第47話
「でもね、何かあったらすぐに言いなさい。私も千晴も内に溜め込んじゃうタイプだから、千捺もきっとそう。しかも海外転勤控えてるし、内気な千捺がちゃんとやっていけるか、母さんも心配してる」
「なんでも思ったことは伝えるように昴さんにも言われてるから」
「そっか。旦那が大人だと千晴のとこみたいに安泰かもね。まあ彼に言えないこともあるだろうから、その時は頼って来なさいよ」
今は落ち着いたと言っても、千香は結婚してから苦労が絶えなかったはずだ。
両親と智充さんとの狭間で誰にも相談できず、長女として妻として母として闘っているから。
「千香姉ちゃんも、私に言ってね。父さんたちと同居してる千晴姉には言えなくても、さ」
「アンタにそんなこと言われるなんて、私も歳取るはずだわ」
豪快に笑う千香の顔は、少し母に似て来た。
私もこんな風になるんだろうか。
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