瞬!


コハクがフッと消えて僕の顔面に飛びつき


現れた!


僕たちの勝ち〜!そんな感情がきた。





きゃっきゃっ!うふふふ。



そして僕たち3人はミレイの所へ自慢しに行くのだ。


ドッキングソウルを見せるのだ!



ミレイを発見。洗濯物を干している。



僕らはミレイの前に飛び出した!



セリフはぼくの担当だ!


ポーズを決めて叫ぶ!







『もがっもががっもっがー!』












仮面タイプは喋れなかった。


今は地面にミレイも座り僕たち3人の


ドッキングソウルを説明していた。



『だからね〜僕の髪の毛が灰色っぽいでしょ〜。そこにユオがお角さまの間から出ると2色になってかっこいいよね?で、コハクは顔の下を隠して謎の1人感が出て、でユオの手はコハクをもっててだから3人でドッキングで〜、僕らはソウルメイトだから、ドッキングソウルってセリフを、あっ決めのセリフを

ね〜、でも誤算だったのが喋れなかったんだよねぇ〜』


ドッキングソウルの素晴らしさとちょっとした失敗の説明をしていた。


僕たち3人はちょっと、うっかりしたのだ。




『うふふふ、お可愛いらしかったですわよ』


そんなこと言うミレイに


『むぅ!僕たちはドッキングのかっこいいのを説明したのにぃー!』


あらあら、まあ。と笑うミレイ。


『よーしいつか僕たちのさんみいったいをミレーにおみまいするからね!覚悟しててね!わかったー?』



『およよですわ。私いじめられますの?』



『い、いじめないよ〜!』


『僕たちは秘密結社ファントムハグ!』


『やさーしく、気づかれずにハグするの!』


『きゅーい!』『にゃんにゃーにゃ!』



そう!やさしい秘密結社なのだ!


『まあ!秘密結社が正体をバラしてもいいのですか?』


ふうー、やれやれだ。


『ミレーはわかってないねぇ、ほんとに秘密にしたら、あ!あれは秘密結社ファントムハグだ!って言ってもらえないでしょ〜』


『まあ!ほんとですわ!』


うふふしてる。



それから僕たちは前庭に移動して作戦会議だ


『だからねぇ、ミレーはなかなかの手だれだと思うからまずは三人で修行が必要だと思うの』『にゃん』『きゅ』


うむ。やはり!


『だからね今から追いかけっことかくれんぼを同時にしたらいいんじゃない?』


3人で膝をつきあわせ会議。


テシテシとコハクが透明化する。


ユオは影に。僕は隠蔽で隠れる。



時々、姿を現すルールだ。僕の神眼もオフ(あ、任意で出来ました)



しゅ、したたっ。フッ。


ババっ!にゃ!あ!ひゅん











きゃっきゃっきゃっ!うふふふっ!






結果いつも通り楽しくなって遊んでいた。








ソウルメイトたちと遊んだ次の日の朝



起きておはよーをしようと2人を見たら



『な、なにこれ〜!』


な、なんと


コハクとユオにかっこいい紋章…いや、模様が!


2人とも目尻から目の真ん中あたりまで

頬骨に沿って2本の線が入っていた。


上の方が長く、二重の線。めちゃくちゃ大きくもなく、かといって見えない訳でもなく


バランスが最高。


とにかくかっこいい!


コハクは赤の二重線。白に映えてる。

ユオは白の二重線。黒に映えてる。



な、何で突然⁈

なんか封印解けたの?



2人共『きゅい〜?』『な〜ん?』ノンキだ!


そ、そうかまだ2人とも鏡見てないから!



あ、違う!神眼で観ればいいのか!



ちょうどその時ミレイが入ってきて


『おはようございます。朝から何か大きな声が聞こえましたがどうされました?』


『こ、これ!コハクとユオの封印が!あっ!違う!かっこいい線が!急に!』


あわわわっ!と2人を抱えて顔の前で


ミレイに見せる!


『あら?な、なんですの?えっ?ニコ様?』


ミレイも驚きだ!


『に、ニコ様にも出てます!模様がっ!』


え?ぼ、ぼくも?え?


そのまま部屋の鏡の前に皆んなで向かうと




ある!僕にもあった!


しかも闇だ!いや、黒だった!



僕は思わず『やったぁ〜!』


万歳でぴょんぴょんだっ!


コハクもユオもお揃いでわっふわっふした!



どう見ても同じデザイン。違うのは色だけ。



しかも皆んなかっこいい似合う色だ!



『ろ、ロブさんを呼んで参りますわ!』


あ、そういえば何なのこれ?


目尻の模様に集中して


『神眼!』


—————————————

【 天魔のあかし 】

•種族特性の証

•天魔の魔力を有する者に現れる

•天と魔を意味する二重線

•天魔族の証は必ず“黒“

(縁を魂で紡いだ者は色違いで現れる)

——————


おおっー!証!かっこいい!


あ、じゃあ2人は?


——————————

【 天魔の欠片のしるし 】

•天魔族と魂が紡がれた者に現れる

•天魔族ニコのソウルメイトの印

•天と魔を意味する二重線

————————


おっ、おお〜!


この前の天魔の魔力になった影響?


何でもいいや!ついに紋章が!


あ、証か! 


2人は欠片の印かぁ〜、かっこいい。


するとバタバタとロブがやってきた!



『ロブぅ!見て!みて!証!』


『お、おはようございます。あ、証とは?一体何がありましたか?』


僕はふんす!と説明する。


『これはねぇ、“天魔族“の証だって!天魔の魔力を有する者に現れる!天と魔を意味する二重線だって!かっこいいよね〜!』


『なんと!種族特性の証ですか!おめでとうございます!して、コハクとユオは種族がちがいますが?』



『2人は僕のソウルメイトで魂が紡がれた者?に現れる、こっちは欠片の“しるし“だって!でね天魔族は必ず黒色で現れるって縁を魂で紡いだ者は色違いだって!』



むっふー!嬉しメーター振りきるよ?


2人共嬉しい?嬉しいかぁ!ありがと!


ミレイも言う

『種族特性の証、おめでとうございます。それから少し気になったのですがお角さまの色も少し変わってませんか?』



え?ほんと?どれどれ〜?


『うわぁっー!かっこいいー!し、漆黒度が上がってるぅ〜!ん?ほ、星屑だぁー!』



元々の黒色に散りばめられた星屑の様なもっと濃い黒が混ざり、光の当たり具合で何ともいえないかっこいい感じになっていた。


ロブも

『これは大変美しいですな!力強いのに品を感じますぞ!お角さま持ちとしては少々嫉妬してしまいそうな程です』


そ、そうだ!ここまで変化あるなら紋章もあるかも謎の紋章!


そう思ったらもう止められない!


『ロブ!ロブ!ぬ、脱ぐの手伝って!紋章!謎の紋章あるかも!はやくぅ!』


そう言って僕は服を脱ぎ出す。ロブもミレイもちょっとやれやれって感じだけどなんで?


ペペイペイっ!と。


ふるのちんだが2歳児には関係ない!鏡でも見て直にも見て背中見てもらって…



『無いのか〜』


ほかに変化は無かった。しょぼん。


いや!証とお角さまでも充分満足だっ!




するとミレイが僕に


『ニコ様、謎の紋章?大好きなのはわかりましたがくれぐれも自分からタトゥーを刻まないでくださいよ!ちゃんと考えないと後から恥ずかしくなったりするらしいですから!ね!わかりました?』


そんな事言わないで!


チラッとロブを見ると俯いていた。


僕は無言でロブの足をトントン。目線で語る。

(天秤と鎖はかっこいいよ)


二人無言で頷いた。あ!


今日はお赤飯かな〜?あ、お赤飯がないか?


『コハクもユオもお揃い出来て嬉しいねぇ』



ウッキウキで朝食を食べながらお赤飯につい聞いてみたけどやっぱり無いみたい。


ミレイが喰いついたけど作り方わかんないよ〜 もち米にあずき?うん。わからん。



それよりも


『アルステルスではお祝いとかどうやるの?あっ、違うか、国や地域で変わるよねぇ』


そうだった。日本とアメリカでも違うんだ。


種族によってとかかな?


天魔族僕1人だしな〜。うーん。


するとロブが


『私もアルステルス全てを知る訳でないのですが女神様のおかげで多種多様な種族がそれほど対立する事もなく生活していますのでその家、仲間内で変わる事が多いですな。』


ミレイも


『エルフですとその季節の果物を使ってデザートを豪華にしたりですが最近ではその時期の大物の魔物を皆で狩り、振る舞うという方が多くなってきましたね。やっぱりお肉は美味しいですから』


『そっかー、でも、いっつもミレーのご飯は美味しいから毎日お祝いみたいだからいっかなー。うん。』

『あ!そうだ!せっかくだからねロブとミレーにも手伝ってもらって僕とコハクとユオのアクセサリー作ろうかな?』


『女神様に今の僕でも作れるコハク達の隠蔽が出来るセットもらってたんだぁ。まだ街に行く事ないから後回しにしてたんだけどなんかこうデザインとかわかんないし』



『ほう!その様なものがあったのですか!ふむー、しかし今のニコ様でも作れるというのはどういった…』


あ、そうかあのメッセージは読めてないもんな。


なのでインベントリから女神コイン(銀)と〈創造で創造•装飾アクセサリーキット〉にミスリルの専用インゴットを出して説明する。




うん、びっくりする2人も見慣れてきたよ!


2人共、ふぅー。だ。




『た、確かにこれならわたしでもデザインのアドバイス差し上げられますわ。でも効果といいほぼイメージだけで出来るなんて』




だよねー。だから僕も後回しにしてたから。




『うーん、多分ロブなら気持ち分かるかもだけどこれって錬金術の楽しい事が少ないなの。女神様もわかってるんだけどコハクとユオと小さい時でも街に行ける様にくれたんだと思うの。だからこれは3人分しかないの』


『確かにこれ程のものはつい研鑽を怠りそうになりますな。しかしニコ様、今回は意義が変わりましたぞ。天魔族としての証と2人の印。言わば祝福の様なもの。そう考えれば女神様から賜った品で作れば女神様と3人の縁が結ばれてる気がしませんかな?たまたまかもしれませんが今日までお作りにならなかったのもある意味、天啓かもしれませんぞ』


なるほど。意図した訳じゃないから余計に縁なのかもね。

さすがロブ。深いねぇ。


説明書をパラパラ〜と見ていく。へー、女神コインの銀は力を抑えたり封印とか封入に適しているのか。


だから僕専用武器にも銀を使えって言ってたのかー。


んー?あ、れ、?


『ね、ねえロブ?このアクセサリーはコハクとユオを守る為に僕の隠蔽を付与するんだけどさ。女神様が作った最強の隠蔽なんだけど…これスキルなんだよね…』


『はっ!そ、そう言われてみれば…隠蔽魔法って事は…ないですよね?』


『あーでもこのセットがすごいなのかもー。あの過保護な女神様がおいそれと出せないって書いてあったし、インベントリに入ってるのも武器とか以外は基本500個なのにこれは3つだから僕が思ってるよりもやばい代物なのかも…』


ふぅー。ちょっと観るか迷うな。


ええーい


『神眼』


————————

♦︎神の制約により閲覧不可

———————



ふうーーーーーーー。


名前も見えないし、制約でダメって、、


『あの〜神眼でみたのね。名前も見えなくて見えたのが神の制約によって閲覧不可だったんだけど…』


「「…………」」


『あ〜、でも神域で遠慮したら天罰落とすって言われたから、つ、作ろっかなー』


もう2人はどうしていいかわからないみたいだ


うん、流石に僕も迷ったもんなー。


『まあいっか!で!2人はどんなタイプがいいと思う?ユオは足環なんかがかっこいいと思うんだよねぇ〜しかも片足ね!お洒落じゃない?』


固まるロブとミレイに問うてみる。


はいはい。もう作るから考えて!


『んっんぅ〜、ま、まぁ女神様の願いを断るのも不敬ですからな。足環で片脚ですか。悪くないないですな、ユオは黒色なので今回の印の様に白系が似合うのでは?』


『そ、そすですわね。どうせ隠蔽が掛かるならお洒落に飾れば素敵ですわ。コハクちゃんはお小さいからあんまりゴテゴテすると負担なりかねませんわね』


ふむふむ。そーねー。


僕はどうするかな〜?コハクも金属の重いのはなぁー。


『ニコ様!漆黒の羽はお勧めしませんが細目のチェーンでニコ様のお耳さまみたいにかっこ可愛い細長い羽モチーフでここをこんな感じにくるっと三重くらいにして少し小さめの飾り垂らしてみたお角さま飾りとかどうです?』


ふぁっ!


か、かっこいいぞ!あ、ここに前世であった小さめのニトロケースみたいにして、


ふむふむ。


『いいですね。想像で作れるなら細いチェーンでも強度はありましょう。コハクは綺麗なふわふわの体なのでそのチェーンを首輪が二重にしてみるのもいいのでは』


ふーむ。


あれこれ意見を出しながら一度キットの作成の為の錬成陣の刻んである土台に触れてみた


するとイメージでどこまで出来るかが流れてくる。なるほど。


その日会議は終わり次の日


いよいよ錬成。



女神コイン(銀)と専用ミスリルに

スライムジェルとフレイムディアの皮を専用錬成陣に載せてゆっくり魔力を流す。


完成版をイメージして一気に作り上げる。


これを僕、コハク、ユオとみっつ。


ほとんど魔力を使わずに錬成する様を見て


ロブは困惑していたがまあ仕方ない。


これは神器の類いだろうから。


そして出来たのが

【天魔の角飾り】     ニコ専用

【オニキスの足環】    ユオ専用

【緋の短冊のイヤーカフ】 コハク専用


僕のは隠蔽が要らない分を危機察知と結界を結び合わせて“自動結界“を付与。


ユオは隠蔽と消音がパッシブで消臭をアクティブで付与。(隠密で匂いを消したい)


コハクも同じ仕様だ。このアイテム他の素材を合わせた事により。柔らか仕様なのだ。


モフモフしても痛っ!てならないのだ!


早速の装着。僕は左のお角さまに巻きつける様にして真ん中にニトロケースの小さいのが垂れる。全体的に鈍色で所々、金が入る。


うむ。かっこいい!


コハクは耳の付け根当たりにカフを当てるとあら不思議。ぺたっとくっつくのだ。そして垂れ下がる様に2本の長短の薄赤色の短冊。


うむ。かわいい!



ユオは左の前脚に幅広のアンクレット。色はユオとは違う黒がベースでうっすらと淡い青の瑪瑙柄が入っている。



うむ。お洒落だ!


そして僕たち3人は姿見の大きな鏡が壁に設置してある部屋で1時間程ずっと


きゃっきゃっうふふをしていた。


ミレイに強制連行されるまでは。


ロブ達も今回の装飾品を褒めてくれて


大満足だった。






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