第19話  楽しいは道を拓くのかも


お日様気持ちいいねぇ



パタパタ



風も気持ちいいねぇ



パタパタ



よーし、いいんじゃない?



そんなに汚れてないし。



僕とコハクとユオ以外…




ミレイは僕らを見て




はぁ〜





まだお部屋の掃除あるもんねぇ





僕らは顔を見合わせる。





お風呂はなぁ




よし、使っちゃおっか!ね、




その方が、ね。初代様、怒ると鬼なので。





3人で一回頷く。





『 浄化 』

『 にゃっ 』

『 きゅ! 』



しゅわわわ〜




お互いの全身を見る。




『魔法すっごいなぁー』


 僕、ご満悦。




これでミレイも怒らないだろう。



『なにしてんですかーー!』


ええっ⁈


なにゆえ?



すると声を聞いたロブがシュバっとやって来た。に、忍者?



『ロブさん、聞いてください!この子たち家具を出さずに遊んで土まみれ、草まみれ、汗まみれだったんですー!』



全部言うじゃーん。



え?でも綺麗にしたよ?ほら、綺麗でしょ?



クルクルー。


『しかし別段汚れてるようには見えませんが…』


『んもうっ!ロブさん!3人とも突然“浄化“使ったんですぅー!』


『なっ⁈』



『えっ⁈、だ、だめなの?』




なんで、そんなにびっくり?




3人とも首を傾げる。




するとロブ


『皆さんは女神様のところで魔法の練習などされたのですか?』



『ん?してないけど…?』



なんだ?なんなんだ?



ロブは首を横に振りやれやれと。


『ね!ロブさん!突然だったんです!』


ミレイも必死。



『とりあえず3人にはリビングで少し休んでもらってください。幸い、ニコ様たちのアイテムボックスで時間はだいぶあるので』



『え?げ、元気だよ』



むんずっ×3



問答無用だった。『ねえ〜なんで〜』




無視だ。ザ、スルーだ。



リビングでソファにパンパン



座れって事?そして桃みたいなジュースくれた。おいしい。



ミレイが向かいに座ってようやく




『ニコ様は魔法を使う為の魔力循環は使えますか?』


『えーと、つかえないかな…』


はぁ


『魔法も魔術も魔力を使いますよね。何も考えず使うと魔力が暴走したり身体に負荷がかかるんです。魔力を身体に巡らせてそこから今度は魔力操作の練習なんです。』


え?暴走とかあるの?


こっわ。


『3人とも身体に不調はありませんか?』



んー?特に何も無いけどなー。



コハクとユオを見る。大丈夫みたい。


『うん。なんともないけど』




『はぁ〜!ほんとにもうっ!肝を冷やしましたよ!ちゃんと魔法のお勉強も準備してますから慌て無いでください!』


そっか色々計画してしてくれてるのに


申し訳無かったな。


ここは2歳児爆発だろー。


トテトテとミレイの横に行く。コハクは肩にユオは膝上に。ちびっこ3人でもふもふだよ



『ゴメンねぇ〜』

『きゅきゅう〜』

『にゃぁ〜ぁん』


素晴らしい!ちいさいの3コンボだ。



『ま、まったくぅ。ダメだすよ無理は』


ホワホワしてるね。うん。あっコハクが寝そうだ。


『コハクおいで〜。おねむー?』


『きゅい〜』


僕の腕の中で眠るコハク。あ、僕もゆらゆら


ユオはもう夢の中だ。


『ニコ様少し寝ましょう。魔法もそうですがお庭でだいぶ遊んでましたから』


あーでもベッドのふかふか枕が無いとお角さまがゴリゴリするんだよなぁ〜。



(インベントリ)


ヒュン

——————————

【お角さま快適安眠シリーズ・ニコ用】

♦︎急な出先でも安心ふんわりお角さまカバー

♦︎ちょっとしたお昼寝にプルスラ枕

♦︎枕元で皆と一緒ふわプル枕・3人用

♦︎誰かの膝上は気を使う膝上専用枕・細身用

♦︎お角さまでも破れない羽毛ふわっと枕元

♦︎究極を貴方にもう戻れない中毒枕(危)


——————————-

むぅ〜なんか不穏なのあるな〜


『ミレーもう戻るでしょ〜ソファで3人で寝てていい?』


『あらあら、そうしましょうか。ではお部屋から枕お待ちしますね』


『あー大丈夫〜これある〜』

ヒュン

3人用出してソファに置いて貰って仲良くお昼寝だ。むにゃむにゃ










ふぁわ〜



うーん。よく寝たなー。


お、皆んなも起きたねぇ。



キョロキョロ


うーん。祭壇部屋行ってみよっかー。



トテトテ。


『おはようございます。ゆっくり休めましたか?』



うーむ。寝起きのバリトゥンいいね。


手をあげ『はい!』



ミレイもやって来た。おろ?もう終わり?



『はいあとは絨毯がもう少しお日様に当てたいのでちょうどお昼なのだ食堂にいきましょう』



うん。お腹すいたねー。


今日のお昼はなにかな〜?



すんすんっすんすんっいい匂いするな〜



『わっ!これフレンチトースト?』


たまごの甘い匂いとパン好きなやつだ。


『あらあら似た様なのありましたか。これはこちらではたまごパンと言うのですが、フレンチトースト…なにやらいい響きですね。どう言った意味なのですか?』


『うんとね、たしかぁ〜作った人の名前だったはずぅ!フレンチさんが作ったトースト。トーストはこっちでも言う?』


『はい。言いますー。』


モグモグうまぁ!



モグモグ、もっもっ。



『ごちそーさまでした!』


食後のお茶飲んでまったりしてるからコハクとユオのグッズなんか無いかな〜て探してたらオモチャ発見。



今回はちゃんとロブとミレイに確認したからね!万全の体制なのた。


♦︎当たってもケガしないだけど頑丈よ

 紙風船和風小型

♦︎猫系まっしぐら!目にも優しい

 魔石ポインター



くふふっ楽しそう  



紙風船3つ取り出してコハクにポーン



おっおっおもしろい〜?



ちょっと!

両手で掴んでコテンは可愛いすぎだって。



あ、ユオも紙風船テシテシしてんしゃん!



ほら、投げるよ。ポーン。ハシッ。



やるねぇ〜



『よーしよしよし、楽しいねぇ』


『ユオ!これわかるかな〜?』


ポインターを点灯。お!ほぼ一緒だ!



ヒュンヒュン。



おおっ!すごいぞ!ユオ。



追っかけるね〜。危ない所は避けてと。



あっ!ユオまた風船?



『じゃあ紙風船もっと出すねぇ〜。ユオのはちょっと大きめね!ほらポーン!』



うむ。楽しい。



『ニコ様こちらちょっと見せて頂きたいのですが宜しいですか?』


魔石ポインターを手に取っている。



『はーい!どうぞー』



ふむふむ、ほー、なるほど〜とか


『これ珍しいの?』


『そうですね、ただ暗闇を照らす携帯用のライトみたいなのはありますがこれは…照射の線がきれいですね。ちょっと興味がありますね』


『へぇーそうなんだ。どうぞそれロブにあげるよ〜』


『そんなこんな高度な技術のものを頂く訳にはいか。』


『あと499個あるの!』


『ありがとうございます頂きます』


ペコー。うん。女神様がくれたやつだからね


しかし何故個数の基本が500個なんだろ?



しかもポインターそんなにいる?



『ロブは魔道具とかそういうのも興味あるの?』


『はい。僭越ながら錬金術師の資格を有しております。なのでこういった物を見るとつい』


『ふぁぁぁっ!れ、錬金術師!?ロブ錬金術師なの!あわわ。ぼ、ぼぼ、僕に錬金術を教えてください〜!!』


『おやおや。ニコ様は錬金術に興味あるのですか、てっきり魔術師志望かと』


『えっとね、えと、僕はね戦える錬金術師なりたいの!でも戦うのはね!そ、素材から自分で集めたいの!いい素材は強い?強いよね?あとつよーい魔物がいる所には豊富な資源ある?あるでしょ?でねでね!』


すーはー


『目標はねあるの!強いのは魔法効かないのもいるでしょ!それに魔術だけだと接近されたら危ないから近接格闘とかも覚えたいの!』

 


『錬金術をする為につよくなるの!』









『魔導錬金術師』





『それになりたいの!魔導!かっこいいよね!でもね言われたいのね、いつか』



『き、貴様、そんな強力な魔法を使っていながら近接戦闘も出来るだと⁈ その上本業は錬金術師だとー。バカな、』



『ふふ、ふふふふ、』


“厨二さん“が疼いているぜ。




ロブは優しい目で


『ニコ様は大変よい目標をお持ちですな。しかも錬金術師のなんたるやをよくご理解しておられる。これは私もウカウカしていられませんな』


ほぇー!錬金術師に褒められた!



嬉しい! 



『あのね!僕がね錬金術できるよーになったらねロブと共同のなんかも作りたいんだー。』


『錬金術は“ロマン“の塊なんだよなー。はぁ早くポーションとかも作ってみたいな〜。あーでも錬成とかに魔力がいるなら魔力操作いるよな、絶対。そうだ魔力操作が凄いと小さい魔力で魔法も使えるし。違うなー魔力操作と制御かぁ、そうだな、小さく魔力操作する方が難しいから操作と制御は毎日の日課にしないとあとなーえーと』


『…ま!』『……さま!』『ニコ!さ!ま』


はっ!


ガバッと顔を上げる。


若干引き攣った表情のロブと本気で心配のミレイが見ていた。



『ど、どーしたの?2人して?』


コテンと傾げる。


ふぅー。とロブ


『いえ、途中からこちらの声が届かずおひとりでずっと将来の展望を仰られていました』



『へ?』


ミレイも心配そうだ


『何度も呼びかけたのですがブツブツ言いながら途中途中でうへへ、あははとか笑いながらだったのでビックリしました』


ホッとしていた。


『あ、あ、ご、ごめんなさい。魔法のある世界にもし行けたら錬金術師、さっき言ったみたいになりたかったから嬉しくて暴走しちゃった。ご、ごめんなさい』


あちゃー、やっちゃったぁ。


嬉しメーターが振り切れしまった。




しかしロブだけは反応が違って


『いえニコ様のお話、私ずっと耳を傾けておりました。昨日今日と驚きの連続ですが今まさにそれでした。しかし本当にニコ様がいた世界は錬金術も魔法も。無かったのですか?』


『先程の魔力の制御と操作のお話など錬金術の極意でしたよ。そこを疎かにして壁に当たる人が多いのです。制御と操作。この地味で変わり映えしない修練こそが錬金術の基礎にして奥義なのです』


 

そ、そうか。褒められたー嬉しい



『でも基礎はなんでも大事でしょ。ミレーのごはんだってすっごく美味しいけどシンプルなの多いよね?シンプルな料理こそ誤魔化し効かないから。だからミレーのご飯はおいしーて思うの!』


ミレイの目がまん丸だ。ちょっと涙目。


え?なんかまずかった?


『ご、ごめんなさい。素人が料理語ると嫌だよね?』


フルフルフルと首だけ振る。


『私ミレイ、こんなにご理解頂ける主人は初めてです。ずっと研鑽してきた事が報われました、ありがとうございます』


え?そうなの?あ!


『そ、そのわからないから聞くけどもしかしてこの世界って女性の料理人とかあんまり認められて無い?とか?』


ドキドキ余計事聞いたかな?


ドキドキ


『はい、残念ながら料理人としては女性が世に出るにはまだまだ厳しい世界です。私も一度はその道を目指しましたが世間の壁に阻まれてしまいました』



えーそうなの?もったいな。



『へぇー、じゃあミレイを雇わなかったお店損してるね!こんなおいしい作れるのに雇わなかっんでしょ?そして僕は幸運だね。これからいつもミレーのおいしい料理食べれるから!』


所謂、ざまあっ!だね!くふふ



僕はラッキーだね。


くふふ、くふ。



ミレイはちょっと、およよってなってる。




そして僕はロブに向かい


『ロブ、これは錬金術の出番だね!美味しい料理は道具も大事だし料理の状態を維持出来たらね、すごいよね!あーワクワクするねぇ!楽しいがいっぱいだ!』


ロブも言う


『まさかまさか。現役の錬金術師が錬金術師見習い前のニコ様にハッパを掛けられるとは!しかし私も目から鱗です。言われて見ればなるほど!料理が道具で変わるとは私もまだまだ視野が狭いですな!』


僕は思う。


『おかあさんの意見とかぁ、悩み事とか、この家事時間かかるわぁ〜ってなってる事って“錬金術“のヒントだと思うの!不便だな〜は発展のチャンスなの!そしたらその発想がもっと凄い事に使えて大きな進歩に繋がるかもなの!おかあさんの日常には“発想の種“がたくさんなの!』


ふんす!


前世でもそうだった。

働くおかあさんは大変なんだ。


ミレイがちょっと頬を膨らませ


『ニコ様、私はおかあさんじゃありません!メイドですよっ!もう!』


『あ、そ、そだねー。えっと。そ、そうお家の中のお仕事には錬金術の出番あるよ〜てことなの』


『そ、それに料理と錬金術って似てるかな〜て思うの。素材と素材を適量で合わせて作ったりちょっと分量違うと失敗したり。ね?似てない?え?これ混ぜるの⁈って思って作った料理がすっごく美味しかったり。』



『た、確かに私は錬金術の事はわかりませんがお料理は言われてみればそんな過程が山ほど有りますね。よかれと思い入れた調味料ひとつで失敗した事もありましたわ』


『ね!あっ!ミレイ小さい卵、茹でてあるのっない?』


『ゆで卵ですか?夕食用にありますけど?』


『二つ持ってきてくれない?』


ふふふ、こっちの世界の人“あれ“知ってるかな〜。くふふ



ミレイはキッチンから卵を二つ手に戻ってきた。さすが異世界。日本卵より二回りくらい大きい。こっちの小さいは大きいな。


『ロブとミレイでこの卵を机の上に立たせてみて!あ!魔法は禁止ね!』


2人は顔を見合わせ少し困惑してたが卵を持ち立たせてる。



ころん。


ころろん。



くふふ、くふっ。


異世界ではまだでしたよ。コロンブスさん!


ミレイが

『ニコ様!何がおかしいのです!卵は楕円の形なので立ちません!もうさっきから笑ってぇ〜』

『これは、何か集中力の訓練ですかな?ふむなかなか良いかも…』


訓練に結びつけるロブ。



くふっ、コロンブスさん異世界デビューするね!くふふっ


僕は卵を手に取り


『見ててね〜』


ぐしゃっとしない様に机に“こん“


底面が潰れる。


そして見事に卵が直立。


僕は満面の笑みでふたりに言う。



『ね!立ったよ。みて!』




ミレイは唖然としてロブは何かを深読みしてそう。


『そ、そんなのインチキですわ!そ、それだったら私にも出来ますの!もう〜ニコ様ったら』


うむ。それだよミレイ君。

『ニコ様、これにどの様な意味が?何かお考えがあって我々に見せてくれたのでしょう?』


お、さすがロブ。


僕はパチンと指をならし(ならなかったけど)


ドヤ顔で決める。

『今、ミレイが言ったよね!誰でも出来るってね。そう、誰でもできるの!じゃあ何で2人はやらなかったの?』


ドヤの連続。


こう言うときは2歳児出ない。(不思議)


『そ、それは…知らなかったからですわ。知ってたら誰でも出来ますもの!もうっニコ様は私を揶揄ってますの?』


あ、ぷっくー


ロブは何か思案してる。さすが錬金術師。


『これはね前の世界のむかーしの人がやったていうお話なの。コロンブスさんって言ってね新しい大陸とか発見した人なの。』


『でね!これは“コロンブスの卵“って言われる有名な話なの!2人とも思わなかった?“知ってたら出来る“って!』


はっとするロブ。


まだちょっとぷくーのミレイ。



『一見誰でも思いつきそうなことでも、それを最初に考えたり行なったりすることの至難さ。また、人の気づかない点をいう』


『それがコロンブスの卵の格言だよ』


2人は机の卵を見やる。




ロブは何かに打たれた様にしながら


『いやはや、奥が深いですな。しかし錬金術師としては天啓を受けたような気分です』



『ね!楽しくない?これは卵だったけど錬金術は今はまだ誰も知らないレシピや発想が眠ってるんだよ〜。それを見つけて新しい“何か“が作れるんだよ〜ロマンだよ。くふっくふふ』



あ、もしかして⁈

あの時の女神様が言っていたのって。



『僕はね魔法とスキルは融合すると思うんだぁ。女神様はそれはある意味もう出来ているし、ある意味で出来てないって』


『錬金術は魔法とスキルの壁を越えると思うの。だって魔法を道具に入れる事が出来るのならなんでスキルは無理なのか?発想と工夫。そして研究だよね』


ロブは内心戦慄していた。


目の前の幼児は何と言った?

魔法とスキルの融合。考えた事も無かった。出来ない事がでは無くその可能性を自ら潰していたことを恥じた。


“コロンブスの卵“か…


1人の錬金術師の魂に小さく、しかし、しっかりと灯が灯りだした。




『あ!ご、ごめんね。また楽しくなっちゃった。まだまだ先は長いから楽しみ取っておかないと。くふふっくふ』


『ニコ様、ロブさんそろそろ祭壇部屋行きましょうか』


あ、そうだった、いやー大興奮しちゃったなー。



部屋はずいぶんスッキリとしていた。


ロブも


『家財道具を出しただけで随分広くなりましたね』


本当広く感じる。ここでユオとコハクと遊べるのか。楽しみだなー。



『祭壇ってどこにおけばいいのかなー』


流れる様な動きで案内される。



『ニコ様こちらへお願いします』

『はーい、出すね』


シュン


どどんっ!おお〜さすがこの部屋に合わせてあるから違和感ないなー。




さっそく祭壇を磨くふたり。


うん。こう言うのは気持ちが大事だしね。



コハクとユオも興味津々だ。



ミレイが食堂から何持ってきた。



『ねえねえ何お供えするのー?』



ミレイは満面の笑みだ。


『はいこちらの甘味を少々とお酒をお供えしようかと』


『え?お、お酒?いいの?』


2人は???になっている。


『な、何か問題でしたでしょうか?』

『お酒が苦手だとかお嫌いとかでしょうか』



うーん。どうなんだろう。

見た目が小さいだけだとは思うんだけど…



わからん。



『い、いつもはお供えするの?』


『そうですねその時その時で変わりますね』


ほーん、じゃあ良いのか。



浄化の効果が付与されている祭壇かぁ



確かになんとなく癒される様な気もする?



ロブとミレイがお祈りを始めたので



僕たちも見よう見まねでお祈りをする。



ちゃんとお祈りする気持ちはあるからね!



すると頭の中で響くみたいに



すごい遠くで鳴ってるような


そうでないような


気のせいかのような



そんな聴こえないような聴こえるような



不思議な感覚だった。



祭壇が淡く薄っすら、輝くと。



鐘の音ひとつ、はっきりと聴こえてた。




その瞬間にお供え物が消えていた。




それを見たロブとミレイ。



うん、感極まっていた。よかっね!



2人が落ち着いた頃に



『なんかこの部屋気持ちいーね!』


2人も思っていたみたいだ。


『ええ、何やらほっとするような目が覚めるような不思議な感覚ですな』


『女神様のお手紙にあった“浄化“の効果なんでしょうか?私の知る浄化と違いますが』



女神様はなかなか過保護だ。くふふ。



有難い。



何かを感じインベントリを確認する。


【祭壇のお部屋にピッタリなあれこれ】

♦︎癒しの全身クッション•(大•中•小)

♦︎走り回った後でも大丈夫•水サーバー

♦︎ゆっくり本を読みたい•揺り椅子セット

♦︎靴を脱いで地べたで遊ぶラグマット

♦︎積み木お絵描き人形など床専用玩具

♦︎ちょっとした緑はいかが?観葉植物セット

♦︎磨きたい!祭壇を!専用お掃除セット

——————————



うん、だいぶ過保護だった。



シュン、シュシュン。



ペイっ、ペイ。


ヒュッ。



『な、なんですか、これは⁈』


焦るミレイの手を引き神域でみた



“あれ“へと誘う。




青い半透明のスライムみたいなクッション。



人を…いや、女神様をもダメにしていた“あれ“




だからミレイにこそっと囁く。


『神域で女神様も使ってたよ。さぁここにダイヴしてみて。さあ!』


キュピーーンだ。


ミレイは女神様も愛用と聞きダイヴ!



『はわ、はわわ〜、ほへぇ〜』


淑女どこへ落としてきた?


ま、ここは癒される為の場所いいか。



あ、ロブも埋まってた。


『これはなんとも。良いですな〜』


とても癒されている。


うん、しばらく動かなそう。



僕たちはラグマットへ行き3人で遊んだ



僕とコハクがそろ〜と積み木してると


ユオがちょんってしてくる。


こら、やめなさい、あっグラグラ。


なーん。て鳴いて誤魔化さない。










僕たちはしばらく部屋から出てこなかった。





でもとても癒されてみんないい顔していた。


































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