第6話  か、可愛いですね

ソウルメイト。




心の友。気の合う仲間。とかだったよな?




でも今は違う。




だってそこにソウル(魂)があるんだもの。




しかも女神様さらっととんでもない事言いましたよね?



“ お兄さんの魂とユメリカの神力の一部とすこーーーしだけ他のお姉さま女神の神力を足して創ったお兄さんのソウルメイトなのです!”




僕の魂と?



ユメリカ様の神力?



他の女神様の神力?




え?この白と黒の魂…僕の一部…なの?



『んっ!んんっ!そうなのです!でもそうじゃ無いなのです!』



いや、どっちよ?



『お兄さん!ちょっとツッコミが多いなのです!むうっ!』


あ、つい。


『お兄さんの魂の一部を使ってはいるのです。ですがその魂にはお兄さん以外の繋がりも混ざっていたりするのです!』



うむ。わからん。



僕の魂に他人が繋がりが混ざる?



うむ。やっぱりわからん。



『むうーーっ!むむっなのですぅ!』



いや、女神様。むうむう言われても一般人にはむずかしいっす。



『ソウルメイトって言うのは簡単に言うと” 前世から深い関わりのある相手、あるいは魂の使命を教えてくれる相手”と言うものなのです!』



“前世からの深い関わりのある相手”



“魂の使命を教えてくれる相手”



ふーむ、そう言われるとちょっとわかりやすい気もするが…



混ざるってのがわからんよなー。



『ちゃんと説明するなのです!前世でお兄さんに深い関わりがあった相手とはその親密度や情愛、友情、色んな呼び方関わり方があるのですがそれによって心に心地よい住処を設けるなのです!』



『心の住処。そこがいわゆる”魂”なのです!なのでお兄さんの魂はお兄さんひとりで構築されている訳ではないなのです!』



びしっ!



そんな音が聞こえそうな程の指差しだった。




ふむ。わかるような、わからんような。




まあいい…次だ。



『その、ユメリカ様の神力?とか他の女神様の神力ってのはどーいった事なんでしょうか?』



『くふふっ。お答えするなのです!』



『お兄さんの魂にユメリカの神力、いわゆる女神パワーなのです!これを与える事で”魂の使命を教えてくれる相手”となるのです!』



ドヤっ。



うむ。使命?とはなんぞや?



転生に使命は無いって言ってなかったっけなー?



まあ、ユメリカ様だから忘れちゃったのかもしれないな。うむ。仕方ない、な。



『むっ!むむっ!むうーーーー!忘れたなんてないなのですぅーー!お、お兄さん!ひっどーっいなのです!むう!そろそろ罰しますよ!むうー!』



やばっ。心の情報ダダ漏れだった。



す、すいません。



『むうー。反省してくださいなのです!むう!』



はい。



『魂の使命を教えるって言うのはここで言うと”祝福”なのです!いわゆる”女神の祝福”としてステータスの上においては”加護”として表記されるやつなのです!』



ふーむ。祝福、加護、新しいワード出てきたなぁー。



しかしこれも転生モノにあるようなちょっと能力を上げたり健康になったり、特定の魔法とかスキルにバフ(能力上昇)効果があったりするアレって考えでいいのかな?



『まさしく!まっさしくーなのです!お兄さんなかなかやりますね!ユメリカは見直したのです!』



おーう?そ、そう?ありがたや。



『なので!この白と黒の2つの魂はお兄さんとは別の魂になるのですけどとってもお兄さんに関わりがあるお友達にもなり得るのです!』



『アルステルスに降りた時に魂は顕現するなのです!』



なるほど。とにかくこの2つ、2人?とはこれから仲良くなって過ごすしていくって事だな。



今、意識があるかはわからんが2人ともよろしくな!



ふんふん。と女神様も満足げだ。




そうだよな。そんなに難しく考えずに僕の思う”ソウルメイト”になればいいか!



そう思うと早く逢いたくなるよな。



『この2人のソウルメイトも僕と同じ長命種族?ってのになるんですか?』



僕は長命らしいから同じ種族になるのかな?



なんて思っていたら



『それはちょっと違うなのです!』



『この2つ魂は元々の完全な魂では無くお兄さんの一部と少しの神力で構築されたのです。なので人類種とはならないのです』



ふむー、ではどうなるのだろう?



『そこがユメリカにもはっきりとはわからない所なのです!魂の質量から予想出来るのおそらく動物型の精霊種あたりに落ち着くと思うのです!』



おおっ!



動物型!



も、モフモフってやつかな〜?



モフモフだと嬉しいなぁ〜。



もふふふ。



『うぅん!ごほんっ!んっんっ』



はっ!しまった!ちょっとトリップしてた。



『はいなのです〜。確かにモフモフは正義〜なんてユメリカもちょっと思ったりもしますが落ち着いてくださいなのです!』



はい。反省。



『お兄さんはアルステルスに顕現する時の状態は確定してますけどこの2人はお兄さんの思念思想と魂の形に引き寄せられると思うのであります!必ずしも願った形ではなく魂と願いその中で無数の可能性の中から生まれるのが”生命”なのです!』



『だからこそ命は”神秘”なのです!ユメリカたち女神を持ってしても秘めたる事になるなのです!』



おおっ!なんかすごい!



有難い説法を聞いたみたいなすーっと心に着地する。




ギャン泣き子鹿震えの頃よりも女神様ってのが板についてきてる気がする。



気のせいかもしれないが。



………うむ。



どうやらまた心を読まれた様だ。



ほっぺがパンパンに膨らんでいる。



反省。



でもこれ褒めてますからね?僕。




『まったくお兄さんはー!』



プンスコであった。うむ。可愛い。



『むううー。ま、まあいいでしょう』




ちょ…



おっと。



余計な事を考える前にまだまだ聞きたい事を聞いておかねば。



超長命種族



これだよなー、なんぞやこれ。



『わかりました!説明するなのです!さっきも言いましたがお兄さんがここアルステルスで、初めての転生者と言う事でユメリカは頑張ったのです!』


『お兄さんにこの世界を楽しんでもらいたいのとユメリカもそんな楽しむお兄さんをながーく観察してみたい。そんな願いとユメリカの想いとが融合してビッグバンになったのです!』



ビ、ビッグバン⁈



『なのです!情熱のビッグバンなのです!』




ふんす。




『そしてせっかくお兄さんにアルステルスを楽しんでもらうなら色んな事が出来る様に能力を付けようと思ったなのです!』



おおっ!そんなに考えてくれてたのか。



感動だぜちくせう。



『たっくさん能力を付与しようとしたら現存する種族では爆発する事がわかったのです!』



なに急に?


爆発⁈急にこわい事言わないでぇ。



『安心するなのです!お兄さんは爆発しないなのです!』



ほ、ほんとに?



『むう!また疑ってますね!天罰落としちゃいますよ!』



あ、ごめんなさい。



『つまり。現存の種族では無理だったので神域にリンクさせたユメリカーナシステムとちょっとだけ、本当にちょっとだけお姉さまたちに女神パワーをリンクで分けてもらいアルステルスに現存する種族をシュミレーターシステムで高速演算して掛け合わせ爆発しない様に神力で補いつつ構築をする事によりアルステルスにはいなかった新しい種族が生まれたのです!それがお兄さんなのです!』



うむ。



うむうむ。もう逆に冷静になってきたよね。



新種族誕生させちゃったよ。



ふうーーー。



『世界に於いて新しい種族が生まれるのは喜ばしい事なのです!』



うん、そうだよね。



自然発生ならね。



女神様、創ってますやん手ずから。



あっ!ほっぺパンパンだっ!



ち、違いますよ〜。凄いとは思ってますから〜。



『むうぅぅー!』



『お兄さんはわかって無いなのですぅ!確かに能力に耐える肉体を構築していった結果ですが!で•す•が!そこにはお兄さんの魂が必要なのです!お兄さんの人生経験とこの世界へと渡るのに耐える”魂力”それがあったからこそこの神域で新しい生命へと構築出来たのです!』



プンスコどころかプンプンだ。



『ユメリカは確かに女神ですがゼロから創造は出来ないのです!ユメリカだけでは無いなのです!ほとんどのお姉さま方にもむりなのです!』



そ、そうなの?



女神様って世界を星を創造したんぢゃないの⁈



『むうーっ!やっぱりちゃんと聞いてなかったなのですね!ユメリカはちゃんと言いました!”星の創造のを担ったなのですー!どの星もどの世界も1柱で創造なんて無理なのですぅーー!むうっ!』



おおう、そ、そうなんだー。



思ったよりも激プンスコだった。



ふーむ。そっかー。それこそ考えようによっては



僕も新種族の誕生のを担った。と考えればいいのかな?



『そう!そうなのです!むふーっ!まったくやっとわかったなのですねお兄さん!』




うむ。どうやら正解だったようだ。



そうすると僕の種族は今までに居ないって事は…



はっ!



新しい種族。見たことも無い種族。



知らない者へ対する世間の目。



わからない者に対する忌避感。



こ、これって…



僕、イジメられる⁈



ど、どーしよ。



『むっふー。またまたお兄さんは早とちりさんなのです!ユメリカはちゃんと説明したなのです!と!まったくぅー!ちゃんとお話し聞かないとプンプンなんですよ!』



ああ、そうか。そうね。



ゼロからでは無く掛け合わせたってやつだった



ふうー。よかった。



『お兄さんの肉体のベースは”魔族”になっているのです!そこへエルフ種、獣人種なんかも合わさってるのです!』



ハイブリッドってやつかー。



『そうなのです!なのでまだ新しい種族には名前が無いのです。そこで女神たるユメリカが命名するのです!』



『むー?そうですねぇ。』



ポクポクポクポク



あ、ごめんなさい。睨まれちゃった。



『決めたなのです!』



『お兄さんの種族は、新しく生まれた種族は〜』



ドゥルルルルルル〜



あ、ごめんなさい。









『天魔族』







『なのです〜!』




ドンドン!パフパフ〜!



ちらっ。




うむ。これは大丈夫みたいだ。



えへん。ってなってる。可愛い。




うむ。”天魔族”



うむ。何やら厨二心がくすぐられるようだ。



うむ。かっこいい。




『お兄さんも気に入ってくれたんですね!ユメリカはとっても嬉しいなのです!大仕事をしてやったのです!むふふ、くふふ』



ご満悦である。




そういえば超長命種族とは言われているがどのくらいなんだろ?


今いる長命種族の寿命も知らなかったりするしなー。



エルフが2000年生きるとか多いよな。



え、僕一万年とか生きないよね?



おおーう、急に不安なってきたぞ。



『んんっ!ん!お兄さん!お兄さん!』



はっ!



『また早とちりさんなのです!』



そ、そうか…



『アルステルスではエルフ種族でも2000年とかは生きないのです!』




え?そうなの?じゃあ千年?



『むう!だから違うなのです!』



おっふ、怒られた。



そうかそこまでじゃ無いのか。



その後女神様に聞いた所によると



代表的な種族のだいたいの寿命が




•エルフ種族  200〜230年

•魔族     180〜210年

•獣人族    150〜180年

•ドワーフ族  120〜150年

•人族      90〜120年



とのことらしい。



びっくりだ。



なにがって?みんな同じくらい思っているだろ?



エルフが、200年くらいって”短かっ”て



人族が120年くらいって”長生きっ”て




ユメリカ様曰く



他の世界の女神様の所では



僕が想像するようなエルフ2000年なんて所も多いみたいだ。



ただ、世界を観察、観測してきた女神様たちからすると少々歪みが感じられるそうだ。



他種族を見下したり、傲慢さが出てきたり



自分たちのコミュニティで世界が周りたまに他種族と会えば衝突が起こる。



種族全体としての精神的希薄も問題



また人族はその逆で他と比べ短いゆえに生き急ぎ何かを成そうと無茶をする傾向が多い



そして能力的に劣っているが故に知力を働かせる。



悪い方向へ。



結果、奴隷や弱い者への暴力などが出てくる。




そこで比較的新しいこのアルステルスは



種族ごとの差はあれど何百年単位の差は無いようにしたらしい。



更に教会の話しで少し出てきたが



ユメリカ様監修の本、”聖典”



この聖典にはどの種族も等しくユメリカ様の愛し子と明記され流布されている。



それでも世の中にはバカがいる。 



聖典を自分の都合の良い様に歪曲し



他種族を隷属しようとした輩が現れる。



モチのロンだ。



即だったらしい



“天罰”




ユメリカ様の一撃。




結果、時の教皇と2人の枢機卿が処された。




ユメリカ様つおい。



ちょっと揶揄うのやめましょうと自分に言い聞かせる。




と、まあ話しは少し逸れたが



アルステルスでの長命種族は長くても230年前後となるわけだ。



そうするとやはり気になる。



そう、僕だ。



なんたって、”超”長命種族だ。



ドキドキだ。



でもアルステルスの長命種族が思ったより短命?だったので少し安堵もしている。



さぁ、女神様。教えてください。



僕の、いや。



“天魔族”の寿命を!



ドキドキ



ドキドキ




『天魔族の寿命は〜』




ドキドキドキドキ







『千年なのです!』





………………んっん〜。




ま、まあ。ながーいなー。



あ、思ったよりかは、み、じかい?かなー?



でもでも地球で生きてきて百年もせずに死んでる僕からしたら



千年なんて時間を耐えられるのかな〜?



うーん。なかなかハードなのか?



うーん、うーん。



『お兄さん!大丈夫なのです!』



な、なにが⁈



『天魔へと魂を創る中で永い時を生きる事への精神もちゃんと構築してあるのです!』



なんと!万全のサポート!



女神様すご。



ありがとう。




『それでも千年は永いのです。もちろん途中で事故や怪我などアクシデントで亡くなる事もありますが順調に生きていく上では永いのです!』



ふー。っとひと息吐く女神様。




『だからこその!そちらの2人の魂なのです!ソウルメイトなのです!』



そっかー。人ともし関わるならば人生を看取る事になるのは僕。



同じ時を同じように生きてくれるのが



この白と黒の2人の魂なんだな。



うん。色々と話しを聞くと余計に愛着が湧いてきたぞ。ふふふ。




ん?



2人とは寿命が同じくらいなのかな?




話しを聞いているとその様だが…



『安心なのです!その2人はお兄さんの魂と紐付いているのでもしお兄さんが天へと召され輪廻に向かう事になれば同じように天へと還るのです!そう言った意味でもソウルメイトなのです!』



そうか、そうなんだ。



君たちは本当に僕と一緒に居てくれる大切な存在なんだな。



嬉しいぞ。




『むっふー』



うん。女神様も嬉しいようだ。




となると…あとは転生か。




僕はどの様に生まれるのだろう?



白黒の2人は地上にて顕現?するらしいが。




僕は誰かから産まれるのかな?



お父ちゃんやおかあちゃんが居るって事かな。



そんなことを考えていた。



すると目の前の女神様が




さっきまで神たる所以を遺憾無く発揮し出した女神様が。







バタバタしていた。





どう見てもバタバタだ。




10人居れば10人が思うだろう。







“焦っている”と。






ふーむ?ど、どうしたんだろう?






明らかに焦っているよなー?何か僕の言動からだろう。




言動というか思考ね。




なんだろ。何思ったかな?




んー?白黒の顕現?




ちがうか。




2人の寿命?これも違うか。




僕の転生…






うん。これだわ。



女神様、ビクっとなって固まってからのバタバタ。




『ち、ちち、ちがーうのです!そそそそんな焦ってなんかないなのです!も、もうーお兄さんったらぁー!』




いやいや、明らかに、ですよね?




ね?女神様?




『むうー。む、むぅ。』




大丈夫です、僕は気にしてないですよ。




安心してください。




あるじゃないですか?誰にだって、ね。





ミス





そんな事もありますって。ゆっくりと対処しましょう。




『むう〜、お兄さんちょっと上から目線なのですぅ。むう。』




そ、そうですか?そんな事ないですよ?




ふうー。





さて。転生に関してだよなー。




なんだろ?




あ、女神様がもじもじし出した。





『う〜、ご、ごめんなさいなのですー。白状するなのですぅー。』




しまった!泣きそうになってる!




だ、大丈夫ですよ〜。ゆっくり落ち着いて教えてください〜。





『お、お兄さんの転生なのですが産まれてくる誰かに設定してなかったなのです。だ、だから世界に降ろしそこで顕現して成長していくのです。』




ふむ。なるほど。




誰かの家族の一員というわけでは無いのね。





『か、家族がいた方がよかったですか?』




泣きそうな女神様だ。




しかしだ。僕は満面の笑みで答える。




魂なんで笑ってはいないけど女神様ならわかるだろう。




大丈夫です!特殊な生まれ方になるし、寿命も違ってくるので僕にはこの2人が居れば大丈夫です!



そう思いつつ白黒の2つの魂を見る。




『むー、そうですか…』




それでもまだ女神様は何か悩んでいる。




なんだろう?




『そ、その〜、お兄さんを地上へと降ろした時のお家や設備なんかはもう作ってあるのです。お兄さんの意識の中から能力や生きていく上で必要もの、そしてお兄さんが好きそうな環境なんかもバッチリ揃えたのです。』





なんと!そんな事までしてくれてたのか!




本気で有難い!





ありがとう女神様。





ん?じゃあなんで焦ってるの?





『そ、それが〜。お兄さんを新しく創造した時にこの世界を楽しんでもらえる様に、小さい子供からスタートしてもらう予定で身体を構築していったのです。』




ふむ。やはり、女神様は慈愛に満ちているよ。



今ここに居るだけでも有難いよ。




しかしなにが問題なんだろう?




『えーと。ちいさい子供から始めるのでステータス的によわよわなのです…』




む?ま、まあそうか。



例え色々な能力を貰ってもそれを鍛えてレベルアップする必要はあるもんな。



うん、そうだよ。はじめからカンスト最強!とかは楽しめない。僕は。




だから子供の頃から鍛えてみたり勉強してみたりしてー、なんか作ったりもしてみてー。




おおっ!想像しただけでも楽しいぞ!




『そ、その〜子供が生きていく上でやっぱり生活や色んな事を教えてくれる存在が〜必要なのです。』



『だ、だけど、ユメリカはその事をうっかりしてたのですぅ〜。ご、ごめんなさい〜。』




うーむ。そうか。確かにちいさい子供がひとりで買い物して一人暮らしするとか異常か。



むー?でも、住む所はもう準備してくれてるみたいだから近所のマダムなんかに協力を仰げば行けないか?




んー?どうなんだ?




『あ、あの!ごめんなさい!お兄さんの住むお家なんですが…』




うん。子供なのに持ち家ありがたいよ?





『アルステルスの世界に於いてその場所は”魔の森”と、呼ばれる秘境なのです。ふ、普通の人が近寄れない、近寄らない秘境の中の秘境なのです!』




ひ、秘境…魔の…森?




う、うん。うーん、うん。



言われてみれば確かに僕の好きな異世界ライフのパターンだよ。



そ、そっかー。




これは女神様だけが悪いんじゃ無くて僕の深層に眠っていた”厨二さん”のせいでもあるよね。




ど、どーしよっかなー。どーしたらいいんだろ?




うーむうーむと悩む僕と相変わらずバタバタしてとうとうその場で回転し始めた女神様。




すると突然女神様が固まった。



そしてその場で2度3度小刻みにジャンプ。




うむ。どーした?




女神様は満面の笑みでこちらに向かって言った



『こ、こんな、時の為にお姉さまに連絡して、相談してきなさいって言われてたなのですー!』



なんと!お姉さま女神様に相談できるとな?




女神様、ユメリカ様はごそごそと服を漁り出した。



どこかで見た光景だ。




あ、はしたないからそれはやめなさい。




しばらくごそごそしていたら急にポンッと手を叩いた。



そして何も無い空間から突然トランクケースみたいな鞄が出てきた。



おーう?これがインベントリなのかな?



そしてトランクをごそごそしておもむろに立ち上がり”それ”をこちらに見せつけてむふーっとしていた。





手に持っている”それ”




ピンク色の下地に金色がかった筆で描かれた様な”それ”




九尾の狐…かな?描いてあるのは?




うん。どーみてもあれだよね。








“スマホ”








ピンクのケースにデフォルメの狐






うん。










か、可愛いですね













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