第13話  確認する事が多すぎて大変です

アルステルスに転生してすぐさま



黒歴史を作ったり



感情が爆発し号泣したり



ソウルメイトに会えて嬉しメーター振りきったり



お角さま見てテンションあがったり




バタバタし過ぎたので一旦リビングに戻った。




ミレイがホットミルクを入れてくれ



2人は紅茶を用意してローテーブルを挟んでティータイムだ。



ソウルメイトの2匹には温めのミルク



それでいいとなんとなく感情で教えてくれた。




皆んなでホッとひと息いれてから今後のことを少し考える。



僕は周りの環境も近くの国もわからない。



何だったら自分のこのお家もまだ把握していない




ちょっとずつ色々確認しなくては




『ふたりゅはお家にきてゅどのきゅらい?』




ロブが


『そうですね、ひと月程でしょうか。神託を頂いてから近くの街でミレイさんと合流し一度こちらに来て必要そうな物をまた買い出しに言ってお屋敷の把握、生活環境を整えていました』



ミレイも


『その間にロブさんともお互い今までどう過ごしたとか今回の神託の事とかニコ様がどんな方なのなのか色々お話しをしたりしてました。』



『このお屋敷は女神様がお作りになられたと言う事で我々の部屋がどこかはお屋敷に入ってすぐにわかったのです』



そうなの?マニュアル本でも渡したのかな?女神様。




すると2人共すっと他を手のひらを上に向けた。



すると手のひらの上に小さな輪の光が現れほんの少し光ったら出てきた。あれが。




女神コイン




僕はちょっとトラウマになりかけていた




だって女神様僕の魂にパンパンに詰め込むんだもの。




『神託と同時にこちらの女神コインも下賜されました。そして取り込んだ事によって少なくない情報がいくつか”わかる”様になったのです。』


ミレイも


『私も同じでした。こちらの場所や森の手前にある”転移”のポイントなどの情報が流れて来たのです。しかし全ての情報はなく実際に来て確認した事も多くありました』




そ、そうだよね〜




急遽だったから女神様も色んな情報入れられなかったんだろうなー。



そしてロブが


『その不思議な事なのですが先ほどの姿見部屋から戻ってきて改めて女神コインの事を確認して感知したあとからニコ様のその、お可愛いらしいお話しの言葉がすっと聞き取れるようになっているのです』



え?そんな機能あるの?



ミレイも


『ああ!やっぱりロブさんもなんですか!私のニコ様への愛情の賜物かと思ってましたけど女神コインのお力だったんですね!』



おうふ。素直に愛情とかいわれる照れる。



『そ、そうにゃにょ?』



『はい、今も耳では”そうにゃにょ”と聞こえるのですが“そうなの”と言われたのがわかるのです』




なんだそれ、すげー。




あー女神様ってわちゃわちゃしてたけど




とってもやさしいから僕が困ることをわかってそんな機能つけてくれたのかも。



正直助かる。この幼児言葉では色々と説明するのに時間がかかり過ぎてしまう所だったから。



『それでは改めて色々とお話しをしまょうか』


『そうですね、楽しく何をしようかと私もロブさんも一緒に考えたいですわ』


ふむ。いい感じなのだ。



ミレイさんはちょっと砕けてきてくれた



ですわってたぶん地が出てきてたのだろう。




『はいなのです!』



うむ。どした?なのなのが勝手に出てくる。



女神様のパワーの影響か⁈




『そうですね、せっかくこちらでニコ様とミレイさんと精霊獣さまと過ごすのですからまずは御二方のお名前なんかを考えるのはどうですか?』



『あら?そうですわよね!私も御二方のお前をお呼びしたいですわ』



すると何となくわかったのかな。



2匹がこちらを見る



『きゅきゅ?』



『にゃ〜あん』



おぅふ。鳴き声もかわいいやつらめ。



あ、ロブとミレイもやられている。



やはりモフモフは正義だな。



『はいなのです!さっき鑑定したらこっちの白ちゃんは”天狐”で女の子だったの。で黒ちゃんが”闇雪豹”って種族で男の子だったの!』


(※ここからロブ達が聞こえているような会話調表記で書いていきます)



『ほー、それはそれは。どちらも私は聞いた事のない種族ですな。しかし御二方とも実に愛らしいですな』



そうでしょうそうでしょう。




『御二方さまは…』



そこで2匹が同時に『きゅ!きゅい!』『にゃ!』と鳴いた。



僕はふむふむ。



なので2人に伝える。



『2匹とも畏るの嫌だって言ってるきがする!』



ハッとしたふたり。



すると天狐がふわりとミレイの所に飛んで行き胸に飛び込む。



黒猫はにゃ!っとひとっ飛びでロブの膝の上




『くふふ、2匹とも仲良ししたいみたい。でね今は精霊獣っていう動物?精霊?だから御二方〜とかより普通にして欲しいみたい!』



2人は一瞬困った様な表情だったがすぐに可愛さにやられた様だ。



イケおじと黒猫。


美人エルフと天狐。



うむ。眼福。



『そ、そうですわね。そんなお可愛いらしいのに他人行儀はよくありませんわ』



ミレイちょっとテンパってお嬢様みたいな話し方だった。



『ほほ、たしかにたしかに』



ロブは逆に好々爺みたいな話し方になった。




くふふ。モフモフは人を狂わせるのだ。




おっと。そんな事より名前を考えよう。




白ちゃんはよく見るとうっすら黄金色なのかほぼ白に見えるけど胸の辺りが真っ白なので色の違いに気づいた。



で、女の子かぁ〜。



黒ちゃんは雪豹、しかも闇。



いかん、闇属性とか聞くとぼくの中の厨二さんが疼きだす。



黒ちゃんは鑑定によると大きくなったり出来るみたいなんだよな〜。



今は完全にヌコだけど。



『黒ちゃんは今おっきくなれる?』



僕がそう言うとリビングの暖炉の前の広いスペースへぴょん。



するとモワモワっ闇を纏いだした。



な、なにそれ、かっこいい!



僕は思わず立ち上がって拳を握り締めていた。



目の前には大型犬くらになってネコよりも豹になっていた。


しかも雪豹。黒なのにより濃い黒のブチ?模様が入っていてかっこいい!



『うわーっ!おっきいー!』


うむ。子供らしく首元に抱きついたさ!



ロブとミレイもびっくりだ。



『おおっ。これはかっこい…ごほん、素晴らしいですなぁ』



おや?ロブもこの闇のかっこよさがわかる同士かな?



ミレイは黒ちゃんを撫でながら


『凄い手触り、ビロードの様でいて力強さをかんじますね』



どことなく黒ちゃんもドヤ顔だった。



すると白ちゃんが自己アピールし出した。



宙空にフワフワだと浮いてタタッと空中を駆ける。そして僕の目の前でくるんくるんと回って『きゅ?』と小首を傾げた。



くっ。こんな小さいのに小悪魔感だしてきた。



ああ、ミレイはダメージ大だな。顔を紅潮させて手で口元を必死で隠しているがフルフルしている。



黒ちゃんも満足したのかポンッとまた猫になった。



あ、戻る時は、わりとあっさりなんだ。



あれ?黒ちゃん?さっきのは豹獣化の”大”?



と聞いたらフルフルと首を振っていた。




そっかもっと大きくなれるのか。



うん。それは家の中ではやめておこう。




名前〜、名前〜。



白ちゃんは天狐って狐だけどおっきくないゆだよなー。まだおっきくなるのかなー。



『きゅ?』わからないかー。




うっすら黄金色だけどぱっと見は真っ白だもんな〜


白くてふわふわ〜。綿菓子たったな〜。


有名な〜アイスの大福あったな〜



ダメだ食べ物ばっかり。


白い狐、白い狐。ん?白狐ってあったよな〜



びゃっことも読むとか



でも、びゃっこって白虎。虎のイメージなんだよな〜。



狐、白、狐白、、、ん?




『白ちゃんの名前、コハクってどうかな?』



『前世の世界では狐を”コ”って読んで白を”ハク”って読んだの。それでコハク。コハクはこっちにあるかわかんないんだけど”琥珀石”のコハクとも読めるの。琥珀石も縁起がよかったの』



そう説明が難しいのだがここは異世界。



僕の話している言葉も異世界言語。チート能力で話しているのです。



『ほほっ、素晴らしい。コハクですか!響きもこちらの世界で不思議ではありませんな』



『コハクちゃん。可愛いお名前。とっても素敵だとおもいますわ!』



おおっ!2人共可愛さでやられて異常に敬うのを辞めてくれた!



本人の反応はどうだろ?白ちゃんを見る





うむ。歓喜乱舞だった。


『きゅきゅっ!きゅっー!きゅっ!』




気に入ってくれた見たいだ。するとじんわり胸が熱くなって、コハクもうっすらほんとによく見ないと分からないくらいに光っていた。



ステータスを確認してみる。


———————————

名前    コハク

種族    精霊獣[天狐]

—————————————-


おおつ!ステータスに反映された!


コハクは空中を行ったり来たり大忙しだ。



次は黒ちゃんだな。



んー。猫にして豹。しかも闇属性。


うむ。かっこいい。



何かこう狩人の雰囲気もあるのにヌコの可愛いもあるとは



ルシファーとか付けたら引かれるかな?



堕天使。くふふ



黒ちゃんは首を横にフルフルからのため息。



な、なんだと⁈



まさかヌコ様に呆れられた。



くうっ。



クロ……あっ。手抜きッスか。はい、すいません。




黒、闇、猫、豹、夜…夜…ヨル?



んー?夜って今は好きだなー。



黒ちゃんも夜を駆け狩る者とか、カッコいい称号持ってるし。



んっ、んっ、んんん?



確かどこかの言葉、言語?だったかな。




あったよね。何となく黒ちゃんの雰囲気にも合ってる響き。






『ユオ』




チラリ



ど、どうかな?





『にゃ!にゃあ〜ん!』


おお!僕に飛び込んできてスリスリ!




気に入ったみたいだ!



『きみはきょうからユオ!ね!』




そしてまたほんのり光った。



———————————


名前    ユオ

種族    精霊獣[闇雪豹]

———————————



ちゃんと認識したみたいだ。



ロブとミレイにも


『この子は”ユオ”前の世界の外国語で”夜”って言う意味があるの!金色の瞳が月みたいで夜!って思ってたの!』



ミレイが


『素敵です!言われてみれば夜浮かぶの月とユオちゃんの2つの瞳、そうやって見るとまったく同じにみえますやわ』


ロブも


『ふむ。アルステルスに夜に浮かぶ2つの月から名前を発想されるとは。そして前世の世界の言葉でそれを表す。ニコ様はとても詩人ですな』



へへ。ベタ褒め嬉しいけど



ちょっと待って。



2つの月って…ああ、もしかして


お月さんが2つあるパターンの世界なのか!



『おつゅきしゃん、2つあるなの?』



きょとんとする。ふたり。



そしてハッとする。ふたり。




うん、仕方ないないけど暫くはそうなるよね。



今と前世は世界が違うのだから。でも



そう思うと2歳って物事を知らない事がほとんどだから



異世界からやってきて常識が無いのではなく


子供だから知らないって思える。




存外、しっかりとした女神様だったんだな。



世界を創るんだから当たり前なんだけど



どうしてもあの可愛いらしい姿に惑わされるよね。



『あのね!前世で知ってることもちょっとはあるけどアルステルスは全然知らないの!だから2人もニコの事をちっちゃい子供として教えて欲しいの!』



『そうですね、我々も少し困惑していたみたいです。よく考えればこの世界の知識に関してはニコ様は間違いなくお子様でした。これからこのロブとミレイにお任せください』




バチコーン!



有難い。けどそのウインク必ずなのかな?




すると結構時間が経っていたみたいで



「くう〜っ」



お腹が鳴ってしまった。ハズ。



『ふふふ、そう言えばもうお昼ですね。準備はしてあるので食堂でお食事にしましょうニコ様』


そう言って流れるような所作で抱っこされる



僕。



食堂はお貴族様!って感じではなく



温かみのあるそれでいて品のある感じだった。



そこに子供用の高い椅子もあって



ちょこんと。



ま、マナーとかわかんないけど大丈夫かな?



『今日は色々と忙しいかもしれないと思いサンドイッチとスープをご用意しました。サンドイッチはご存知ですか?』



目の前には小さく正方形に切られたサンドイッチ。



ちょっといい所のお上品な感じのやつだ!




『うん!サンドイッチはあったよ!四角のやちゅはおしゃれなの!お、おいしそ〜なの!あ!コハクとユオはたべりゃれる?』



いつの間にか頭の上のコハクも膝の上のユオもテーブルに釘付けだ。



大丈夫かな〜?と思っていたら。




2匹の前に半透明なウインドウが”ヴォォン”と立ち上がった。



———————-

精霊獣[天狐]

食事▼

雑食。人類種が食べるものはほぼ飲食可。

個体によって好き嫌いが出る事もある。


食事が出来ない環境などの非常時には2 ,3日ならニコからの魔力供給で凌ぐ事も出来る。


甘味と魔力はコハクのおやつになり得る。


——————————————-




———————-

精霊獣[闇雪豹]

食事▼

雑食。人類種が食べるものはほぼ飲食可。

個体によって好き嫌いが出る事もある。


食事が出来ない環境などの非常時には2 ,3日ならニコからの魔力供給で凌ぐ事も出来る。


甘味と魔力はユオのおやつになり得る。


——————————————-



おおっ!こ、これは鑑定?いや神眼だから鑑定出来たのか!


ちょっと凄いなこの能力。



でも助かる。


『ミレー、コハクとユオの分もある〜?』



『まだおかわり分がたくさんありますけどコハクちゃん達が食べても大丈夫なのでしょうか?』


『うん大丈夫だって鑑定が出てきたの!人と同じモノ食べられるって。個人で好き嫌いはあるかもだけど僕たちまだ好き嫌い出来るくらい食べ物知らないからとりあえず食べさせてあげて』



『か、鑑定でそんな事が⁈え?えぇ⁈わ、わかりました。ふたりの分も用意します』



なるほど。鑑定で好き嫌いは普通は分からないと。メモメモ(心のメモ帳)



準備が整ったらロブとミレイも同じ席に着いてくれた。

普通使用人は主人と一緒の席に座らないらしいのだが先ほどの泣き落とし…げふんげふん


涙の訴えが届いたようだ。


コハクとユオは僕の隣の椅子で待機。


さすがにテーブルの上はダメなので僕が食べさせるのだ。


いっただきーまーす。としようとしたら。



「「女神様ユーメリカ様の慈しみと恵みに感謝致します。いただきます」」


お、お祈りあったか〜。


短いから何回かすれば覚えられるな。


うーん。どうしよ。あの事伝えた方がいいよね。2人女神様大好きなんだもんね。



『あ、あの!』

『どうされました?お祈りはまたゆっくりお教えしますので今日は大丈夫ですよ』


『えっと、そのね僕は女神様本人から聞いたから2人には教えるね』



僕が「教える」と言うワードを使ってしまったからかビシッとしてしまったふたり。


僕にとってはそっかーくらいだけどこの2人に教えて大丈夫かな?た、倒れたりしないよね?


『女神様の名前っ”ユーメリカ”さま?』

頷く2人。


『そ、それってね、違うんだ。女神様は焦っちゃって名前が間違えて覚えられたんだって』


固まる2人。


ま、まあ、そうなるかー。



女神様大好きで信仰してお祈りしてるんだからその名前が違うなんて衝撃だよね。



『そさそそ、そ、それではニコ様は女神様の真名をご存知なのですか?』


冷静っぽいロブが焦っている。


『うん!たぶん女神様も今のロブみたいに焦って名前間違って言っちゃったみい。くふふ』


イケおじの赤面。


『ほんとは”ユメリカ”さまっていうの』

『緊張してゆーって伸びちゃったって』



2人は驚きそしてまたすぐに祈りなおした。


大変満足そうだった。


あれ?そういえば。お供え祭壇届いてるのかな?




食事をしながらそんな事を思い出していた。




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