第3話 自分らしく
ひといきで他者の自由を担保してやれず
不穏な空気が立ち込め
紆余曲折を経て
結局吞み込んだ
その際に
またひとつ嘘をついた
共同体、組織、そして世界と巨悪……
それぞれに不安と懸念がかわるがわる張り付いてくる
気が滅入りながらも
それはそれでバランスだとも思う
どれかひとつに不安が集中すると
その方が耐えがたい
いつか楽な心持ちになりたいと思うが
果たされることがないこともわかっている
不穏の渦中にあることが
すなわち、自分らしく、である
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