下らぬ話

ずっと親からそう言われて育って来たからきっとそうなのだろうが、私はクズというやつらしい。

理由を聞けば、やれ優しさがない、やれ片付けが下手、やれ体型がだらしない、などと言われた。私が思うにクズと言うのは内面の問題だから、少なくとも三つ目などは何の関係もないだろうと思うのだが、そう言い返すと「そういう所だ」と言い返されてしまった。成程合点、そういった言動を控えてみれば、今度は無愛想だと言ってきたから、お前ほどでは無いとつい言い返してしまい、「親に向かってお前とは何事か」と殴られ続ける始末である。

実際人を思い遣るなどというのは性にあわないから、ちゃんとしたクズではあるのであろうが、何分そのクズを育て上げたのは紛れもない親なのであるから、やはり蛙の子は蛙ということなのだろう。


そういえば、世間体だけは気にする質だから、外では副会長やら副代表やらチームリーダーやら、何かにつけて人の上に立つ機会が多かった。私はそこまで普通にも思わずやっていたのだが、家ではそんな素振りを見せないから、ずっと「内申点稼ぎの偽善だ」と言われ続けた。半分ほどはその通りだから言い返すことも出来ぬが、そういうお前は一切人の上に立たぬ中卒では無いかと思って親を見れば、口には出さぬとも伝わる親子の以心伝心が無駄なタイミングで発動し、なんだその目は、と殴られた。別にと答えればその回答は気に食わないという理由でまた殴られたから、やはり以心伝心などではなく、ただのストレス発散だったのだろう。

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