揶揄う烏

小学生から中学生の約9年間で、おおよそ7回ほどイジメというものにあっている。

特段何かをしでかした覚えはないが、なにぶん思ったことをはっきりと言う質であるから、そのどれかが反感を買ったのだろうか。いや、何度目かは忘れたが、担任が言うにはイジメの理由は私の顔と体型らしいから、もうどうしようもないのかもしれない。

当の本人は特に何も迷惑に思っておらず、暇人だなぁと達観していたのだが、周りにいる大人達が嫌に騒ぎ立てるものだから、渋々やられたことを言えばもっと大事になる。普段は殴る蹴るをしてくる親もここぞとばかりに学校まで乗り込み、相手の親まで呼び出してやいやいと言っている。五月蝿いなぁと思って一度言ったら、まるで漫画のように吹き飛ばされたので、それから親に全て任せることにしている。


実際にされたことと言えば、ものを隠されたり捨てられたり、或いは陰口を叩かれたり、または「触れたらダメよゲーム」などと言う最早イジメなのかも分からぬネーミングのゲームの標的となったりもした。流石に階段から突き落とされた時は死を覚悟したが、何分死にたがりな質だから、特に報告することも無く挫いた足を引き摺って家に帰った。どうやら靭帯を数本切っていたようで、暫く足を動かすことが出来なくて苦労した覚えがある。


こんなことをしてくる割には、いざ殴り合いとなれば直ぐに担任を呼び出して来るのであるから、何がしたいのかよく分からなかった。

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