第46話
二人が付き合って一年の記念日には二人で休みを合わせて三連休に遠出した。
おそろいのカチューシャを付けてテーマパークを回った。
「カチューシャ付けるとかすごい若くなった気分。中学生から来たことないから新しいエリアがすっごい増えてる、どうしよう全部乗りたい、蓮絶叫系いける?」
「残念ながら乗ったことないのでいけるかどうかすら分かりません。小さい頃乗ろうとしたんだけど両親とも乗らないから乗りたいなら一人で行ってきなっていわれてさ、それ言われちゃうと怖くて乗れなくて。だからこれが初めて」
「やったやった蓮の初めてゲットした、じゃあ一緒に乗ってみようよ、楽しいかもよ」
そう言って列に並んだが段々と蓮が怖がりだして美月に後ろから押されてなんとかアトラクションに乗った。
乗ってみれば楽しみだしたのは蓮の方で、美月は怖い怖いとさっきまでの勢いはどうしたのかと思うくらいに叫んで震えていた。
それがまたかわいくて二人で手をつないだし、またその姿が見たくなって他の絶叫アトラクションに誘っては断られるを繰り返した。
夜になってパレードの明かりを見ながら美月がまだ帰りたくないな、と聞こえるか聞こえないかギリギリの声で言った。
「帰りたくないよね、僕もまだ帰りたくない。……っていうことでホテルと明日の入場券も用意してありますけど美月どうする?」
その言葉を聞いて美月の目がパレードの鮮やかな装飾よりも輝いたのが見えた。
「え、待って待ってほんと? 今日泊まれるし明日も来られるの? 今日乗れなかったやつ明日乗れるの?」
「もちろん、今日楽しかったやつにもう一度チャレンジって言うのもありだよ。美月毎日仕事頑張ってて遊び足りないかなと思って用意させて頂きました」
「蓮大好き、嬉しい大好き、やった泊まりも楽しみ、寝れなかったらどうしよう」
「遠足前日の小学生みたいなこと言うね、でも僕も楽しみ。閉園時間になったら行こうか、すぐ近くだから明日も開園時間よりちょっと早く来られるよ」
二人ははしゃぎながらその日を終えて、二人で楽しかったところを語り合って夜も殆ど眠らないまま次の日も遊び倒した。
さすがに寝ないでの二日間は二十を超えた大人の体にはこたえたようで美月も蓮も帰りの電車では乗り過ごすギリギリまで爆睡した。
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