二度目の失恋

第12話

やっと仲良くなれた、やっと彼女に近づけた。そう思っていたときに蓮に二度目の失恋が訪れた。


自分が弱みにつけ込まなかったというだけで、周りの男達はそんなこと気にも留めていなかった。案の定弱みにつけ込まれた美月は同じ教育学部の男子に捕まった。


「蓮、私彼氏できたんだ、全部蓮が相談乗ってくれたおかげ! 前向きになってみてよかった、本当にありがとう」


そのメッセージで心が凍った。ただそれを直に聞かされる距離感だったことが唯一の救いでもあり、残酷な救いでもあった。


「そっか、おめでとう。よかったね、やっぱり周り見てみればいるもんだよね」


そんなメッセージを返している自分のことがいっそ憎たらしかった。そしてそれに「蓮もすごいいい人だからすぐに彼女できるよ、目の前にいたりするかも」と帰ってきたことが更に蓮の心をえぐった。実際目の前にいる、でもその目の前にいる人はもう違う人のものだ。




蓮は二度目の失恋を経験した。


その頃もう蓮の目には他の女子は映っていなかった。もう美月に惚れ込んでいた。その優しさに、趣味のあうことに、純粋さに、美月のことが以前よりもっと好きになっていた。それでもその想いは届かなかった。


なんとか、せめて一番の男友達になって次のチャンスを待ちたい。いや、美月がそれで幸せなら僕の出番なんてないんじゃないのか。そんな考えがぐるぐる回った。


それでもせめて一番の友人ではいたい。それくらいに美月のことが好きだった。

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