第5話 それって大丈夫なんですか?
ギャップ。
うむ。決して萌えてはいない。
ちょっと呆けているだけさ。
何にだって?そんなのわかるだろう?
目の前の光景にさ。
ここは神域。真っ白な空間に神殿。
幼女な見た目の女神様に死んで魂になった僕(人の形はしている)
足元にある幾何学模様の魔法陣。
先程から何度も明滅しながら上下に光の輪が僕を通り過ぎる。
さながらMRIみたいな、コピー機みたいな、うまく例えられないが何度も繰り返し通り過ぎる。
ついにファンタジーが僕の身に降りかかってきた。
はずなんだけど
正面を見ればSFだった。
複数のモニターやキーボード、それを操る女神様、ユメリカ様の顔にはVRゴーグルの様なもの。
カタカタカタ、シュンシュン、ヴォン、シュサッ、キュインキュイン。
そんな音が聞こえてきそうだ。
うん、聞こえてるのかもしれない。
ど、どーしたんだろユメリカ様?さっきまでホンワカな感じから今ではどこぞのSF映画のマッドサイエンティストが操るようなマシン捌きだ。
思っていたギャップ萌えと違っていた。
しかし僕にはもうどうにも出来ない。
何故かって?
魔法陣に入って何度目かの光り輝くのスキャンみたいなのが始まってから気づいたんだ。
動けない。と。
そしてここで更に気付いた事があった。
声が出せなくなっている。
どうしよう。希望の転生特典とかまだ伝えていない。
あれ?特典なしのパターンかな?
いやそれよりもまだ聞きたい事もあったけどそれらも伝えられない。
う、うん?
うーん。
あ、あれ?なんだか浮遊感?なんだ?あれだけぐるぐる回っていた思考が回らなくなっていた。
ただなんとなく、ぼーっとしている。
辺りには女神様の操作するマシンの音だけが静かに鳴り響いている。
カタカタカタカタ…
どれくらいたったのだろう?それとも一瞬だったのだろうか?時間の感覚もわからなくなった頃に突然声が鳴り響いた。
【転生体の魂の構築及び精神の修復の準備が完了】
【神域内におけるプロテクト強化により精神体とのリンク完了】
【次のシークエンス移行待機状態維持】
ふぁー。頭の中に鳴り響いている。
すごっ。
念話?テレパシー?なんなの急にファンタジーじゃん。
『あ、あの、お、驚かせてごめんなさいなのです!』
え?ユメリカ様?の声?が頭に直接?
いやいやさっきまでバタバタ慌てていたりなのです!なのです!言っていた女神様はこんな事出来ないって言ってたよね?
うーん。なんなのこれ。
すると再び声が響く。
『む、むぅっ!お兄さん!ひどいなのですぅ!そんな事思ってたですかぁ!』
え?
なんで?僕は声を出さない状態のはず。
ユメリカ様心は読めないって言ってたよね?
『もうっ!お兄さん!今はこのユメリカーナシステムとお兄さんをリンクさせて神域の神気を利用する事で一時的にお姉さま方みたいな事ができるんですぅ!』
おぉう。なんてこった。
そんな事が出来るのか。
ユメリカーナシステム?いや考えたらダメだ。伝わってしまう。
あ、ほら。ちょっと俯いてしまった。いやいやユメリカーナシステムかっこいいな〜。
んん、げふんげふん。
うむ。気をつけよう。ここからは神の領域だ。
『ずっとここは神の領域なのです!』
プンスコ!
そんな雰囲気だけは伝わってきた。
それよりもこれから何が始まるのだろう?
『これからいよいよ転生体を構築していくのです!お兄さんの希望やユメリカおすすめのスキルや魔法の付与なんかもするのです!』
おお!ついに!
なんか長かったよな〜。
『新しい転生体を構築するにあたってお兄さんの希望、願望を引き出す為にここ神域にいる状態の一部の制限と精神の鈍化を少しずつ解放していくのであります!お兄さんの魂が負荷に耐えられる所までやっていくので少し頑張って下さいなのです!』
ほへぇー。と言う事は前世の顔も思い出せるのか?
え?負荷って言った?だ、大丈夫なのかな?
『大丈夫なのです!たぶん。最新システムなのできっと大丈夫なのです!たぶん!』
ええ…ユメリカ様、たぶん多くないですか?
ちょ、ちょっと不安…だ
一旦、心をおち…つ…
『システムリンクスタートなのです!』
あっ!ちょっ!
僕の心の準備の前に始まった。
な、なんだコレ。身体が、頭が。熱い…
何が流れ込んでくる…
『ぐっ、うぐっあ、うぅ』
それは記憶の波に攫われるような
土砂崩れの濁流にもまれるような
洗濯機でぐるぐる洗われるような
およそ人生という名に於いて体感した事のない感覚に襲われていた
【被対象者の精神保護プログラム50%解放】
【記憶マテリアル解放率、26%…31%…45%…54%…】
あぁ、そうか。
だんだんと記憶が蘇ってくる。そんな人生だったなぁ。と。
そして僕は何を望んでいるのかも。
身体は、精神は、濁流に呑まれて苦しい。なのに思わず出てきたセリフ、ここでは声に出してはいないのだろうけど思わず出たセリフ
『あぁ、女神様、ユメリカ様。ありがとう』
そんなセリフだった。
きっと生身の肉体なら涙していたかもしれないな
【記憶マテリアル、精神保護解放、共に安全ラインを維持。構築チャプターへの移行願います】
そんなアナウンスが聞こえる頃には苦しい感じはおさまっていた。
それと同時に手足とかの感覚はわからなくなっていた。
『お兄さん、ユメリカの言葉はわかりますか?』
ああ、わかる。わかります。
『はい!よかったなのです!ではここから新しい肉体、アルステルスへと降り立つ為の身体を構築していくのです!お兄さんの前世の潜在意識からの願望の魔法やスキルを使用する事に耐えられる種族を創っていくのです!』
ユメリカ様はそんな事をさらっと言った。
え?潜在意識?
僕の?
なんだかものすごく恥ずかしくなっていた。乙女じゃ無いのに乙女心をかき乱された気分だった。
すると
『え⁈あ、お兄さん。乙女になりたいですか⁈い、今ならまだ性別変更は可能なのです!で、ですが精神は男の子なのです!えぇ?いやでも地球の情報によると…そ、そんな趣味思考を好む男の子も…いるのでありますか…ふーむ、ふむふむ』
や、やばいこと呟きだした⁈
『あ、あの!ユメリカ様!男!漢!いや男で大丈夫です!女の子は勘弁してください!!あ、押すな押すな!ってフリじゃ無いですからね!』
精神の鈍化が緩まったせいだろう。
言わなくてもいい事を言って(思って)かなり焦った。
ふぅ〜、TS転生とかは僕にはムリです。あぶねぇ。
『そ、そうでしたか!多様性の時代と聞いていたのでそんな事もあるのかとちょっと検索しようかと思ったところでした!』
あ、ダメダメ。違う男の娘、とか出てきちゃうよ。げふんげふん。
『お兄さんの現状、記憶マテリアル解放率は62%までなのです。なので前世の名前や顔などは記憶復帰はしていないのです。ただこれはこれから転生するに当たってあまりにも前世をトレースし過ぎると新しい環境で馴染めない可能性があるので許して欲しいのです』
そうなんだよな、色々と思い出したけど名前や顔、家族の名前、構成なんかは未だ思い出していない。そういった理由があったのか。
でも地球では亡くなってしまった僕が新たに生まれる為には必要な措置だったと思えば特に否はない。
『そう言ってもらえてよかったなのですー!』
ふふふ、やっぱり女神様なんだなー。慈愛に満ちている。ちょっと貫禄無くて可愛らしい小さな女の子に見えるけど歴とした神様なんだな。
『むぅ!ユメリカはちいさいですけどちゃんと女神なのです!むぅ!お兄さんちょいちょい失礼なのです!むぅー!』
おっと、いまは思考が読まれちゃうんだった。
『し、失礼致しました』
『もう!可愛いのはいいですけど!ちゃんとお仕事できる女神なのです!忘れないでください!』
記憶を思い出したからかな?なんかちょっとあの子の雰囲気を思い出して微笑ましい感覚になっていた。
『とにかく!構築をはじめていくのです!』
そう言うと女神様はまた機械を操作しだした。
カタカタカタカタ、シュンシュン、シュパーシュパー、ヴォン、ヴォーン
【種族構築シークエンスに移行。魔力回路構築、反射回路強化構築、高速演算許容ベース構築、魔力保存媒体構築、スキル群、魔法群、ユニーク、ギフト、耐性負荷範囲構築、魂の修復及び補填構築、魂のカケラによる媒体構築、……】
アナウンスが頭に響き出すと同時に浮遊感が僕を包む
聞くでもなし、見るでもなし、そんな感覚が続いていた。
目の前に、うん、目の前なのかもわからないがまた新しい魔法陣があらわれたと思ったら通り過ぎる。
そんな事が何度も何度も繰り返す。
【魂への干渉を確認。女神ユメリカからの神力付与を確認。欠損補填及び分離再構築開始……】
次々にアナウンスが流れる。
僕にいま出来る事は無さそうなのでアナウンスの様に流されているだけだ。
【被検体の潜在能力の引き出し開始。魂への能力付与に追加。種族体での使用可能様式に再構築】
どんどんと進んでいる。ちょっと思っていたファンタジーでの能力授与と少し違うがたぶん進んでいるんだと思う。
『むむむ、むぅ〜』
時々、女神様の唸り声?考え込む越えが聞こえる。
不安になるのでちょっとやめていただきたい。
そんな事を考えても僕はフワフワするしか無かった。
『むむっ!そうなのです!そっちからこっちでここでユメリカの神力を〜』
いや、大丈夫ですよね?
『あっ!』
え⁈なに⁈こわい。
『せーふ!セーフなのです!ふぅ〜危ないところでした』
いやいや危ない方あるの⁈ちょっと!女神様!
カタカタカタカタ…
くそう!なんで今は念話届かないんだよ!
カタカタカタカタ…
【女神ユメリカからのリクエスト確認、◾️◾️◾️◾️への接続…完了。リンク開始。◾️◾️◾️からのリクエスト受信。確認完了。魂の再構築開始。リンクネットワーク構築開始、祝福媒体作成】
ネットワークとかあるんだ。
剣と魔法のファンタジー…
ちょっと忘れそうになるわー。
ファイヤーボールとか唱えておくかな?
『あっ!お兄さん!魔法の事とか今は考えちゃダメなのです!もう!シャットダウン!』
考えたらダメだったみたいだ。怒られた。
どのくらい経っただろう。妙な機械音と幻想的な魔法陣、そして時々聞こえるアナウンス。なんだかカオスな状態だった。
そう、だった。だ。
それは突然訪れた。
【転生システムプロトコル完了。魂補填率及び精神構築完了。本機によるシステム構築オールクリア。女神ユメリカへの媒体譲渡待機状態。】
そんなアナウンスが聞こえた。それと同時に
『女神ユメリカが告げる。転生体の引き渡しを要求!』
女神様の声と共に僕のからだ?が魔法陣から移動する。
女神様の前に。
【すべてのシークエンスが完了。システムダウン。】
そんなアナウンスと共に先程まであった機械達が光と共に霧散した。
静寂だ。
最初に来た時の様に女神様と僕だけが向かい合っている。
但し、僕の肉体はない様だ。手足の確認が出来ないし、なんだったら今僕は浮いている。
ファンタジーだった。
疑ってごめんなさい。
『お兄さん、お疲れ様なのです!これでアルステルスへと旅立つ準備が出来たのです!あとはここでお兄さんが特に欲しい能力を授与したりします!』
ええ?まだ能力くれるの?と言うかはっきりとはわからないけどアナウンスで結構色々してくれてたような…
『はいなのです!システムでしていたのはお兄さんが地球からアルステルスへと移る為に必要な肉体を創造していたので潜在意識から確認して能力を付けていたのです!』
はー、そうなんだー。
あれ?声出して無いのに話しが通じている⁈
『そうなのです!お兄さんは今アルステルスの魂となったのでこの世界の女神たるユメリカは心が読めるのです!読めなかったのは地球の人だったからなのです!ユメリカはちゃんとやれるのです!』
ふんす!
今日イチのふんすだった。
『とにかく!お兄さんが欲しい能力まだありますか?言ってみてください!』
え?潜在意識から引っ張ったらもう無いじゃ無いかな…?
あ、でも潜在意識で欲しいのが全部あるわけじゃないか。
えーと、そうだなー。
やっぱり三種の神器と言われるアレは欲しいよな〜。
かん…
『鑑定、インベントリ、言語理解はあるのです!』
おおっ!あるのか!嬉しい。
でも鑑定とかインベントリはアルステルスでどのくらいレアなんだろう?
『鑑定は人物、アイテム、武具なんかに分かれてたりするのでそこそこ居るのです!』
そっか、じゃあ悪目立ち…
『でもお兄さんに与えたのは全部見えるのです!更に色んな使い方が出来るユメリカ特製なのです!』
え?
『正式には鑑定では無いのです!”神眼”なのです!用途に分けて
え?神眼?
神って入ってるじゃん。やばくない?
『そうなのです!ユニークスキルなのです!なので世界にただひとりお兄さんだけなのです!』
おぉう。マジかぁー。
ちょっと嫌な予感…まさかインベントリも…
『さすがなのです!インベントリもユニークなのです!アルステルスではアイテムボックスのスキルはあるのです!容量は個人の能力にも多少の左右されますが大きくても10畳くらいなのです!10畳の大きさならかなりレアななのです!普通は大体荷馬車くらいなのです!』
ふんす。
うん、ふんすになるよね?もしかしてインベントリって、、
『はいなのです!容量無制限、時間停止なのです!またインベントリ内で別ルーム作成可能で時間調節可なのです!熟成肉作り放題なのです!あっ時間を強制的に進めるのは出来ないのです。ごめんなさい』
ええー。
いやいやいや。無くてよかったよ時間進めるの。ちょっとそれは怖い。
と言うかインベントリも破格過ぎるだろう。
げ、言語理解はそこまでチートじゃ無いよね?え?無いよね?
『大丈夫なのです!言語理解もユニークなのですが持っていてもわかりづらいなのです!外国語や異文化語、古代文明語なんかがわかるくらいなのです!魔物いわゆるモンスターとかには通じないなのです!』
えっへん。
いやいや古代文明わかっちゃうとか十分チートなんだけどな…
うん?チート…、チート…
あー、そうだわ!このチート能力が鑑定されたらめんどくさい事になるよね。隠蔽とかあるのかな?
『バッチリなのです!普通に観られてもお兄さんのチート能力は鑑定を弾きます!でもそうなると鑑定を弾くすごい能力と思われちゃうのでユメリカ特製隠蔽を授けてあります!隠蔽を持っている事もわからないなのです!わかるのは神々だけなのです!神に連なる者でもわからない仕様なのです!安心なのです!』
ふんすふんす。
マジかぁ。チート過ぎんだろう。有難いけど。
神に連なる者ってなんだろ?いや、ダメだ怖くて聞けない!
『神に連なる…』
『あー!あーあー!ユメリカ様!ストップ!あんまり知り過ぎると楽しみが無くなっちゃうのでその辺りは大丈夫です!』
『むむっ、そうなのですか?むぅ、わかりました』
ちょっと頬が膨れている。可愛い。
『まっ!むむー!可愛いとかすぐに言わないなのですー!』
そうだった、思考筒抜けでした。
んー、なんだっけな。気になった事…
あ、そうだ!
『ユメリカ様、ひとつ気になったのですが僕と同じ様に転生でチート能力…とまでは行かなくてもアルステルスで転生者の影響で僕と出会ってぶつかったりとか向こうも僕の事が転生者だとバレたりしない様に出来たりしますか?』
そう!そうなのだ!
転生あるある。ラノベ、小説あるあるだ。
知識チートや俺Tueeをやり過ぎて同郷の転生者にバレて面倒くなるやつ。
面倒は避けたいのだ。
『む!それは大丈夫なのです!』
ほほう。
『アルステルスに転生者は居ないなのです!』
うん?
居ない?
あー、今はって事か。
『ちっがーうなのです!』
違うの?
『違うなのです!お兄さんがアルステルスで初めての転生者なのです!』
???
ハジメテノテンセイシャ??
ん?
えっ?
ええーー⁈
そ、そうなの?
『そうなのです!な、な、なのなのでぇー』
どした?急に?
『はじめてだったのでちょっと緊張してちょっと失敗しただけなのです!』
なんなの、急に失敗とか言われちゃった。
え?僕の転生失敗するの?マジ?
『ち、ちち、ちっがーうなのです!お兄さんはあわてんぼさんなのです!』
思う事はあるがスルーしておこう。
『さ、最初にちょっとだけ、ほんのちょっとだけ泣いちゃったのははじめての転生でちょ
っとだけドキドキし過ぎただけなのです!』
ちょっとが多いなー。
ん?最初?
あー!最初!柱の影に隠れていたやつかぁ!
なるほど、なるほど!なぜあんなにギャン泣きだったかの疑問が解けた。
はじめて転生者でパニックでマニュアルとか色々忘れたって事かー。
『ギ、ギャン泣きとか忘れるなのですぅー!』
プンスコだった。
しかし僕がはじめての転生者かぁー。
あれ?これってはじめてのトラブルとか想定出来なくて大変なやつなのでは…
『ふんす!大丈夫なのです!ユメリカは転生はじめてだけど他のお姉さま方からアドバイスもらってるのでよくある転生トラブルには対応済みなのです!』
よくある質問みたいに言ったなー。
ふむ、他の女神様の所で起こった転生トラブルをユメリカ様にレクチャーしてたりするのかな?
言われてみれば《隠蔽》とかすごいもんな。
なるほど。
『じゃあ懸念としては僕のあとにくる転生者との邂逅ですかね?』
女神様は満面の笑みだった。
『それも対応済みなのです!ふんす!なんと!お兄さんが居る間は新しい転生者は送らない様になっているのです!』
おおっ!めっちゃドヤってるなー。
『アレはどうなんですか?アレ。どっかのバカな国が生け贄集めて勝手に異世界人を誘拐する勇者召喚みたいなヤツです』
そうなのだよ、よく見るよねこれも。
『ふふふん!お兄さんさんは甘いのです!甘々なのです!くふふっ』
『とーぜんそんな勝手な召喚は出来ないようにシステム構築は完璧なのです!そもそも”勇者”の概念がアルステルスにはないのです!同じく”魔王”もいないなのです!』
『更に更に〜』
ちょっと女神様ノリノリになってきたな。
『万が一、億が一、異世界召喚をしようとたくらむモノが居た場合ここにあるユメリカーナシステムのアラームが即!鳴って、即!天罰なのです!』
おーう。そうだった。見た目のあまりの可愛らしさでちょっと忘れそうになるけど
紛う事なき”神”だった。
世界に対しての干渉とかは大丈夫なのかな?
『もっちろん、クリア済みなので大丈夫なのです!』
そつかぁー、僕が考える事もないか。
『そうなのです!うっかりする前に渡しておくのです!』
ん?なんだ急に?
女神様から白と黒の淡い球体がふよふよと僕に近づいてきた。
よく見ると火の玉みたいになってんね。
あ!これが魂?なのかな?
僕も今こんな状態なのかな?
『なのですなのです!それは魂なのです!』
ほほう、なにゆえ魂を僕に?
『お兄さんにプレゼントなのです!お兄さんはアルステルスで最初の超!長命種族なのです!超ー!なのです!だからひとりだと寂しくて死んじゃうかもなのでお供兼お友達なのです!』
…………え?
なんかとんでもない事さらっと言われた…よね?
“長命種族”
エルフとかのあのやつだよね?でも…
超
超
“超”長命種族って言った?
ちょうちょうめいしゅぞく?
町長メイ種族とかじゃ無いよね?
なんだよ町長がメイって!
ダメだ。混乱だ。
切り替えよう!
『そ、そっかぁー、僕のためにありがとうございます〜』
『こ、この魂?魂ってどこかから持ってきちゃったんですかねー?それだとちょっと僕、罪悪感あるんですけどー』
そう、2つの魂のことを考えよう。
僕のために転生に付き合わせるためにどこかから来てたら申し訳ない。
『それは大丈夫なのです!なんとお兄さんの魂とユメリカの神力の一部とすこーーーしだけ他のお姉さま女神の神力を足して創ったお兄さんのソウルメイトなのです!』
ふぅーーーーーー!
色々、そう、色々だ。聞くことが多過ぎる。
ふうーーーー!
とりあえずだ。
『それって大丈夫なんですか?』
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