第24話

親族室で両家親族を交えて感謝のお礼を済ませると、ホテルの地下にあるカフェバーで行なわれる2次会へと移動した。



少しだけ畏まったスーツとワンピース姿に着替えて顔を出すと、すでに貸し切りのバーは盛り上がっていた。



「西院ご夫妻にあやかって、私たちも幸せになりましょう」



幹事を任せた学生時代の友人である園子の掛け声で、巨大な合コンパーティの様相に変化して、私と昴さんは苦笑いを零した。



彼の学生時代の友人や会社の同期だと言う人達に囲まれて、私の知らない昴さんの過去の失敗談や恋愛遍歴なんかを耳にする。



「そんな昔の話し、いい加減忘れろよ」



砕けた口調で友人に悪態をつく彼に、私はまた新たに彼の一面を知っていく。



高校時代にバスケット部に所属していたこと、その当時のマネージャーと交際していたこと、大学時代にも2人の女性と付き合っていたこと。



社会人になって海外転勤が続いて、最後の彼女と破局したのは3年前だと言うことも。



次々と語られるそんな話しに、胸をチクリと傷めてしまうのは、彼が真剣に付き合って恋愛していた過去があると言う部分だった。



きっと昴さんはどの相手とも真摯な気持ちで向き合っていたんだろうと思う。



それは私の周りの友人となんら変わりない経験。



そんな経験すら未知の私に、理解するのは難しいこと。

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