第46話
新婚旅行で訪れた観光地やフライトで利用した空港や免税店でのアレコレなんかを話して盛り上がる。
持参した多くのお土産を開封して摘み始めると、男性陣はビールやウイスキーを昼間から煽りだした。
智充さんがお酒を口に運ぶ度に不安な視線を送っている私に気付いた千香が、キッチンの奥へと連れ出してくれた。
「大丈夫よ、子供たちが大きくなってきたから最近はセーブできるようになったんだ。以前みたいに手を上げないから安心して」
千香は未だに私が一度だけ智充さんに殴られたことを、負い目に感じている。
両親との別居へ踏み切ったのも、私を思ってのことだと今では理解できる。
「千香姉ちゃん、良かったね」
「それは千捺もでしょ」
「ん?」
「千捺は私や千晴を見て育ったでしょ、だから恋愛に興味すら持たなくなっちゃって、お見合いであっさり結婚決めて心配してたのよ。でも昴くんと上手く行ってそうだし、少しは安心した」
年が離れているから可愛がられることはあっても、こんな話しをすることはなかった。
それだけ私も大人に成長したと、認めて貰ったような嬉しさを感じる。
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