転生人生の始まり-魔の森の家-

第12話  予定通り事が進むと思うなかれ


浮遊感。



暗闇の中で最初に意識したのはその心地よさだった。



まどろみの中、心地よい浮遊感。




少しずつ意識が覚醒していくのを感じる。




まだ微睡んでいる。だが彼自身に起こった事柄はしっかりと覚えていた。




彼のカルマがそうさせるのか。



それとも彼の”厨二さん”がそうさせるのか。




それは彼自身にもわからない。




だがあの一言を。



恥ずかしげも無くあの一言を言えるチャンスはそう多くないと言う事だけはわかっている。




だからこそ彼はまだ気持ちよく寝ていたいのに決意する。




起きてあのセリフを言う為に。




時はきた。




ゆっくりと瞼が開かれる。光が彼を祝福するかの様に注がれる。




当然ここは知らない場所なのだ。



しかし彼は知っている。ここが知らない場所だと。だからこそ失敗はあり得ない。



恥ずか死。



それを避ける為に計算高く実行するのだ。



それをしてどうするんだ?意味なんて無いだろう。人は言うかも知れない。




しかし彼は言うだろう。




そこに”ロマン”があるだろう?と。



彼はあの場所で眠っていた”厨二さん”を起こしてしまっていた。



微睡んでから覚醒、そしてしっかりと目を見開き彼は言った。









『ふぇ〜だりぇ〜⁈』









彼が異世界で最初に見たのは




“知らないおじさん”だった。




そして異世界ではじめての一言は





2歳児特有の舌ったらずな言葉だった。






こうして彼【ニコ•レーガン】は異世界覚醒から最速で黒歴史を作ったのだ。




自身の浅はかな『ロマンだろう?』が言いたかっただけの為に。





そんな事はつゆ知らずのおじさん。





いや、よく見ればイケおじだ。




しかも彼の腕の中に抱かれている。



黒歴史の恥ずかしさとイケおじに至近距離で幼児ことばを放ってしまったダブルパンチで顔の火照りをしっかりと感じてしまった。




しかも彼はとても慈愛に満ちたいい笑顔でこちらを覗いている。



『おはようございます。御子さま』



バリトンボイス。




声までイケていた。圧倒的敗北。




異世界アルステルスでニコは早くも2連敗だった。




しかしニコは応えなければならない。



自分の為に魔鏡と呼ばれる森の中に来てくれている彼に。



これからお世話になる彼に主人たる姿を見せねばならぬのだ。



そう奮い立たせ返事をする。



『おひゃよぅごぜぇましゅ』




何もかもがうまくいかなかった。




しかしイケおじは更に満面の笑みだった。




とにかく落ち着こう。

いや落ち着かせてくれ。



そんな願いが叶ってのかリビングらしき場所でそっとソファに座らせてくれた。



するとどこからとも無くもう1人



こちらへ来てすっとカーテシーを決めて



『おはようございます。御子さま』




圧倒的的美人。そして美しい声。




ニコの口は半開きだった。



『しゅ』



挨拶のどの部分かもわからない『しゅ』を


お見舞いしたところで彼は悟った。




勝てない。と。




何にかはわからない。




そうだ!

こんな時こそアレの出番では無いか!



あの場所では後半は魂状態だったから気分でやっていたが今はちゃんと肉体がある。




自分を落ち着かせる為に大きく息を吸った。



そして息を吐く。



『ひゅ〜〜ピィっ』




何ひとつ予定通りにならなかった。




もう顔がファイヤーボールが出たのかと思うくらい熱かった。




そして2人はずっと優しい笑顔だった。



笑うことも泣くことも出来ず固まっていた。




しかし救世主とは遅れてやって来るのだと初めて知った。




白と黒。



2つの物体が僕に飛び込んできた。



すぐにあの2人だとわかった。魂で感じたのかもしれない。



ソウルメイトの2人だった。



いや、今は2匹だ。



そんな事より嬉しさがまさってソファの上でしばらくもみくちゃのきゃっきゃっをしていた。




心の平穏を取り戻した僕はソファに直り白と黒を腿の上に載せながらもう一度改まった。




自分が2歳児だともう一度言い聞かせ今度はゆっくりと話しだした。



『はじゅめまちて。ぼくにょにゃまえは”にこ。りゃーぎゃんでしゅ』



くぅ。もう一度だ。



『に、こ、』『れ、ぇ、ぎゃ、ん』『でしゅ』


なんてこった。2歳児ってこんなに喋れないのか⁈



落ち込み掛けた時バリトンボイスが聞こえた。ゆっくりと優しく僕に



『ニコ•レーガン様で宜しいでしょうか?』



ヤダ。イケおじに伝わっていた。



嬉しさの余り『うん!うん!うん!』



首を何回もガクガクさせていた。



するとイケおじはスッと片膝だちのかっこいい姿勢になり



『光栄にも女神ユーメリカ様より神託をいただき御子様たるニコ•レーガン様の執事を仰せつかまりました

”ロブ•ハーミット”と申します』



か、かっこいい。



するとロブさんの隣にスッと現れカーテシーの中腰バージョンの女性が




『同じく女神ユーメリカ様より神託を頂き御子様たるニコ•レーガン様のメイドを仰せつかまりました

ミレイ•ハッサと申します』



確かに可憐って表現がピッタリだ。




『あい!ロブしゃんとみれぇーしゃん。』



僕は元気よく手を挙げた!



するとすぐ様


『御子様、我々は使用人。どうぞ呼び捨て下さいませ』



そんなバリトンボイス。




うーん、そっかー。女神様もなんか言ってたもんなぁ。



この世界で生きてゆくのだからその様にしていこう



『あい。ロブ。ミレェ、よろちく!』


『ニコってよんぢぇくだちゃい!』



ふうー。あ、できた!



2人とも『かしこまりました、ニコ様』



うん。これでいいんだよね。



しかしどこから手をつけるべきか…



うーん。うーん。


『ニコ様。こちらの御二方はどのようなご関係でしょうか。ニコ様と共に顕現為されたのですが』


ロブさん達はソウルメイトの事までは聞いて無かったのか。



改めて2匹を見る



白ちゃんは15㎝くらいの小さな狐?なのかな?とにかく小ちゃい。赤ちゃんなのかな?



黒ちゃんはパッと見は猫だ。黒猫だ。普通の猫に見える。



うーん女神様は精霊種みたいな事言ってたよなー?




そこで僕はやっと気づいた!そうだ色々貰ったんだった!



初めてのファンタジー行きます。まずは白ちゃんだ。


『神眼』



——————————


名前     未設定

種族     精霊獣[天狐]

年齢      0才

性別      雌

レベル      1

生命力    25/25

魔力     40/40

攻撃力    25

防御力    20

器用さ    25

敏捷性    45

知力     50

精神力    25


魔法▼


浄化(Lv1)火属性(Lv1)風属性(Lv1)

雷属性(Lv1)聖属性(Lv2)


スキル▼


浮遊(Lv2)/ 狐火(Lv2)/ 爪撃(Lv1 )

空歩(Lv2)/ 透明化(Lv1)/ 探知(Lv3)

威圧(Lv1)/ 結界(Lv3)/ 暗視(Lv2)

危機察知(Lv3)


ユニーク▼


浄炎(Lv1)/眠りの歌(Lv1)/ 雷化(Lv1)


ギフト▼


魔力消費軽減   

魔力回復率上昇

アイテムボックス【大•時間停止】


加護 ▼

※※女神ユメリカの祝福※※



〓ソウルスキル〓(隠蔽)※神眼のみ閲覧※


魔力同期 精霊リンク 円環リンク

神力同期 意思疎通


称号▼

幸運をもたらす者

〓理を司る一翼の欠片〓※(隠蔽)※※


—————————————————



ふぉーーーー!



すごっ!ステータス見えたよ!


ちょいちょい気になる項目あったけど黒ちゃんも見てみよう。




『神眼』



——————————

名前      未設定

種族      精霊獣[闇雪豹]

年齢       0才

性別       雄

レベル      1

生命力    45/45

魔力     55/55

攻撃力    35

防御力    40

器用さ    25

敏捷性    55

知力     50

精神力    40


〓豹獣化〓(隠蔽)※神眼のみ閲覧※


中型変化時  全ステータス1.5倍

大型変化時  全ステータス2.5倍


魔法▼


浄化(Lv1)闇属性(Lv3)風属性(Lv1)

氷属性(Lv2)


スキル▼


宿地(Lv2)/ 咆哮(Lv2)/ 爪撃(Lv3 )

暗視(Lv2)/ 影渡り(Lv2)/ 探知(Lv3)

威圧(Lv3)/ 隠密(Lv3)/ 結界(Lv1)

立体機動(Lv2)/ 危機察知(Lv3)


ユニーク▼


獄炎(Lv1)/ 衝撃波(Lv1)/ 癒水(Lv1) 豹獣化


ギフト▼


魔力消費軽減

魔力回復率上昇

アイテムボックス【大•時間停止】


加護 ▼

※※女神ユメリカの祝福※※


〓ソウルスキル〓(隠蔽)※神眼のみ閲覧※


魔力同期 精霊リンク 円環リンク

神力同期 意思疎通


称号▼

夜を駆け狩る者

〓理を司る一翼の欠片〓※(隠蔽)※※


—————————————————



おおうー、嬉しさ爆発してまうやろー。



と、いかんいかん。



えーと。どう話すかなー?



『こにょ2人は、ぼくにょいちゅぶなの』


出来るだけ短く簡単に。


『めがみ、さまが、ぼくにょた、め、に、ぼく、の、いちゅぶ、とめがみさ、ま、のばわぁ、を、ちゅかって、ちゅくってぇ、く、れ、たの』



ふう〜。これは僕が急に2歳児なった事で余計に話しにくくなってるよな。



『ごめんにゃ。まだゃ、うまぁく、ちゃべれにゃくて。』



『わかりゅ?』



ふうー。汗ばんできた。



ロブもミレイも必死な様子で聞いている。



伝わるかなー?



するとロブが


『ふむ。こちらの御二方は女神様がニコ様の為にニコ様の一部と女神様のお力を足して創造された。という事で合っているでしょうか?』



それ!そうそれ!



ちょ、ロブっちすげぇ優秀じゃん!



『しょしょ!うん!うん!』



嬉しさ爆発で手足バタバタさせている!



『ロブ!しゅごい!』



むっふー!ってなったよ。



『ありがとうございます。お褒めに預かり光栄の極みでございます。』



ぺこー。その姿もかっこいい!



でも僕は神様じゃ無いからもう少し普通にしてほしいな。



『えっとね、ふたりと、もきい、て、ほしゅいんだ、けどにぇ』



僕がまたゆっくりと話しだすと2人がささーっと近づいてきて聞き耳を立てる。



2人も聞き逃すまいと必死だ。



『ぼくは、ね、めがみしゃま、とあってぇ、おはにゃし、し、た、けど、もともとふちゅう。にょ、ひ!とにゃの』


2人ともすごく頷いてくれている。



おそらくここまでは大丈夫だと思う。



ふー。



『めがみしゃまはね。ぼくに、しめぇい、はにゃい、ってぇ、ゆってたにょ。』


僕も2人の顔を見ながらなるべく聞き取れる様に噛まないように必死で話す。




『こにょ、しぇかい、をたのしーんで、ほしゅいってゆったの!』



『だかりゃ、ほくは、じぇんじぇん、えりゃくにゃいの!だりゃかりゃ、うーん、だ、か、ら!ふたりゅはもっと、らくして、ほしゅいの、たのしー、しゅて、くれりゅと、僕も、たのしーなの!』


ふぅ。ふぅ、、


『僕!っわ、かみゅしゃま、ぢゃないなの、』



『わかりゅ?』



伝わるか不安で頭をこてんとしてしまった。



すると2人はなぜか涙している。


なじぇ?



ミレイが、


『ニコ様は女神様とお会いしたけど元々は普通のお方だった。女神様はニコ様にこの世界に降臨なさるが何をして欲しいというご使命は何も無いとおっしゃられたのですね』



ミレイはすーっとひと息つき。


『女神様の願いはニコ様にこの世界を楽しんでもらう事』


『なのでニコ様ご自身はご自分の事を御子様だから崇高な方として扱わなくて良い。私達2人にもっと楽にニコ様と一緒に私達2人も楽しい事をすればニコ様も楽しくなられると。』



ぅうっ、ぐすっ、



泣きながら話すミレイ。



『に、ニコ様はご自分は神様では無いと。仰られている。合っているでしょうか?』



泣きながら2人がこちらを見る。



『なのですー!しょうなのでしゅー!』



『めがみしゃまもね、ふたりはおしゅごとだかりゃあるじ、しゃんのぼくにいっちょけんめいしゅてくれりゅ、の、に、も、なれて、ねって、ゆったの、でもでもね、もうちゅっと。らくしてーくれりゅ、と、みんな、たのしーなるなの!』



そうか、発音がムズイからなのなのーなるのか。



『えっと。ね。ぼくはちがうせかいから、きたにょ。ちってる?』



2人を見るとコクコクと頷いている。



よかった、ここは女神様話してくれてたのね。



説明が大変になるところだった。



『でも。ね。ぜんぶはおぼえて、にゃいの。かぞくも、ニコのまえのなまえも、でね、かぞくにょかおも、おぼえて、にゃいの』



『でね、こっちでも、ひとりぼっちはさみしーなの、だからね、あのこたちゅをちゅくってく、れたなの!』



ふうー、



『めかみさま、やさしーなの!でね!ぼくがここみたいなトコで、くらしゅのすきなのー!』


『あんまりおぼえてにゃいけどまえはちいさいときは、たのしー、が、ちょっとだったの』


『でね、こっちでたのしーするおうちもくれたの。でもでもね、めがみさまぼくのてんしぇいのことで、しごといっぱいでおうちにひとりなるとこだったの』


ふうふう、なぜか僕も泣いていた。




『めがみさま。いそがしーなのに、はしってさがしてくれたにょ。めがみさまのことすきなひといっばい、しらべて、でもちゃんとじぶんで、かくにんしゅたってー!』



『だかりゃ、いっぱいたのしーしてって!ゆったのぼくはロブと、ミレェい、にゃいとあのこたちゅ、し、か、ないの』


『ぼくはこにょせかいにしってゆなのここにゅ、いるひと、だけだにょ』



ぐすぐすっ。精神が体に引っ張られているのか?それとも本心がただ出やすくなっているのか、、


『だかりゃ!かみしゃま、みたいなの、いやなの!おし。ご。とだかりゃぜんぶ、ないなく、できにゃい、わかりゅ、わかりゅなの…』



『でも!いっぱい、えりゃいひとみたいの、さみしーの!ぼく。えりゃくないのに、いっぱい。ははーって、されりゃと、くるちーの!』


ぐすっぐすん。



最後は2人を困らせてしまうと分かっていたのに止まらなかった。



怖くてもうふたりの事が見れなくなっていた。



いつのまにか白黒ちゃんが僕に寄り添ってくれている。



そしてわかる。



2匹が『大丈夫だよーぼくがわたしがいるよー』っ感情が流れてくる。これがソウルメイトなんだ。と実感していたら。



突然ロブとミレイが僕を抱きしめていた。



『申し訳ありませんでした。こちらにお一人なのに寄り添えず不甲斐ない』


『わたしもニコ様を使徒様の様に扱ってしまいすいませんでした』



『女神様のお子だと女神様から直接の神託に舞い上がりあの時女神様が仰っておられた過剰に敬わなくても良い。と。それよりも楽しく過ごさせてあげてとの言葉の意味をちゃんと理解出来ていませんでした』



『私もです。あの時女神様はご自分の子だけどあなたなら一緒に楽しんで生活してくれると安心だと仰られていたのに…』



『ぼくのせいでふたりはもりのなかにゃの。いやぢゃにゃい?』



「「そんな事はありません!」」


ハモった。



『なら、うれしーなの!ちいさいなのまだできにゃいばっかりにゃの、まほーもまだできにゃい。すきるもまだちゃんとちゅかえないなの、ちいさいでごはんもちゅくれにゃいなの』



『ぼくはふたりにいにゃいとできにゃいばっかりにゃので、おしえて、ほしーなの。おにゃがいしゅますなの』



そう言ってペコリをする、足元が見えた。



白黒ちゃんまでペコリだった。



『かしこまりまた!女神様の御子様

で使徒様であらせられるみたいな対応は極力控えます』



『ですが我らのご主人である事は間違いないので執事として対応はさせてくだい。お仕事ですからね!』



そう言って笑顔でウインクバチコーン。




ふふ、お茶目さんだったんだなロブって。



嬉しいな。



するといつの前にかミレイが僕の頭をヨシヨシしていた。



『実はニコ様がお可愛いらしくてこうしてみたかったのです。スキンシップはしてもいいでしょうか?』



恥ずかしい、けど嬉しいが強い。



へへっ。



今なら女神様があの時自分の頭を撫でてていた気持ちが分かってしまった。



無意識に手を頭にやっていた。



そして驚いた。



え?何これ?



頭になんか硬いのがある。



え?



もしかしてこれって”角”なのか⁈




そうだよ色々あり過ぎて見落としていたけど



ロブにも生えてじゃん!ツノ。




まだ鏡も見ていなかった。




なので確認してみる。


『ね、ねぇミレェ。ぼくって、もしゅか、しゅて、ちゅの、ありゅ?』



するとちょっと驚いた顔をしていたがすぐに笑顔になり



『はい。可愛いくも凛々しいお角さまがありますよ』



おおう?そっかー、、


ベースは魔族って言ったもんなー。



さすさす。おーさすがに新感覚だ。




そんな事をしていたらロブから




『姿見のある部屋へご案内しますね!』



と言ってくれた。ちょっと態度が軟化して嬉しいかった。



そうしていたら当然のように僕は抱っこされてしまった。



なのに心地良い


不思議だ。しかしすぐに声がかかった。



ミレイだ。



『ロブさん!私にニコ様を抱っこさせてください!』



流れるようにミレイに渡された。



うむ、なんだろ、恥ずかしさよりも心地良さがある。



実に幼児らしい僕だ。きっと前世のすべてを覚えていないから素直に2才になれるのかもしれないな。




鏡のある部屋へ着いた。



ドキドキだ。ワクワクだ。



思えば前世の顔も覚えて無いし、今世もまだみていない。



いざ!鏡の前に。



僕はフリーズした。



驚くところがいっぱいだ!



小さい。ほんとに2歳なんだ。



そしてお角さま。か、かっこいい。



コメカミの後ろ辺り耳のちょっと前辺りから後ろの方へ弧を描きながら先端は前に向かっている。



なんて言うのかわかんないけどくるんと前に来ている。



僕は鏡に近寄り色んな角度から見る。



鏡は壁の一部に付いているので僕自身がアレコレ動いてる。


ふむむ。かっこいい。


後ろからくすくす声が聞こえるがそれどころでは無い。



闘牛みたいに攻撃の真似してみたりと忙しいのだ!


2歳児の好奇心を舐めないでもらいたい。



鏡を、見ながら色々していたが耳のあたりにある飾りみたいなちょっとだけモフの要素のある、餃子みたいなのが気になった。


今の角有りの僕にはバランスのいい飾りだ。長めの髪の毛から半分くらいがこんにちわしてるバランスも良いぞ。




お角さまが上にくるんとしている中その飾りは下の方に斜めになっている。



アルステルスのお洒落も侮れない。ふとロブを見るがロブのお角さまは僕とは逆方向だ。



いいな、その形状もかっこいい。しかし執事という仕事柄だろう。この素敵な羽っぽい飾りはつけられまい。くふふ。



僕にみたいに肩下くらいの長髪でないとな!



まあお世話にもなるし今度貸してあげてもいいけどな。


ロブに聞いてみる。



『ロブは、し、つ、じのおしゅごとのまえとかわ僕みたいな、かじゃりつけたりしゅてた?』



するときょとんとして『飾りですか?』といい考え混んでいた。


はっ!もしやこの飾りは子供用なのかな?



こうなったら種族はエルフだけどお洒落さんは女性なのだからミレイに聞いてみてる。



『ミレェー、こにょはねぇかじゃりはこどょまもだけたのにょ?』



ミレイもなんだか不思議そうな顔をしながら僕の周りをくるりと周りまた首を傾けた。



はっ!そうか!僕はこの世界に顕現という形で現れているからもしかしたらユメリカ様なのかも。



そうするとめっちゃ最新かな。



するとロブと心配そうに近づいてきて



『ニコ様、飾りとはどれの事でしょう?』



んん?なんで見えてないのかな?



神眼で僕だけ見えてる事もないよな。



なのでそれを引っ張りながら


『これなのー!』と引っ張ったら痛みが走った。


いったぁ?もう何だよどんな風に取り付けあるんだよ!



ピンかなんかで留めてあるんか?




するとロブが


『あ、あのもしなこちらの事ですか?』



とその飾りをそっと触る。



くふ、くふふ。やめれ。



くすぐったい。



くふふ。ん?



くすぐったい?



『ふぁっ⁈』



ぼくはを摘んで両手でピーンと



引っ張られった!



『も、もしゅかしゅてぇ、これぇって』



ゆっくりと2人を見る。



コクリと。頷いて



ミレイが



『そちらはニコ様のです』



『にゃ、にゃんでしゅとー!』



ネコになっちゃった。



びっくりだ。



でもモミモミ触ると感触がある。



ふぁー。あれ?嬉しいとちょっとだけ動く。



ロブが


『魔族も一概にに全く同じ様相と言うより色んな進化で多種多様な変化をきているのです。ニコ様と私のツノでも前方向、後ろ方向だったりと。しかしがらニコ様のお耳はとてもお似合いで素晴らしいです』



お?そ、そう?



あ!ちょっとだけ耳ピコピコしちゃう。



やめれ、ミレイ。頬を紅潮されるんじゃありません。



はっ!な、ならばもしかして!



僕はバタバタとお尻を触ったり背中を触ろうとしだした。



ワタワタだ。



くすくすくす。



『翼や尻尾はないご様子ですよ』



ミレイに笑われてしまった。



はじゅい。



うーむ。思考までちょっと幼児化してる。




鏡の前で並んでいる3人と2匹。



ロブは180㎝くらいあるかな。



細マッチョだ。髪はロマンスグレーではなく


金髪でオールバック。角は後ろにくるん。


瞳はサファイヤみたいな青だ。




モノクルがかっこいい。




前世の見た目なら年齢は30代半ばに見える。



ミレイを見る。



160㎝くらいかな。すらりとしたスタイル。



髪の毛はミルクティー色で背中の半分くらいの長さだ。


そしてエルフ耳だ。


瞳は翡翠色。ザ•エルフだ。



僕の身長は、うーん。どのくらいだ?



1mなさそう。90㎝くらい?



髪の毛はアッシュグレーみたいな色で肩より少し下くらいまで


瞳は金色だ。



角は前方向にくるん。お耳様は髪の毛より濃い灰色。



うむ。なかなかかっこいい。



厨二さんが騒いでる。



そんな様子を見ながら鏡でみんなを見ると



胸が暖かくなるよう空気になっていた。



みんな笑顔でほんわか。



最初の堅苦しい雰囲気がなくなっていた。



うん。ほっこりうれしい。



僕もニンマリだ。くふふ。






お家の確認や自分の能力、この世界のこと



色々確認したり調べたりとする予定だったけど



何ひとつ進んでない。



でもいいか。まだアルステルスに来て1時間くらいだし


予定通りになんていく事そうそうないしね。




ふんふんとそんな事を思う今日だった。


























ピコン






—————————

特殊スキル▼


神聖魔法(Lv5)

※※円環炉(Lv2)↑1up※※


————————————————

ピコン。

《魂の結びつきの欠片を確認。》






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