02 お見合い経験

第5話

ビジネス街の外れと言えど、近隣の企業に勤める会社員のお陰でランチやディナータイムは忙しい。



主にホールを担当している私はお客さんとの接触も多く、個人的な誘いをしてくる若いリーマンさんも数人いるけれど、失礼がないように断り続けている。



そんな恋愛に無気力な私を10代の頃から知っている、お店の常連さんである杉谷さんが、見るに見兼ねたのかお見合い話しを持ちかけて来たのである。



彼女の旦那さんが経営する会社の繋がりで、庶民派レストランの娘には勿体ないくらいのエリートと呼ばれる相手をセッティングされたのは、私が店を手伝うようになって1ヵ月が過ぎた頃だった。

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