第4話

そんな姉たちを見て思春期を迎えた私は、心のどこかで恋愛と言うものに嫌悪感や失望と言うものが芽生えてしまっていたんだと思う。



表面上は幸せそうな家庭を築いている彼女達が、暴力や消えない恋情に苦しんでいることを垣間みているからだ。



私の両親は見合い結婚だけれど、互いを慈しみ合っている理想的な夫婦。



だから私は中学も高校もそれなりに恋をして好きだと思う異性もいたけれど、交際しようとしたりそれ以上の関係へと進むことは、決してなかった。



もちろん、必死に断ち切った恋もあった。



千香は智充さんと、千晴はあの浮気症の元彼と、精一杯恋愛して今がある。



それが我が家の恋愛におけるDNAだとすれば、きっと姉がそうだったように私も周りが見えなくなるくらいの恋情で苦しみ、そして執着するのかもしれない。



そんなのは、嫌だと思った。



だから誰とも付き合わなかった。



結婚するなら、父母のようにお見合いしようと中学の頃から決心していた。



そして私は短大を卒業し、就職戦線に破れて実家のレストラン小柴を手伝いながら、常連さんに勧められるままにお見合いをするようになったんだ。

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