第25話
「あのさ、先輩のこと悪く言う気は一切ないからそのつもりで聞いてほしいんだけど、スマホおいたまま席立ったとかってあった?」
「あったよ、飲み物取ってきてほしいって言われてコーヒー入れてた間とかお手洗い行ってたときとか、あと寝るのも大体私の方が早くて起きるのも起こされてようやく起きるような感じ」
その言葉にまた一瞬二人きりの生活を聞かされたことで目眩がしたがそれよりも今はこっちの話の方が大事だった。
「……でなんだけどさ、二人ともお互いのスマホのパスコードとかって知ってる?」
「二人で記念日の日付四桁にしてる。付き合った日から変えてないし多分先輩今も知ってるよ。……え、てことはまさか」
「悪いんだけどそのまさかを今疑ってる。ーー先輩が美月のスマホから全員分ブロックしたんじゃないかって」
「まさか先輩がそんなこと、だってすごく大事にしてもらってるし記念日も絶対にお祝いしてくれるし、これまでの恋愛とは全然違うってくらい愛されてるの実感してて、だからそんなこと先輩がするはずないと思うんだけど」
「悪く言うつもりは一切ないよ、でももしかしたら大切だからこその行動かもしれない。美月に浮気されたり他の男見られたりすることに嫉妬してるって事はない?」
「……実は先輩に付き合い始めた日に蓮のこと、趣味も合うしよく一緒に帰ってるって言ったらそのあとしばらく機嫌悪くなったことはあった。話さなくなって歩くのもおいて行かれるくらい速くなって。それも大事にしてもらえてるんだと思って嬉しかったんだけど、もしかして先輩私と連絡してる男子にに嫉妬してるって事なのかな」
「正直その可能性はあると思う。もしそれで美月が幸せならいいんだ、ただ僕からしても美月は本当に大事な友達だからできれば連絡は今まで通り取ってたい」
「私も蓮とは連絡取ってたい、すごくお世話になってるし大切なメンバーで友達だし。……ちょっと先輩に電話してみる」
そう言って楽器をおいた美月は携帯を持って部室を出て走って行った。
部室の窓から外に出て通話しているであろう美月の姿が見えた。
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