第3話 車の話

さて、出発します。


僕のチームは、いきなり離脱して反対方向へ。

未着の参加者の一人を回収に行きます。


他のチームは、揃って出発。

赤信号で、ある程度バラけるであろうが、

当分は、大編隊、コンボイ状態で進むのであろう。

何だかワクワク、楽しそう。


そう、この時代を語るなら、車の話は避けて通れまい。


まず、今では当たり前の、SUVやミニバンが存在した記憶がない。

ワンボックスも業務用のみか。

4ドアセダンや2ドアクーペが主流で、

荷物を積んでレジャーに出かける発想が薄い。

唯一言えるのは、5ドアステーションワゴンが出始めた頃か。

レガシーとかシビックシャトルとか。


バブルの代名詞で、

「六本木カローラ=サーブ」なんてことも言われましたが、

やはり学生の身分では、外車や高級車というわけにはならず、

カローラⅡとか、トレノ、レビン、シビック、マーチ、

あたりが多かった気がする。

本人所有と、親とか家族所有、が半々ぐらいだったかな。

さすがの店長は、

確かポンティアックのファイアーバードなんて、

でかいアメ車に乗っていたが、

あんなフロントノーズが長い車は、

日本の市街地では怖くて乗れないなぁと思った次第。


軽自動車は、

まだ660ccにアップする前の、か弱いエンジン規格で、

キビキビ走らない、無理に走らせると燃費が悪い、などあり、

車格もプアーなものしかなかった記憶。

乗っているとちょっと恥ずかしい車でした。

車は「ステイタスシンボル」でしたから。

軽が今のような市民権が得られるとは、想像できなかったね。


僕の活動エリアが、都市部ではなく、

公共交通機関が乏しい地方だったこともあって、

大学生になると皆、運転免許を取得していた。

当時は、大学も広い敷地を求め、市街から郊外へ進出する流れで、

現実、車がないとたいへん不便であった。

ガソリン代は、レギュラーで、リッターあたり79円とかの記憶。

消費税もまだありませんでした。


車内の娯楽設備は、カーオーディオ。

ワンセグテレビ、DVD、カーナビ、WiFi、当然ありません。

流石にハチトラは、すでに過去のもので、

ラジオとカセットテープです。

CDが一般的になり始めたところだが、

うちの車にはなかった。

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