第69話
こちらに渡英するまでの期間、彼は寝る間を削るほどの仕事漬けで、帰宅は午前2時を過ぎることすらあった。
しかも休日出勤までしていたから、1ヵ月近く私と昴さんはセックスレス状態に陥った。
普通なら浮気を疑ってしまうかもだけど、不安に思うことはなかった。
結局は私とふたりで過ごす余暇を作り出す為に、彼が頑張ってくれていることを一番近くで感じていたからだ。
なのでロンドンに来てからの私は、2度目のハネムーンのようで少し浮かれている。
それは彼も同じみたいで、毎夜遅くまで私を可愛がってくれる。
最近では私が積極的に享受しているのを見極めたのか、昴さんは意地悪で恥ずかしいことをさせるようになった。
拙く応えようとする私の姿を、彼は熱い吐息をもらしながらご満悦な表情で見上げてくる。
反対に私は一心不乱に攻めに攻めて、どんどん余裕を失しない乱れてゆく彼に満足する。
求め求められるその行為を貪欲に繰り返しながら、私と昴さんは深く繋がったまま快楽以上の信頼を築いていくのだ。
だから目覚めるのはいつもブランチタイムで、ふたりで気怠くベッドの上でゴロゴロする。
堕落した生活かもしれないけれど、今だけ許される時間だとわかっているから、思いっきり謳歌しているのだ。
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