第2話

2


 ダンジョンは初心者用ダンジョンを除いて5段階に別れていて「低級、中級、上級、超級、極級」の5つだ。そして今の俺が入れるのは無理をしても低級のボスが倒せるかどうかくらいだ。

 ちなみに十帝は超級くらいなら余裕で1人で突破している。まさに化け物だ。


 そんな低級ダンジョンの中で今俺が向かっているのは【死の洞穴】と呼ばれるダンジョンだ。

 名前は結構いかついが難易度はそこまで高くない洞窟型のダンジョンとなっている。名前の由来はまだダンジョンが生まれたばかりの頃に人々がこのダンジョンでやられまくったことから来ているらしいけどよく分からない。


 ここは洞窟型のダンジョンだけど他にも森林型や都市型、遺跡型など様々種類があってダンジョンの外見で中を判断することは出来ない。要はダンジョンの中は一種の異世界のようなものになっているということだ。


 さて、そんなこんなで目的地に着いた俺はそこそこ人がいるダンジョンの入口へと向かった。入口にある機械にギルドカードを触れさせることでダンジョンに入れるようになった俺は早速中に入ることにした。


 中に入るとそこにはそこそこ広い洞窟かま奥まで続いている。このダンジョンは全部で5階層に分かれていて、1、2階層はスライムやゴブリン、3、4階層はゴブリン亜種やコボルト、そして5階層はボスのホブゴブリンがいるという感じだ。

 そして俺は今日は1、2階層を回るつもりだ。このくらいなら今の俺でも安全に倒すことが出来る。3階層のゴブリン亜種は集団できたりするから今の俺じゃソロだと無理だからだ。



 奥へ進むと目の前にゴブリンが現れてきた。学校を卒業して初めての実戦となるが正直ゴブリン相手には負けないので持っている鉄のロングソードで一刀両断した。


 その後もゴブリンやスライムを倒しているうちにレベルも3まで上がって魔法剣士のランクも3になった。


 そして数十体目のゴブリンを倒すとついに目的のひとつだったドロップ品を手に入れられた。

 これは【血の短剣ブラッティハンター】と呼ばれる短剣でゴブリンのレアドロップだ。この剣できりつけた相手の体力を吸って自身の体力を少し回復すると言うものだ。名前の割に効果はショボイが現状回数制限のあるポーションでしか回復できない俺にとっては結構助かる。

 使わなくなっても売れば金になるのでもっとドロップしてもらって構わない。



 その後もひたすら倒した俺は最終的にレベルは5まで上がった。魔法剣士のランクは3だがまあいい。それにスライムジェルが3つと短剣も1本ドロップしたのでギルドへ戻って換金するつもりだ。


 ここは低級ということもあり取れるものもしょぼい&すみずみまで探索されたため1度しか開けられないタイプの宝箱は全て開けられたこともあり買取所がないのだ。



 ギルドへと戻った俺は受付の人にダンジョンでドロップしたものの買取をお願いした。

 少し待つと受付の人が戻ってきて合計で5000円を受け取った。配分はスライムジェルが1個1000円、短剣が2000円だ。


 買取を終えた俺はギルドに併設されているフードコートへと向かった。お腹がすいたしね。


 その後ご飯を食べた俺はギルドの隣にある武器防具屋へ向かうことにした。

 買うつもりはないけどこういうのを眺めているとモチベにも繋がるし何より見てて楽しいからね。


 中へ入ると1番目立つところに男心をくすぐる大鎌が置かれている。

 これはよく出てくる【死神の大鎌デスサイズ】であり効果は自身より格下の者を即死させるというその名と値段に恥じない効果がある。ちなみに値段は2億円だ。


 その後もいろいろなものを眺めていると横から


「あれ?忠時君だよね?」


 と声をかけられた。

 声をかけられた方にむくとそこには探索者養成学校の時に同じクラスだった絹井真理きぬいまりがいた。


「あ、絹井さん。どうしてこんなところに?」


 と聞いた俺だがよく考えたらここは武器防具屋だ。用があって来て、たまたま俺がいたから声をかけただけだろう。


「あ、違う。どうしたの?」


「あ、君を見つけたから声をかけただけだよ。」


 だよね。


「そういえば絹井さんはなんのクラスについてるの?」


「私は今は祈祷師についてるよ。」


 祈祷師は基本職の魔法使いと僧侶につくことでなれるクラスだ。だがそれを聞いたことで俺はひとつ思った。

 もしかして回復魔法使えるのでは?と。


「なら絹井さんってもしかして回復魔法使えたりする?」


「一応使えるよ。ただまだ基礎神聖魔法だからヒールだけだけどね。」


 なんと!回復魔法が使えるのはいいな。これならダメ元でパーティーを組んでくれるか頼んでみようかな。


「なら良ければでいいんだけどパーティーを組んで欲しいんだ。」


「パーティーか。もちろんいいよ!私もひとりじゃ心細いし何より知り合いと組めるならそっちの方がいいしね。」


 よっしゃー!


「良かった!俺だけだと回復はポーションだよりだったからどうしようか困ってたんだよ。」


「でもヒールは効果がそこまで高くないならポーションは持ってた方がいいよ!それに私の魔力がなくなったらどうしようもないしね。」


「確かにそうだ。でも回復魔法があるだけで助かるよ!」


「一応回復魔法以外にもバフもできるよ。でも戦う力はそんなにないけど…」


「そでもいいよ!なら早速明日から行こう。」


 そう言って俺は絹井さんに携帯を見せた。画面には会話アプリのQRコードが映っていてこれを読み取ることで友達となることが出来るのだ。


「よし。読み込んだよ!なら明日からよろしくね!」


「うん。こっちこそよろしく!」


 新しく仲間ができた俺はそう言って2人で武器防具屋の外に出て別れた。


 ――――――――――――――――――――


 絹井さんのステータスです。

 

 「絹井真理 Lv.3


 クラス 祈祷師★2


 スキル 生活魔法、基礎神聖魔法、基礎魔法」


 良ければ評価お願いします。

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