第5話 魔道具と、ステータスについて考えた

 1ヶ月くらい経ちました。

 金、銀、ミスリル、オリハルコン、その他色々金属が、この岩場にはあった。

 珍しいというか、殆ど集まらなかったのは、魔力鉱石とアダマンタイトで、ヒヒイロカネ、それと塩は無かったね。

 見つけた金属で、髪飾りやブローチ、指輪にネックレスまで作った。


 魔道具になるのかどうかは判らないが、カットした宝石に、魔法を登録できる事が判ったので、予備MPタンクや、STR強化、VIT強化など付けたネックレスなんかも作ってみた。

 おかげで、彫金スキルも取れたのだが、自分では着けられないので、人間にあった時の贈り物としてだね。

 別に彫ってる訳でも無いのに彫金って、よく解らないんだけど、方法は何にせよ、アクセサリーを作る人全般が取れるスキルなのかな?彫る技術というよりも、デザインの作成能力が重要みたいな。


 探索は毎日続けていて、一日中外を歩き回っていても疲れるだけなので、昼過ぎには大体戻って来て、錬金術に勤しむ。

 材料は、この岩山の地下にも巨大な岩盤があって、掘れば何かしらの金属が出て来るし、たまに魔力鉱石という小さな魔石も出て来た。

 この魔力鉱石って奴は、内包魔力が半端なく入っていて、魔道具を作るともの凄く強力な物ができあがるし、空気中のマナを吸収する魔道具も作る事が可能だ。

 宝石でも作れない事も無いんだけど、宝石では、少し効率が悪いので、マナの吸収率が低くなってしまうのだ。


 そして、その魔力鉱石を使って作ったのが、蚤取りネックレスだ。

 細いミスリルのワイヤーに小さな魔力鉱石をくっ付けて、インセクティサイドを付与してあるのだ。

 これで蚤の痒みが、かなり軽減できたんだよ。

 初めは、自分の体にインセクティサイドを使ってみて駄目だと思ったのだが、アクセサリーに付与して顔だけでも防ごうと思ったのだが、首に着けて見ると、ポロポロと蚤が落ちていくのだ。

 そういえば、猫の蚤取り首輪ってあったなぁって思ったんだけど、蚤がこんなに辛い物だって知っていたら、もっと頑張って排除してたかなぁ。

 蚤って、毛の中をもの凄いスピードで走り回ってて、何かこう、体中が常にくすぐったいんだよね。

 冬場の肌乾燥で、全身が痒いアレが、ずっと続いている感じで、気持ち悪い。


 昔飼ってた猫には、その首輪を着けていて、首輪の所の毛が抜けて、痛々しい姿になっていたけど、今着けているのは、薬剤で蚤を殺すのではなくて、魔法だから、きっと肌には影響しないだろうと思う。


 因みに、VITが高ければ蚤に食われる事が減ると思っていたのだけど、そんな事は全く無かったよ。

 多分、VITは肌には影響無いんじゃないかと思う。

 だって、VIT2000の人が、剣を素肌で防ぐのに、触るとプニプニしてたら、意味が判らないもんね。

 え?スライムみたいな肌?スライムなんて見た事が無いよ。

 でも、VITってバイタルの略だから、防御力を示すならDEFなんだけどなぁ。

 そう考えると、ステータスの内容も少し調べた方が良い様に感じてきた。


 VITについては、装備を着けると上がって行くんだけど、素では殆ど上がらないんだよ。

 実際に、何をやれば上がるのか、さっぱり判らないのだ。

 STRとAGIは筋力と素早さだから、多分、STRが遅筋で、AGIが速筋なんだと思う。

 INTは頭の良さというよりは、知識量とか思考能力の事だと思う。

 RPGでよくあるDEXとかMIDとかは、裏設定であるのかも知れないけど、器用さなんて、技量の話だから、手先が器用でも彫金ができる訳でも無いし、細かい作業が得意って訳でもなさそうだから、多分ステータスでは表せられないと思うよ。

 MIDはマインド、所謂精神の事だけど、精神なんて、それこそ数値になんてできる話では無いよね。

 だって、どんなに強い人でも、ふとした瞬間にネガティブになったりするし、気付いてないだけで疲弊している人なんて、腐る程いると思うよ。

 他にも、命中率や回避率だっけ?それも、命中率は技量の問題だし、回避率は第六感や注意力、警戒心や視野の広さで変わって来るだろうから、数値で表すのは不可能だと思う。


 じゃぁ、VITは何か?というと、これは、装備も含めた防御力なのかなぁと思うね。

 魔道具に付けたVITが、防具にどう影響するのかは判らないけど、多分魔力でカバーするとか、シールドを発生させるとかするんじゃないだろうか?

 魔獣や動物のVITについては、毛に魔力を纏わせて出す数値なのかと思うよ。

 現に、自分のVITをネックレスでアップさせると、角ウサギの攻撃に耐えられる様になったし、歩き回っていると落ち葉が毛に刺さる刺さる。

 まるで、蓑虫にでもなったかの様に、落ち葉だらけになんの。

 とてもじゃないが、歩きにくくて仕方が無いので、ON/OFFできる様に仕様変更したよ。

 まぁ、耐久力として考えても、毛の硬さが変るという事に違和感を感じるよね。

 文句言っても仕方ないんだけどさ。


 スイッチ的な物は、その魔法陣に魔力を通すか通さないかで切り替えが可能だから、ON/OFFだけならスイッチ、切替えるならチェンジオーバーって感じの言葉になるんだけど、切替えにするとMP消費が激しいから、スイッチだけにしたよ。

 何故MP消費量が増えるのかについては、予想だけど、直進性の高い魔力を無理やり曲げているからじゃないか?と思う。

 この辺の回路は、電気回路みたいな物なんだけど、循環させる必要は無いから、ツリーにして終端を魔法陣にするだけで完成するよ。


 そうそう、魔道具の作成には、魔力操作っていうスキルが必要でね、これが無いと魔法陣にMPを届ける為の魔力線を作れないのだ。

 魔力操作に関係あるかどうかは判らないけど、無詠唱魔法もできる様になった。

 この無詠唱も滅茶苦茶使えるスキルなんだけど、いちいち「ミャ」って言わなくて良くなったから、敵に見つかる心配も無くなったし、独り言の様にミャミャミャミャ言わなくなったんだよ。


 使える様になった理由は、単純に思ったら出ただけで、数回使ってから、あれ?詠唱したっけ?って思って、やってみたらできたって訳さ。

 これが最初からできていれば、ペルグランデスースに、追いかけ回される事も無かったかも知れないのにね。

 ただ、無詠唱の場合は、発動時のMP消費量が増えるのと、威力が若干落ちるみたいで、便利かもしれないけど、効率は悪くなる。

 まぁ、気にならないけどね。


 魔法の威力が下がっても気にならない理由は、多少の誤差が出ても判らないから、気にならないんだよ。

 普通に魔法を撃っても、ダメージは一定ではなく、多少の誤差が出ているのと、相手のVITやMAGによって、結果が変るのであれば、判らないからね。

 ゲームの様にダメージがポップする訳でも無いし、近場で勝てそうにない相手なんて、ペルグランデスースと湖のヌシくらいな物で、態々戦う必要も無い相手に挑むなんて事は、しないからね。

 気にするだけ無駄って事だよ。


 ステータスについては、INTもよく解らないんだけど、ゲームでは魔法やMPに関連するステータス?って感じだけど、MAGがあるからそれは無いと思う。

 知能に関する数値として考えると、そうなのかも知れないとは思う。

 けど、それが判ったからどうだって話なんだよね。

 STRもVITもAGIもMAGも、全部戦闘に関連するステータスなのに、INTだけ違うなんて事があるのか?と思う。


 知識や経験、集中力や理解力、計算能力や・・・後なんだろ?その辺に影響を与えるのかも知れないけど、魔道具を作る以外に使ったつもりもないので、よく解らないね。

 判るのは、滅多に増えないって事くらいかな。

 初期値が200もあったのは、人間だった頃の記憶があるから、その分の知識とかが加算されているんだと思う。

 どうやったら上がるのかも、よく解らないから、とりあえず放置でいいかな。


 魔道具作るのに、頭を使うから、その内あがると思うよ。

 魔道具でステータスアップの効果を出す場合、例えばVITを上げる時は、普通に自分のVITとMAGの10分の1を足した数値まで上げられるらしくて、俺の場合は、584がMAXって事になる。

 VIT1000の魔道具を作る場合には、VITを重ねると作れる様になる。

 つまり、2つ重ねれば1168がMAXって事になるけど、切りが悪いので、1000になる様に調整したんだよ。

 MAXのままだと、知ってる人が見れば、VITとMAGの合計が584という事がバレて、ステータスが判っちゃう可能性があるからね。


 ステータスは、自分の能力そのものだから、バレないに越した事は無いんだよ。

 因みに、重ねられる最大数は、5枚までが限界で、登録するのにVIT値と同数のMPを使うから、作るとぐったりする。

 MPは、一度に大量に使うと、精神的にも、肉体的にも疲れるから、あまり乱用はできないね。

 MPとHPの関係性も、角ウサギで実験してみて判ったんだけど、HPが大幅に減ると、自動回復でMPを消費してHPを回復して、逆にMPが大量に減るとHPを消費してMPを回復するみたい。

 HPは生命力と体力が含まれているらしく、即死以外でHPが減ると、瀕死の状態でMPが消費されて結構生きてる。

 そのまま放置していると、MPは自然回復するから、運が良ければ生き延びる事になり、MPが0になればHPが1残っていても死亡判定になるみたい。

 まぁ、HPが1割以下なんて状態は、重症か重体って事だから、回復できなければ死ぬのは当然かな。


 その時点でヒールリーフを食べたとしても、回復量は微々たるものだから、相当に運が良く無ければ、普通は死ぬよ。

 この世界では、魔力が無くなる=死という事らしく、魔力感知で見えていた点が見えなくなると死んだと思っていいみたいだ。

 ただ、蚤は見えないんだよねぇ、小さい生物を見るには、相当に集中しなければ見えず、自分の体にいる蚤は、自分の魔力を感知してしまう為に、全く見えないのだ。

 まぁ、最近は、水の中に入るか、バブルウォッシュとドライで追い出せるから、増えた時は使っているよ。

 外を歩けば、すぐに集まって来るから、あまり意味は無いんだけどね。

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