第120話
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「友人の園子です」
久々に西院家に呼び出されて顔を出すと、日本から彼女の友達が訪ねて来ていた。
「西院さんの部下の琴平です」
彼女と同い年には見えない大人の女性は、意味ありげに俺を眺める。
「なんすか」
「あら、千捺。何も言ってないの」
眉間に皺を寄せて見遣る園子さんに反応して、「わ、忘れてた」と焦る千捺さん。
よくよく説明を受ければ、結婚したい俺の為に「一番の友達」を紹介しようと画策していたようだ。
なぜ休日の朝早くに呼び出されたのか、それは彼女の可愛いお節介のせいらしい。
「琴平さん。園子は明後日帰国しちゃうから、良ければ今からどこかへ連れ出して貰える?」
産まれて3ヵ月の倫ちゃんを抱き上げている彼女は、すっかり母の顔。
また綺麗になった。
「いいですよ」
「僕の車を使うといい」
西院さんからキーを手渡されて、園子さんとドライブに出掛けた。
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