さようなら、 私の青い惑星。

さようなら、 私の青い惑星。

地球の大人たち、

今までご迷惑をおかけしました。

今日、私はこの惑星と別れ、

遥か遠い宇宙の彼方の故郷へ帰るつもりです。

地球の大人たち、

どうか引き止めないでください。

叫ばなくても大丈夫です。

どうせ、何の音も聞こえませんから。

宇宙の真空が最初に奪うのは、音の命。

か弱い私の命だけが、最後の音を出しています。

その音が聞こえないのは、むしろあなたたちです。

地球の大人たち、

人生の教訓なんて結構です。

人生の意味に関する退屈な説教もお断りします。

どうせ、どんな言葉も理解できませんから。

体感として、この隔たりは138億光年、あるいはそれ以上かもしれません。

観測可能な宇宙の彼方に、私たちの間にある視点の違いがあります。

その事実を理解できないのは、むしろあなたたちです。

地球の大人たち、

これでお別れです。

宇宙的な視点から見ると奇跡のような、私の地球適応任務。

今、この瞬間をもって、この任務を終えます。

みなさん、お疲れ様でした。

そして、

さようなら。