第2話 デリヘルに一番来てほしく無い奴

「ふぅ……これで記録更新だねぇ♡ でもでもぉオフェオフェは興奮させるためにやるやつだからぁ、これでイかなくなってもそれがスタート地点? みたいなぁ」

 手で口を押えながらクスクス笑う中山。俺のベッドの上で女の子座りで、俺の情熱を喉を鳴らしながら飲んでいる。


 あれから一週間、中山は毎日俺の家に泊まり込んでいる。正確には弟の部屋だが。

 夜は遅くまで弟と合体し、朝には俺とお早うオフェオフェからの合体レベリングの日々だ。


「はぁはぁ……で、今の俺のレベルはどれくらいだ?」

「うーん、スライムは一撃で倒せるかなぁ? 的な感じ」

「因みに弟は?」

「魔王軍の四天王を倒せるパーティーの一員クラスかなぁ」

 まだまだダメってことね。


「そういえば最近ねぇ、近くにある公園の主と呼ばれる人とヤったんだぁ」

 唐突にとんでもないことを言い出した。その主って汚いホームレスのおっさんだろ。女が居ると人妻だろうが女児だろうが近寄る不審者で、何回捕まってんだって男だぞ。

 あと息が臭い。まあ俺の情熱のせいだろうが。

「……どういう経緯でそうなったんだ? あとレベルはどうだ」

「いやぁ公園のトイレでオナオナしてたらぁ、入ってきてそのままズッコンされちった。わはわは――レベルはスライムに一撃で殺されるね。ちっさいしくっさいしきったないしふにゃふにゃだし。やっぱ健康的な食生活と運動しないと武器は鈍るんだねぇ……でもエキエキは濃厚でおいしかったなぁ」

 

 こいつって中学まではこんな変態じゃ無かったはずなんだけどな……。


「でねでねぇそれで考えたのぉ」

「なんだ?」

「精神って大事って話だよぉ。もうね、失うものがない男のなりふり構わない腰振りは目を見張るものがあったんだよねぇ。そぉこぉでぇカズ君に最強のメンタルを授けようと思うよぉ」

 人差し指を立ててドヤ顔をしている。口にヒジキ付いてますよ。


「具体的には?」

「カズ君って未だに私以外の女の子とヤってないでしょ? それってやっぱりねメンタルの問題だと思うのぉ。だからとある女の人とヤってもらいます。それを乗り越えたらもう恐れる者は無くなるよ(心が壊れないといいけど……)」

 なんかボソッと言ったな。

「まったくぅ、私ですらもう四人経験しているのに……」

 四人? 弟、俺、主……あと誰だよ。


「明日の休みに行こうね♡」





「で、ここは誰の家なんだ? 令和のこの時代にこんなボロいアパートが存在するとはな……違法建築じゃないよな」

 朝早くに(久しぶりに情熱を出さずに)やってきたのはおんぼろアパートの一室だった。昭和の未亡人が管理人をやってそうな感じだ。


「ここはねぇ私のお姉ちゃんのお部屋ぁ。昨日から彼氏の家に泊まっているらしいからぁ借りたのぉ」

 ワンルームに通路側に窓ときったない台所、中央に丸いテーブル。昭和の受験生の部屋かここは?

 確かに昔チラッとこいつの姉を見たような気がする。あまり覚えてないけど。


「でねぇ早速だけどぉデリヘル呼んだからねぇ」

「マジかよ、よく呼べたな」

「うんウチのお母さんが働いてるからねぇ」

 知らんかった。あのくっそ美人なお母さんがねぇ。懐かしいな、中学の時に間違って彼女のトイレ中の中に入っちゃってな。そこで手でコキコキしてもらったんだよ。

「それでね……覚悟して聞いてほしいんだけど、カズ君のお母さんもそうなの」



「――は?」

 頭がフリーズした。

 いや待て、百歩譲ってそれは良いとしてなんでお前が知ってんねん。


「弟クンも知ってるよ」

「は?」

 マジで何なの? 俺だけハブんなよ。


「いやさ、二年前にカズ君のお母さんとお父さんは離婚したでしょ? その時に二人の学費とか諸々を稼ぐためにウチのお母さんに相談して働きだしたんだよ」

「まあそれでお前が知ったのは分かったが、弟は?

「デリヘルの練習相手に弟クンを使ったみたいだねぇ」

 なんなのあいつ? 母親とデリヘル練習相手になって、兄の幼馴染の処女を奪って童貞を卒業して。ふざけんなよ、いや悪いのはあいつじゃなくておまえらな。


「じゃ、ここに十万円置いとくからね? ああ、気にしないでね……けっこう稼いでるから。お母さんよりもね」

 そう言って彼女は出て行った。俺はテーブルに置かれた十万円を眺めながら息子を鬱状態で滾らせた。



「――カズくん……考え直して? やっぱり親子でおかしいよ」

 俺は一生忘れないだろうな。ドアを開けた瞬間の母さんの顔を。

 すっごい猫撫で声で「メルでーす」って名乗った時のウキウキっぷりからの落差は笑うしかない。そのお陰で俺の沈んだ心が澄んだ。てか源氏名が歳考えろよ、お前の本名はノリコだ。


 テーブルを挟み全裸で胡坐と腕を組み、覚悟の目を向ける俺。正座で俯くメル(ノリコ)。


 中山母は中山の上位互換。歳不相応の可愛らしい爆乳の女性だ。対して俺の母は長身で胸がデカくキリッとした美人だ。どう見ても二十代後半にしか見えない。

 着る服次第ではやり手のOL、もしくは社長秘書に見えるだろう。そんな女がノースリーブの露出の高い服にパンツ丸見えのスカート、痴女にしか見えない恰好で息子の前で項垂れている。


 どうやって来たのかとか思ったが、こういうのは送迎する役がいるらしいからな。


「弟で練習したらしいじゃん? 親子でな」

「うっ……ごめんなさい……」

「で? しかも最初の客が別れた親父だったって?」

「はい……お互い死ぬほどびっくりしました……でも面白かったのよ? 前まで毎日抱けた女を金を払って泣きながら抱くのが無様で」

「死ね」

 こいつ性格悪すぎだろ。


 いや、わかるよ? 浮気したのは親父だし、ムカついていたんだろうけど。

 てか親父もその時に断れよ、写真で別れた女に似た女を選ぶな、そしてそこまでして好きな容姿なら浮気スンナ。


「三万円だろ? ほら……咥えろよ」

 万札三枚を母の顔に投げ、俺は息子を正座する彼女の顔面すれすれで振る。


 何度かの葛藤の後にメル(ノリコ)は咥えた。

 百戦錬磨、元人妻で母、二年間のデリヘル嬢のテクは中山を子ども扱いするレベルのものだった。

 とはいえこの一週間のレベリングは無駄ではなく、俺は耐えた。


 咥えながら上目遣いするメル(ノリコ)を見下しながら、俺は命令した。

「勝負しようぜ母さん――いやメル。五分やるよ、それまでに俺をイかせたらお前の勝ち。耐えたら俺の勝ちだ」

「ふぁふぃふうふぉ(なにするの)?」

「お前が勝ったら俺はこの仕事に目をつむる(いったい何様なんだろうな俺……)し、弟や親父の件も許す。なんならこれからは俺が全面的に味方になってやるよ、何が起きてもお前側に立つ。俺が勝てばお前は俺の奴隷だ、俺の命令には絶対に従え」

 我ながら胸が痛い。でも、中山……お前はこんな俺を望んでるんだろ? 良いだろう、俺はくずでカスで、でも最強のヤリチンバイコーンになってやるよ。


 メル(ノリコ)は見たことない仕事人の目をし、頷いた。



 喉奥、先っぽ、裏筋、玉。あらゆる攻めをされた。

 だが、俺は耐えた。


「ふん……俺の勝ちだなメル。じゃあ奴隷記念に一発飲めよ」

「……はぁい♡」

 情熱は今までで一番出た。そして彼女はすべて飲み干した。


 しかし嫉妬心がムクムクだったが、本番無しのデリヘルならこんなもんだろうし問題ないか。


「カズくん、いやご主人様……裏オプはどうしますか?

「裏オプ?」

「あっ、いや何でもないです」

 話を逸らす。でも俺は見逃さなかったぞ、残った七万円を見ながら言ったのを。

 中山が十万円を置いて行ったのはそういうことか。


 なるほどね、七万円を上乗せしたら本番すると。


 ばっきーん!!!!!


「ひゃっ――か、カズくん? うそ……おっきいぃ……ごくっ」

 全長十二センチメートル、その息子が二センチ伸びた。ふっ、殻を破ったか。


 カズはレベルが上がった。

 最大サイズが伸びた。

 持久力が伸びた。

 臭いがキツくなった。

 最大液作製量が上がった。

 一回の情熱量が上昇した。

 カズはTITU打ちを習得した。


 メル(ノリコ)は腹を見せ開脚し、うっとりしている。


 メル(ノリコ)は仲間にしてほしそうにアソコを開いた。







「――カズ君、どうだった?」

「ああ、今なら最初のボスくらいなら一人で倒せるさ」

 床でどろっどろに汚れながら気絶し横たわるメル(ノリコ)を無視し、戻ってきた中山にサムズアップする。

 ぐぱぐぱとアワビが開閉し、情熱がドロッと出てくる。母を女にしか見えなくなったな。これから毎日楽しみだぜ。


「ぬっふっふ……次の敵は?」

「ああ、お前の母だ」

「あはっ♡ いいねぇ、協力しちゃうよぉ」


 ばっきーん。


「――わお♡」

「その前に、まだ休みは終わんないぜ……明日の休みを含めて一日と半日。お前ら二人をばっこんばっこんずっこんずっこんしまくるぜ」


 土日の二日間、俺は中山とメル(ノリコ)と合体しまくった。

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俺の周りは非処女しか居ねえ…… みつぎみき @mumusasa

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