学校に登場生首

 俺は生首。その名の通り、頭だけの存在だ。普通の人間だったら生きているわけがない。

 そんなわけで、俺は幽霊とか、怪異って存在なわけだ。

 成仏できずに、あの世へ行けずに、この世をさ迷っている、怪異。


 俺だってそろそろ成仏してもいいかな、と思っていなくもないんだ。けど一人でお行儀よく、誰にも知られず成仏っていうのもしゃくなんだよな。

 怪異っていうのは恐ろしくて、危険な存在じゃないといけない気がする。

 そんな気がする。

 だから誰かを道連れに、俺は成仏するんだ。



 町の中学校にやってきた。

 子供がたくさんいる。

 今は休憩時間なのか、廊下でおしゃべりしたり、遊んだりしている。


 子供が生首の俺を見たら、泣きわめくだろう。

 若くて希望と可能性がいっぱいの中学生たちよ、お前らに恨みはないが、俺と道連れになってもらうよ。悪く思うなよ。道連れ候補に大人も子供もないのさ。


 子供たちよ、俺に驚いて慌てふためき泣き叫び、廊下で滑って転んで頭打ってお陀仏するがい


 ベシャ。


男子生徒A「なにやってんだよ、スイカはこっちだって」


男子生徒B「やっぱり目隠ししてると分からないもんだな」


教師「こら、廊下でゴムボール使ってスイカ割りごっこするのやめなさい!」



 終。



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