第5話

sideエル




エルはひゅーの腕の中、ほすに乗り城に向けて野を駆けていた。ひゅーの馬の名前は『ほす』というらしい。馬の脚力で景色は飛ぶように過ぎ去っていく。

遠くに連なる山々と、広く広がる野原。その野原の中、草が生えずに土が剥き出しになっているのは人々や馬が通るためにできた道だ。

エルフの国やその周辺の森の中しか知らないエルは、目の前に広がる光景は全てが新鮮に映る。ひゅーの村へ行くまでの道中も見慣れぬものばかりだった。

本の中に記されてしかいなかったものが、今、目の前に広がっている。

過ぎ去る風の匂いを嗅いで、エルの心は浮き上がる。しかしすぐに、少し沈んだ。

ダークエルフになったというエルフ。ひゅーから話を聞いたときは本当に驚いた。



エルフが闇に堕ちた時、エルフはダークエルフになってしまう。

エルも実際に見たことはなく、書物での知識しかない。エルフは心の変化が強く体に出る。悲しく辛いことがあると動けないほどにぐったりと体から力が抜けてしまう。その心の変化の中でも特に、強い怒りや殺意を抱くと、エルフは闇に堕ちてしまうと言われている。

エルフはいつも穏やかだった。そう心がけていたからだ。心の変化が体に出やすいエルフはいつも穏やかであるよう努める。怒りや殺意を抱いてしまえば闇に堕ちてしまう。エルも含めてエルフは皆ダークエルフになることを恐れている。

ダークエルフになってしまうと、仲間であるエルフ達とは共にいられなくなってしまうそうだ。エルフとダークエルフはお互いの体に干渉し合い、お互いが命の危険にさらされるらしい。エルを含むエルフの国のエルフ達は、ダークエルフについて書物での知識しかないが、皆心に深く刻み、ダークエルフになることを恐れている。

ダークエルフになったのは誰なのか、エルは何度もひゅーに問うた。ひゅーは中々口を開かず、エルの手を握って苦しそうに吐き出した。

「こども…ちいさい、」

どうしてひゅーがこんなに苦しそうなのだろうか。しかしその時のエルは誰なのかを聞き出すのに必死でひゅーを思いやれなかった。

「目、何色?目の色、いろ、目、いろ」

何度もエルフの言葉で効いてしまい、慌てて『いろ』と言い直す。瞳を指差すことでひゅぅには伝わったらしい。ひゅーは少し困った顔で辺りを見渡してから、エルの手の中を見た。そこにはひゅーが買ってきてくれた花の蜜が入っている。

「  、 …は みつ、いろ」

最初は何を言っているのかわからなかったが、花の蜜の色だと言っているようだった。花の蜜の色の瞳の子供のエルフは、一人しかいない。自分の足から血が抜けたのかと思う程、全身が足に向かって一気に冷えた。

エルフの国には、まだ幼いルフと言う少年のエルフがいた。幼いとはいえ、もう50年の時を生きている。ちょうどエルの半分の年だ。王子に選ばれたエルを慕ってくれていた。

『俺をエル様の右腕にしてよ。俺、役に立つよ』

元気で遠慮がなく、他のエルフに比べて年の近いルフとはとても仲良く過ごしていた。気のおけない大切な友達だ。

どうしてダークエルフに、闇に堕てしまったのだろう。ルフに一体、何があったのか。

(ルフに、会いたい)

エルフとダークエルフは一緒にいられないという。体に対する干渉が何なのかわからないが、エルはルフに会いたかった。エルはひゅーに城に行きたいと頼み込んだ。難色を示すひゅーに一人で行くと言ったが、ひゅーは怒ってしまった。共に行くと言うひゅーに、ひゅーの身の危険を案じてエルは城に行くことを諦めた。

ダークエルフは風の力を失う。そのかわりに、また別の特殊な力を得るらしい。それがどんなものかわからない。しかし、ひゅーに危険が及ぶものであったらいけない。

ひゅーは、どうしてかわからないが、エルの身の回りの世話をしてくれる。丁寧にエルを気遣ってくれる。エルフの国に連れて行ってくれると言っていた。

エルはひゅーを信頼している。

どうしてエルフの国を襲ったのかは聞けないままだが、ひゅーを危険にさらす真似はしたくない。

「ルフ…ごめんね、会いに、行けなくて…」

ルフはエルの大切な仲間だ。国王として、守るべき大切な国民の一人だ。そんな彼をエルは守れなかった。今も会いたくて仕方がないのに会いに行くことができない。会いに行く手立てもなく場所も行き方もわからない。

ルフは城にいるという。闇に堕ちてしまうほどの何かがあった。見知らぬ土地で、見知らぬ場所で、どれほど不安だっただろう。

エルは手の中の蜂蜜に目を落とした。そういえば、花の蜜の礼を言っていない。

「花の、蜜、あり、がと」

城に行きたいと、わがままを言ってしまった。空気を変えるためにもエルは笑ってひゅーにお礼を言った。うまく笑えなかった。エルは笑顔を作ろうと必死だったが、涙は溢れて止まらなかった。

ひゅーは花の蜜を買ってきてくれた。今までも、水も食べ物も与えてくれてエルの面倒をみてくれている。ひゅーは良い人間だ。やはり人間は良い生き物なのだ。そんな彼にわがままを言ってしまうなんて、エルの行為は良いことではない。そう考えたいのに、エルの頭の中にはルフの笑顔でいっぱいになった。

果樹園の主は首をはねられ、王は切り捨てられた。なぜこんな仕打ちを受けるのだろう。どうして人間はエルフの国を襲ったのだろう。

エルはきつくひゅーに抱きしめられた。驚いていると、ひゅーはすぐに口を開いた。

「えぅ、 かった。 こう。いく。しろ、いく。えぅは、 が、  」

途切れ途切れだが、わかった部分を掬ってみると『しろにいく』と言っていたようだ。エルは首を横に振ってひゅーに答える。

「…ひゅー、あぶない。しろ、いく、だめ」

「いく。えぅ、まもる」

どんな心変わりなのか。ひゅーの意見は先程とは真逆になった。

「おしろ、ダークエルフ、あう。  ったら…おわる、あと。えぅ、えるふ、の、くに、いく。ひとり。   、  、いく、ほうほう、おしえる」

エルは急に不安になった。

ひゅーはいつも落ち着いた人間だ。しかし今は、いつも以上に落ち着いている。冷たく言われてたわけではなく、突き放されたわけでもない。しかし、エルの胸はざわついた。この違和感はなんだろうか。何か、覚悟を決めてしまったかのような。

ひゅーの急な心境の変化は何なのか。

そしてエルは、一人でエルフの国へ戻るのも怖かった。連れて行ってくれると言ったひゅーは一緒に来てくれるのだと思っていた。エルフの国へ行く道も場所もわからない。

一度、この村に来る途中に魔物に襲われたことがある。エルに手を伸ばすオークから、ひゅぅはほすを駆けて逃げた。オークの狙いはエルだった。エルを捨てて逃げたらいいのに、ひゅーはそうしなかった。やはりひゅーは良い人間だ。そしてオークから上手く逃れたひゅーとほすは強く逞しかった。エルは安心して、ひゅーの傍にいようと思った。これだけ強く逞しいひゅーはきっと簡単には傷つかない。エルの前から突然いなくなることはない。もう目の前で誰かを失うのは怖い。

そのひゅーが、エルフの国には共に行ってくれない。国に帰る時は共にいてくれるのだと思っていた。彼といれば大丈夫なのだと思い込んでいた。

様々な不安に胸が潰れそうなエルの頭をひゅーが撫でた。

「しろ、いく、   …じゅんび、する」

迷ったが、やはりルフに会いたいエルはひゅーに頷いたのだった。




それから何日か日数が過ぎた。城に着くまでほすを走らせて七日かかるのだという。その間の食料と水と、旅に必要な諸々を整えながらエルはひゅーとの日々を過ごした。

あまり口数の多くないひゅーだが喋らないわけではない。エルが話しかけることばかりだったが、洞窟にいた頃からは比べ物にならないくらいひゅーとの関係は良くなったと思っている。村を出て四日が経った。森を抜けた先に城があるらしい。明日には城が見えてくるそうだ。

「おしろ、とおいね」

「そうだな…ほすがいなければ、行けないな」

「ほすのおかげだね。ありがとう、ほす。つかれた?おやすみ、する?」

「…やっぱり、馬とはなせるのか?」

「うぅん。おはなし、できない。でもね、こえをかけたら、きもち、わかるかなって」

「そうか……そうか?」

「そうだよ。おはなしするの、だいじなんだよ?」

エルとひゅーはお互いに分かる言葉が増々増えた。会話は以前よりも滑らかに進むようになった。

「日がおち   。…もうすぐ、くらくなる。ほすに乗って、まっててくれ。前と、おなじだ」

エルはひゅーに頷いた。離れた場所に、ひゅーのいた騎士団の宿営地がある。宿営地に他に人がいないか、危険はないか。ひゅーが調べてから体を休める。

数日前に立ち寄った宿営地でも同じことをした。エルはほすに乗り、離れたところでひゅーを待つ。ひゅーの口笛の合図があったら、ほすを走らせてその場から逃げろと言われていた。エルが緊張に体を強張らせていると、ひゅーはすぐに戻ってきてくれた。ひゅーの姿に安堵するエルだったが、ひゅーの表情は複雑だった。何か訝しむような顔だ。エルが問うと、宿営地に誰もいないのだと言っていた。普段なら見張りの人間が一人はいるらしい。見張りがいれば騒ぎを起こさないためにも野宿をするつもりだと言われていたエルは、誰もいないと聞いてほっとした。ひゅーの表情は暗いままだった。

この日もひゅーはすぐに戻ってきた。ひゅーもほすに乗り、ほすが歩き出す。

「やはりここも、人がいなかった」

「そんなに、ふしぎなの?」

「あぁ。一人はかならず、みはりがいるはずなんだ…おれも、ここのみはりをしたことがある」

エルはひゅーから、城の『騎士団』というところで働いていたと聞いた。国や城を守るのがひゅーの仕事だったそうだ。そんな騎士団の仕事の中に、この宿営地の見張りというものがあるらしい。

エルフの国にはそんな仕事がない。そんなに魔族が攻め入るのだろうか。不思議に思っているとひゅーが教えてくれた。人間は魔族以外にも人間同士で争うそうだ。目についた相手に敵意を向けるオークやゴブリンといった魔族とは違い、人間は明確な目的をもって特定の相手を攻撃する。まして同族同士で争い合うそうだ。

人間は良い種族だ。しかし、野蛮な部分も持ち合わせている。

難しい顔のひゅーに、エルは少し不安になってしまう。ひゅーに背中をトントンと叩かれて、エルは顔を上げた。

「らくなんだ。みはりの、仕事は。やることがなくて…さぼっているのかもしれないな」

普段のような無表情でひゅーは答える。たぶん軽口を叩いたのだろう。真顔のひゅーに、思わずエルは笑ってしまった。

「へへ…さぼってる、の?ひゅーもさぼった?」

「まぁ…だれもこないしな。寝てたな」

「うひっ!まがおっ!ふひひっ…ひゅー、わるいこだね。んひゃひゃひゃひゃっ」

「…わらいすぎだぞ」

声を上げて笑うエルに、ひゅーは少し口を尖らせた。さぼっていたという告白も、真顔で冗談を言うひゅーも面白くて可笑しい。

しかしエルには、不安を抱くエルの心を軽くしようとしてくれたひゅーの気持ちが一番嬉しかった。

ひゅーとほすと共に宿営地に足を踏み入れる。中は前に泊まったところと同様、人気はなく静かだった。ここはいつも騎士団の誰かがいるので、魔物も人も寄り付かないそうだ。騎士団専用なので旅人が利用することもできない。ほすに人参を与えたあと、エルは建物に入り、ベッドに飛び込んだ。

「ここ、ぼくの、ねるとこね!」

「こら。とびこむな」

ひゅーは荷物を降ろして食事の支度を始めた。食べたら眠り、朝が来ればまたここを立つことになる。

食事を終えて、ロウソクの灯りも早々に消した。万が一騎士団の者に見つかっては面倒だとひゅーは言った。月明かりの中、隣のベッドに横たわるひゅーを見つめる。何かあったときのため、同じ部屋でエルとひゅーは寝食を共にしている。

あと数日で城に着く。

エルはずっと、ひゅーに聞けなかったことがある。

ずっとエルを抱えて周りを警戒してほすを走らせているひゅーはきっと一人でいるよりもずっと疲れている。ひゅーが眠ってしまう前に、と、エルは口を開いた。

「あのね、ひゅー。あの。聞きたいことが、あって」

「…うん…?」

ひゅーは薄っすらと眠っていたようだ。普段よりも少し拙い口調で返事が返ってきた。

聞きたくて、でも、何故かずっと聞けなかった。それは、ひゅーが話したがっていないように思えたからだ。しかし、あと数日で、城についてしまう。聞くなら今しかないとエルは思った。

「あのね、…どうして、ひゅー達は、…エルフの国を………こわし、たの?」

ひゅーが目を開いてエルを見た。エルもじっとひゅーを見返した。しばらく見つめ合い、しかしひゅーが視線をそらした。エルはもう一度ひゅーに問う。

「どうして、あの日、ひゅー達は、エルフの国に、きたの?」

ひゅーは視線を落とし、エルを見ない。エルはずっとひゅーを見ていた。何かを迷っているようなひゅーに、エルはひゅーの答えを待つ。時間を置いて、ひゅーはやっとエルを見てくれた。

「…めいれい、で…おう、の、……エルフ、を…つかまえる、ために、エルフの国に、いった」

「どうして?エルフをつかまえて、どう、するの?」

「………  …しろで、はたらかせる、ためと、きいた」

エルは体を起こした。エルフを働かせるという人間の王の命令で、ひゅー達はエルフの国にやってきたそうだ。城で、働かせる。どんな仕事なのだろうか。それよりも気になる点がある。

「はたらかせるため…?…でも、それなら、どうして…」

どうしてエルフを殺したのだろう。働かせるためなら数は多いほうが良いのではないか。あのときの人間達は、まるでエルフを選別しているようだった。働かせる、とは、その内容は一体何だったのか。まして、他の種族との交流をしていないエルフの国にわざわざやってきたのはなんのためだったのか。

風の力を使わせるためだろうか。しかしひゅーはエルの風の力を見て驚いていた。知らなかったようだ。これは理由にならない気がする。

村からの城までの道中、大きな森があった。見覚えのある樹が群生しているその森は、ずっとずっと奥深くにエルフの国があるそうだ。一日二日ではたどり着けず、長い時間を掛けてひゅー達はやってきたらしい。途中には霧の立ち込める場所もあり、抜けるのは困難だったという。城の呪い師という者が道順を示してくれたおかげでたどり着いたそうだ。しかし、何人かの騎士は命を落とした。

エルフの風の力があれば霧に捕らわれずに進めるはずだとひゅーは教えてくれた。人間は風の力を持っていない。霧の立ち込める場所に限らず、侵入が困難だったという森を抜けてわざわざエルフの国にやってきた理由はなんなのだろうか。

「どうして、エルフだったの?」

人間はエルフに比べたらとても数が多い。洞窟からの途中に立ち寄った街にたくさんの人がいたが、ひゅーの村にも何人もの人がいたようだ。街はともかく村は人の数がとても少ないらしい。しかし、遠目に眺めた家の数も人の数も、とても多かった。失礼ながら、働かせるなら人間の数で十分事足りるのではないのだろうか。

ひゅーはまた何度も視線を泳がせて迷っているようだった。どうしてここまで口ごもるのだろう。聞かないほうが良いのかもしれない。しかしもう、ひゅーが傍にいてくれる時間も少ない。聞くのは今のうちしか時間がない。エルはじっと、ひゅーの答えを待つ。

「………エルフは、うつくしい、から………いや、だめだ。りゆうは、しらないほうがいい。えるはまだ、こどもだ」

ひゅーは片手で顔を覆い、首を横に振った。エルはひゅーの最後の言葉に食って掛かった。

「こどもじゃ、ないよ!ぼく、もう、おとなだよ、エルフは50歳でおとななんだから!教えて、ひゅー、どうしてエルフを…」

「ごじゅ…まて、まってくれ、える。50で、おとな?…えるは、なんさい、なんだ?」

「ぼく、100歳だよ」

「ひゃっ、ひゃくっ…!?」

ひゅーの声がひっくり返った。いつもあまり表情を変えないひゅーが、珍しく目を開いて驚いた顔をしている。

ひゅーの家にいた時に、人間は売買をして物のやりとりをすること、お金を使うこと、お金の数え方を学んだ。数の数え方や単位、表し方はエルの知識と人間のそれと同じだった。今年齢の話は齟齬なくひゅーに伝わっているはずだ。

ひゅーはベッドの上に座り直した。エルも居住まいを正して向き直る。

「ひゃく…えるは、  、おとな、なんだな?」

「うん」

「じゃあ、その…おとな、の……あの、  が、あ、おとこと、おんなが、…こどもを、つくる、あの…」

「セックスのこと?」

「せっ………」

「にんげんとエルフがおなじか、わからないけど、しってるよ。おとこ同士ととおんな同士もあるけど、こどもを作るならおとこのせいきをおんなのちつにいれ…」

「あっ…あぁ、そうだ。あの、にんげんも、おなじ、だ。それだ。それを、その…」

「やっぱり、おなじなんだね!それが、どうし…」

セックスという言葉は共通で、その内容もエルの想像しているもの同じだったようだ。ひゅーは月明かりでもわかるほど真っ赤になっていた。しかし、すぐに黙ったエルを見て、ひゅーの表情も暗くなった。

きっとエルフのそれと人間の性行為は同じで、人間の国の王はエルフとの行為を望んでいた。だからエルフを連れ去ろうとしていた。

「………じょせいと、こどもをつれていく、めいれいが、でていた………だいじょうぶか、える」

ひゅーに聞かれて、エルは自分が震えていることに気づいた。彼らが選別していた理由がわかった。女性と、人間にとって年若く見える男性。その理由はおぞましいものだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る