第10話 拝謁の儀

 ついに迎えた拝謁の儀当日、俺はユーゴとともに馬車で真祖の宮殿に赴いた。

 高位の貴族から参内する決まりなので、貴族は貴族でもかろうじて領地をもらった俺のような身分の者は、車寄せに向かう貴族の馬車の待機列の後方で待ち時間を潰さなければいけない。

 うんざりすることに、毎年待ち時間だけで午前中が丸々潰れるほどなのだ。

 ユーゴと「あとどれくらいかかりますかねえ」「まだまだ先は長いと思うぞ」と話していると、突然馬車の扉がノックされた。

 そこにいたのはザロモだった。先頭集団で宮殿に入っているはずの彼が、従者を伴っているとはいえ、ますます痩せ衰えた身体でわざわざ後方の俺たちを捜しに来たらしい。

「ランシュタイナー殿の場合、馬車は魔術で動かしているのだろう? 放っておいても構わないなら、私と一緒に先に宮殿に入らないかね。時間の無駄は嫌いだろう」

 そう言われると確かに、無駄な時間をあえて過ごす必要はない。

 この場で唯一の人間だろうユーゴの事実上の後ろ盾もほしかったし、ザロモの提案に甘えさせてもらうことにして、俺たちは車道を歩いて宮殿へあがった。

「薬がちゃんと効いているようで何よりです」

 道中、俺がザロモの体調について言及すると、彼は弱々しくはあるが穏やかな笑みを返してくれた。

「ああ、さすがはランシュタイナー殿の作った薬だ。飢えてはいるが、おかげさまで暴走せずに済んでいるよ」

「手紙で経過はうかがっていましたが、あれから他に医者などには……」

「もう探し尽くしたというくらい探したし、そっちは潔く諦めたよ。相変わらず血はほとんど飲めていない。老いはどんな医者や薬にもどうしようもないものだな……だが、血を飲めずとも渇きに苦しまないでいられる自分を手に入れて初めて、ランシュタイナー殿の理想も悪くはないなと思えてきた」

 ザロモは皺と乾燥が以前会ったときよりひどくなった顔で、不思議と爽やかな、悪童じみた微笑みを浮かべた。

「といっても、私の領地における人間の取り扱いを変えるほどではないがね。私にとって人間はしょせん食糧だ。……拝謁の儀にまで人間を従者として連れてくるとは、正直驚いたよ。最低限自分の身は自分で守れるくらいにはしてやったかい?」

「偽装も含めて、俺にできることは全てやりました」

 即答した俺を、ザロモは嘲笑も侮蔑もせず、ただうなずいた。

「そうか、ならばいい。私は私、君は君だ。君がその人間を従者として適格だと判断し、そのように育てたのなら、能力は確かなのだろう。今日が今生の別れにならぬよう、なるべく彼をそばから離さないで過ごしたまえ。……真祖は君に注目(・・)しているのだからね」

「……はい、ご忠告痛み入ります」

(一応、今日俺が真祖に殺されないかどうか心配してくれてるみたいだな)

 手紙の中で、ザロモは俺たちを襲った襲撃者をついに発見できなかったことを謝っていた。場所が場所なので滅多なことは言えず、「注目」という表現を使ったようだが、俺が真祖に命を狙われていることをザロモも知っている。

 俺はその善意に少しでもお返しをしなくてはと思い、口を開く。

「ザロモ卿、念のためお伝えしておきますが、次回お送りする予定の抑制剤は俺の領主館の地下倉庫に準備してあります。俺に万が一のことがあっても、それを回収していただければザロモ卿まですぐ共倒れになるわけじゃありませんから、ご安心ください。まぁそんなことにはならないので、無用な心配ですが」

 もちろん自分の万一に備えてザロモのためにやったことではなく、当初の発送予定通り準備していただけだ。

 ただ、俺の命の心配をしているザロモにそれを伝えれば、少なくともひとつ彼の老いを加速させる心労を取り除けるのではと思った。

 ザロモは少し目を瞠り、それから目尻の笑い皺を濃くして苦笑した。今日の彼はよく笑う。

「君は本当に面白いことを言うな……。だが先の知れているこんな老いぼれよりも、自分の心配をしていなさい。君は私に抑制剤という希望をくれたが、だからといって私の行く末まで自分事のように抱え込む必要はない。仕事でもないのだし」

 そう宥めるように言われて、俺は何とも言えなくなった。

 正装で誤魔化してはいるが痩せ衰えた身体はほとんど骨と皮だけのように薄くなり、顔色は土気色、肌に水気もなく、唇はひび割れて笑みを浮かべる度に紫がかった血の気のない粘膜が見えてしまうような状態なのに、ザロモは俺がこれまで見たことがないほど穏やかで寛容な吸血鬼になっていた。

 裏を返せば、ザロモの変わりようは吸血欲求がいかに吸血鬼の人格に影響を及ぼしているかという証左でもある。

 少し後ろをついてきているユーゴも、どういう感情でザロモを眺めればいいのか分からないというように眉をひそめている。

 俺は肩をすくめ、「仕事ではないですけど、一度引き受けたことですしね」と返してこの話題を切り上げた。




 拝謁を賜る順番も高位の貴族からになるので、ザロモと従者は先に拝謁の間に行った。

 俺たち下級貴族は拝謁の間に続く巨大な扉が左右に開く時を待ちわびながら、控えの間に留まっている。

 人間の血はもちろん、酒も軽食も用意されており、これから真祖にお目に掛かるという緊張がなければみんな思い思いに飲み食いしていただろう。

 壁際に陣取った俺とユーゴの様子を、他の貴族たちがちらちらと盗み見ている。

 俺の魔術で対策済みのユーゴが人間だと気づいている者はおそらくいないし、こんな風に奇異の目で見られている原因は俺だろう。

 漏れ聞こえてくるひそひそ声に耳を澄ませば、「あの異端者、この前液体生物に後れを取って死にかけたらしいな」と嘲笑う声がする。

(表向きそういうことにしてあるとはいえめっちゃムカつくな……)

 俺は腕組みをして目を閉じ、半分寝ているふりをしながら心の中で舌を打った。「さすがに恥だと思ってちゃんと血を飲むようになるんじゃないか? どんなご高説も命には代えられないだろ」「液体生物に殺されかけるような命のね」と、おほほほほ、といかにも貴族っぽい嫌味な笑い声。

 拝謁の儀では控えの間に必然的にしょうもない貴族が集まることになるので、毎年こういう鬱陶しいやつらに煩わされる。

 でも今年の俺はひとりじゃない。

 隣のユーゴがどんどん目を据わらせて怒りのオーラを漲らせ始めたので、逆に冷静になった俺は「うん、怒るなよユーゴ、もうすぐ順番来るからな」と彼を宥める。こいつの爆発は予想がつかないからな……。


 しかしそれにしても、今日は時間がかかっている。

 俺だけでなく他の貴族たちも訝しみ出したころ、重厚な扉の向こうから何か妙な音が聞こえた気がした。

「……? 今何か……」

 その場の全員が誰からともなく扉に視線を向ける。

 次の瞬間だった。

 今度は明白な悲鳴が重なるように聞こえ、重たい破壊音までもが響いてきて、俺たちはぎょっとした。

「拝謁の間で異常事態だ!! 真祖をお守りしろ!!」

 と誰かが叫び、扉に近いところにいた貴族たちが慌てて総出で押し開けにかかる。

 錠も閂もかかっていない蝶番がぎぎぃと不吉な軋みを立てて、扉の向こう側がついに目の前に広がった。


「……!!」


 そこは血の海だった。

 部屋の中心、大理石の床にはすでに十数人の吸血鬼が息絶えて折り重なっており、まだ生きている吸血鬼たちは必死で脅威から逃れようと背をこすりつけるようにしながら壁に張り付いている。

 扉が開けられたことに気づくや、彼らは控えの間へと助けを求めて殺到してきた。現実が受け入れられず愕然としていた者たちと衝突し、数人が巻き添えとなって転倒する。

 絶叫と悲鳴が飛び交う。

 原則、吸血鬼は吸血鬼を殺すことはおろか攻撃もできない。罪を犯した吸血鬼の公開処刑などを娯楽として楽しむ者がいるくらいで、ほとんどの吸血鬼は同胞の他殺体を見る機会がないのだ。貴族らしい振る舞いなど完全に忘れて、みんなパニックになっていた。

 もつれる足でこの壁際まで逃げてきた貴族がサイドテーブルに手をついた拍子にまた転倒し、「ウェイド様っ」とユーゴが危うく巻き込まれかけた俺の肩を引き寄せる。

「ウェイド様、大丈夫ですか!?」

「……っあ、ああ」

 血相を変えたユーゴに顔を覗き込まれてやっと、俺は意識のコントロールをこの手に取り戻せた。

 貴族たちは控えの間から廊下に出る扉を叩き、「出して!!」「助けて!!」と喚いているが、なぜか扉が開かないようだ。魔術の心得がある者もありったけの魔術を試しているけれど、効果は出ていない。

 俺たちは拝謁の間と控えの間、限られた空間に閉じ込められた。

「いっ、いや、やめっ、いやあああああ!!!!」

 ぎゃあああ、と人垣の向こうからまた新たな悲鳴があがる。

 壁画の描かれた高い天井に向かって血しぶきが噴き上がるのが見え、俺はユーゴを見た。

 俺と同じく、死体と血だまりの中心に立っていた者が誰か知っているユーゴは、歯を食いしばってこくりと頷く。

 俺は魔術で自分とユーゴの身体を空中に浮かせ、パニック状態の人だかりを飛び越えて拝謁の間に着地した。


「――――ザロモ卿を止めて差し上げてください、真祖様!!」


 壇上の玉座に腰掛け、悠然と事態を眺めているだけの少女に叫ぶ。

(薬は確かに効いてた! 暴走の兆しすらなかったのに何で、こんな……!!)

 筋肉が異常に隆起した獣人のような姿に成り果て、鋭く伸びた爪からぼたぼたと血を滴らせているザロモ。

 その足元に倒れている死体の中にはあの従者もいた。

(真祖がザロモを無理矢理暴走させたとしか思えない。仮に新型抑制剤のことがバレてたんだとしても、何で俺じゃなくザロモに手を下した? 殺したがってたのは俺のはずだろ!? ……クソッ、長い付き合いの元側近だろうとお構いなしかよ……!!)

 真祖はきらめく金の目に何の感情も浮かべず、ゆっくりと肘置きに頬杖を突いて俺を睥睨した。

「お前、ウェイド・ランシュタイナーね。古なじみのザロモがこんなことになって、私も本当に残念よ」

「なら早く!! 暴走していない普通の吸血鬼は、あなたの許しを得なければ同胞を攻撃できなっ、……!」

 ザロモが動いたのが見え、俺は真祖への懇願よりそちらを優先した。腰を抜かせたところを我先に逃げだそうとした集団に踏みつけられ、よろよろと控えの間へ這っていこうとしていた吸血鬼を、ザロモが背後から急襲する。

 俺はとっさに防壁を展開してそれを阻んだ。恐怖に這いつくばっている吸血鬼の腕をユーゴが引っ張って、俺たちの後ろへ追いやる。

 返り血で真っ赤に染まった暴走ザロモの姿を正面から見る羽目になり、俺は思わず息が詰まった。

 真祖から自分とユーゴの身を守る想定はいくらでもしてきたが、ザロモがこんなことになるなんて想像もしていなかったのだ。

(……もう、これはザロモじゃない……)

 ザロモは獣のような唸り声をあげながら牙で爪で、獰猛に防壁を破壊しようとし続ける。苛烈な攻撃に防壁の表面に火花が散る。それでも俺は同じ吸血鬼のザロモを攻撃することはできない。

 ユーゴが俺を急かすように、

「ウェイド様っ」

「お前はまだ出るなっ!」

 確かに人間のユーゴならザロモに攻撃できる。だが、いま本当に怖いのはザロモではなく真祖だ。ザロモの対処にユーゴを当たらせるべきではない。

「真祖様、扉を!! 扉をお開けください!! どうしてこのようなことをなさるのですか!?」

「真祖様、今だけ同胞を殺す許可を!! ザロモ卿はもうダメです!! このままでは私たちは……!!」

 俺がザロモを釘付けにしている隙にと、吸血鬼たちが口々に命乞いをする。もちろん誰もこの事態を理解してはいない。何でも良いから助けてほしいと真祖に縋る彼らに、真祖は面倒くさそうに息をつく。

「仕方ないわね」


 真祖がすっと玉座から立ち上がると同時に、彼女の頭上に奇妙なものが出現した。

 彼女を空から守るようにかかる金色のアーチ。

 まるで虹のような形の……。

(……そういやユーゴが言ってた、『都にかかる虹』って……)


 無意識に身を乗り出してその謎の機構を観察しようとした俺を、ユーゴが素早く抱きかかえて庇う。

 ユーゴの身体で遮られたおかげで、俺はあの黄金のアーチが放った強烈な光の影響を免れたが、何の用意もなく、前列で光を見てしまった吸血鬼たちは苦悶の声を上げ、その場に次々と膝をついていく。

(……あれも光刃と同じ仕組みか!)

 だが、光刃とはまるで威力が違う。

 俺は光刃を防ぐことを想定した準備をしてきたのであって、どう考えてもそれでは「虹」の対策には不十分だ。俺が光刃については対策済みだと分かっていながら、それでもとっさに庇ってくれたユーゴがいなければ、光刃を遙かに上回る「虹」の攻撃をもろに食らっていただろう。

 肉が焼け焦げる嫌な臭いとともに、真っ黒になった固まりがどしゃっと大理石の床に倒れたのが、ユーゴの腕越しに見えた。

(……ザロモ卿……)

 暴走したザロモは真祖の操るあの装置の、日光の力で焼き殺されたのだ。さんざん犠牲者が出るまで余興のように見物された上で。


 真祖の「虹」を目の当たりにした吸血鬼たちは、気を呑まれて石のように固まっていた。

 暴走したザロモとはまた種類の違う恐怖に晒され、さっきのように真祖に食ってかかろうとする者はひとりもいない。

「お前たち、よく聞きなさい」

 真祖は臣民たちの顔を見渡して厳かに呼びかける。

「このアーノルド・ザロモは、しばらく前から密かに服薬によって吸血欲求を抑えていたの。それによって血を飲まなくても暴走を防げると考えていたようだけど、その結果がこれよ。自分の愚かさの代償を同胞の血で支払い、私の手までわずらわせた。ザロモの死を教訓にしなさい、お前たち。人間の血を糧とすることこそ吸血鬼の正しい在り方! そこなる異端者のように従者にするほど人間に肩入れし、その本分にもとる者には私が裁きを下す!」

 真祖の指が俺を指し、吸血鬼たちの熱に浮かされたような目が一斉にこちらに向く。

 まずい。

 新型の存在はザロモと俺との間の秘密でも、俺が吸血欲求の抑制剤の発明者だということは広く知られてしまっている。俺が吸血鬼の暴走を助長しているという真祖の主張を、こいつらは信じるだろう。

 加えてさっき「虹」から俺を庇ったことで、ユーゴの正体が人間だということも真祖に見抜かれてしまった。

 次に真祖が何を言い出すかなんて知れたことだ。

 俺はさっと視線を走らせ、この場にグレゴリウスの姿が見えないのを確認する。

「ユーゴ」

 低く呼びかけると、ユーゴはちゃんと意図を汲んだようで「はい」と緊迫した返事が返ってくる。

「お前たち、もっと、もっと人間の血を求めなさい! 同胞を増やし、渇きを満たす吸血鬼の欲望に枷など必要ない! 人間を殺した者は褒めてあげる! そして真祖の名のもとに、今ここでお前たちに許可を与えましょう! ――――異端者ウェイド・ランシュタイナーを、殺せ!!」

 真祖は俺を睨み付け、狂ったように笑い出した。

 強烈なチャームをまとった真祖の号令を受け、吸血鬼たちが吼えて応えた。広間が怒号に揺れたとき、俺はユーゴを連れて躊躇なく撤退を決めた。


 ふたりでバルコニーに飛び出し、そのまま俺の魔術で空を飛ぶ。

 本当なら領民が人間ばかりの自分の領地に避難したいし、領主を失ったザロモ領にも事態を報せてやりたいところだが、今はとうてい不可能だ。

「このまま逃がしてくれるわけねーよな! まず薔薇星室が追ってくる……!」

「日が暮れるまでに行けるところまで行きましょう!」」



「……グレゴリウス」

 ウェイドを殺すために貴族たちが駆け去って行ったあと、誰も居なくなった拝謁の間で、真祖は先ほどまでの狂乱が嘘のように甘い声で呼んだ。

 陰に控えていたグレゴリウスが姿を現すと、彼女はその腕を引き寄せ、頬ずりをする。

「ねえ私、余計なことをした? 私の血に酔って夢を見ているお前を見ていたら、やっぱりお前にあの子を殺させないほうがいいような気がしたのよ。もし自分の手であの子を殺したら、お前の魂が壊れてしまいそうで……ねえ、違う?」

「……いいえ。その通りです」

 真祖の血とチャームに侵されながらも、グレゴリウスは静かに認めた。

 真祖がグレゴリウスの頬に手を添えて微笑む。

「吸血鬼を変えるというあの子の夢は、これで潰してやった。だから次はお前に選ばせてあげる。放っておいてもいずれ同胞に殺される運命でしょうけど、待ちきれないなら私が『虹』で焼いてあげてもいいし、やっぱり自分が殺してやりたいと言うのならそれでもいいわよ。可哀想なグレゴリウス……寂しいけど、壊れたお前はきっといっそう美しいはずだもの」

「…………」

「それとも、あの子が死ぬのは嫌? くだらない人間の男を愛していても?」

 グレゴリウスの霞がかった脳裏に、人間の従者に庇われてもまるで当然のことのように抱きかかえられていたウェイドの姿がよみがえる。

 途端にグレゴリウスの胸を焼いたのは、猛烈な怒りと嫉妬、そして破滅願望だった。

(……吸血鬼はどうせ人間を食い尽くし、滅びる運命だ。ウェイドの心が手に入らないのなら……)

 夢の中でグレゴリウスは何度も彼を殺し、永遠に自分のものにした。その感触が生々しくこの手に残っている。あの夢をなぞることになるのなら、グレゴリウスは息絶えたウェイドを前にして、あらゆる苦痛と後悔と引き換えに深い安堵を得るだろう。もう彼はどこにも行かず、誤った理想に傾倒せず、自分以外の誰かのものにもならないのだと。

「…………殺したい」

 実際に口にしてみると、その願望は想像以上に現実味を帯びてグレゴリウス自身の耳に届いた。

 手に入らないならともに滅びたいと言うグレゴリウスに、真祖は「血をあげすぎたかしら?」と首を傾げ、くすくすと鈴を転がすような声で笑う。

「もう壊れちゃってるのね、グレゴリウス。それなら好きにしなさい。私の思った通り、今のお前はとっても綺麗だわ……」

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