第35話
手首から20センチ程長いミディアムグローブ。
アプリコット色のそれは、カシミアの毛糸で編まれた手袋を内側に隠した二重構造であるにもかかわらず、細っそりとして美しい。
「千捺、それ似合ってるよ。このピンク色もいいよね。こういう物はコーディネイトの為にいくつか用意しておいた方がいい」
そんな言葉に甘えて、そのミディアムグローブとスウェードタイプのサーモンピンクの手袋、そしてやっぱりミモザ色の3つを選んだ。
昴さんは綺麗なターコイズブルーとシックなダークグレー、最後に濃紺にも見える黒の手袋を購入した。
ふらりと訪ねた最初の店で、合計6つの手袋を大人買いしてしまった私たちは、早速そのひとつを取り出して手にはめた。
艶やかなターコイズブルーとアプリコット色の手袋。
自然と繋ぎ合わせた手袋越しの彼の手は、大きくて頼りがいのあるものに感じた。
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