第3話

side ヒュー



ヒューは親がいない。村に捨てられていたそうだ。一人で暮らしていた年嵩の女性がヒューを引き取り育てた。今エルと過ごしている小屋は、ヒューが祖母と過ごした祖母の家だ。

村に戻ってくることをヒューは悩んだ。王に楯突いたヒューの育った村に、何か害があるのではないかとヒューは考えていた。

小屋は村から少し外れている。洞窟でしばらく過ごしたことが功を奏したのか、破壊されることもなく小屋はそこにそのまま佇んでいた。

村を尋ねるとやはり国の使者がヒューを探しにきたらしい。村は無事だったが、ヒューは身を潜めていたほうがいいと助言された。

ヒューは国に雇われた戦士だった。元々はこの村を守っていて、戦士であるという自覚すらなかった。時折訪れる盗賊や魔物を大剣で薙ぎ払う。

剣は、過去に戦士として働いていた者に教わった。剣の師匠はヒューだけではなく、村で子供達に剣を教えて生計を立てていた。体格の良かったヒューは祖母に進められるまま、また、村の子供達の殆どが通っていたので師事してもらっていた。ヒューには剣の才覚があったらしい。幼い頃からあっという間に誰よりも強くなり、大人すら敵わないほどだった。きっとヒューの親は名のある剣士だったのだろうと言われたが、今目の前にいない親に興味は湧かなかった。また、剣の腕が立つと褒められてもヒューはそんなものかとしか思わなかった。奢ることなく剣の腕を磨いた。

他のものよりそれが得意であれば、育ててくれた村のために役立てるべきだ。その考えのもと、ヒューは村を襲うものから村を守ってきた。その強さが国を守る騎士団に伝わり、ヒューは騎士団に雇われることとなった。

ヒューは親がいない。騎士団の上位の騎士たちは名のある家の出自だった。ヒューは騎士ではなくその下働きのような形で騎士団に属した。しかし騎士団の中の誰よりも強かった。

ヒューを慕ってくれる者たちの中には、なぜヒューに役職がつかないのかと文句を言う者もいた。他の騎士に比べたら家柄で劣るヒューに役職が与えられるはずがない。しかし、ヒューの為に憤ってくれる仲間がいるということが、ヒューには何よりも嬉しいことだった。

ある時、ヒューは騎士団長に呼び出された。とある使命のため、何名かの騎士と編成された部隊。その中にヒューは入れられた。その使命は『エルフを捕らえて連れ帰ること』だった。

国王の抱えている呪い師が、エルフの居場所を掴んだらしい。

『女、もしくは少年を連れ帰れ。若ければ若いほどいい。王からの命令だ』

『味見してもいいんすかね?』

『処女はやめとけよ。初物は国王様の物だ』

騎士団長も他の騎士達も、声を上げて笑っていた。ヒューは不快に思った。彼等が何を話しているのか、わからないほど子供ではない。エルフを捕らえて慰み者にしようというのだ。本当に、国王がそのようなことを命じるのだろうか。一国の王が、他の種族に対してそのような仕打ちを与えるような命令をするだろうか。

ヒューは遠目に数回しか王を見たことはない。どんな人間なのか知らない。しかし、自国の王がそのようなことを考えるような人間であると、信じたくはない。

『なぜ、エルフなのですか』

ヒューは騎士団長に問う。エルフなんておとぎ話の中の存在ではないのだろうか。ヒューはエルフを見たことがない。

騎士団長はニタリと笑って答えた。

『エルフは長寿で年を取らないという。つまり、若い肉体を、長く楽しめるということだ。我が国で飼育し、管理する。それが王のお考えだ』

『合法ロリショタってわけだ』

どっと笑いが起きた。それはそれは下卑た笑い声だった。醜悪な彼等のどこが騎士なのか。ヒューは吐き気がした。

しかし、これも仕事だ。働いて稼ぎ、村に、そして祖母に恩返しがしたい。ヒューは暗い気持ちで、他の騎士達とエルフの国を目指した。エルフは見目麗しいと噂される。そのエルフ達を蹂躙できると、ヒューとは対照的に他の騎士達は浮足立っていた。呪い師が見つけたという道は、馬たちを連れて長い旅路となった。今まで見つからなかったのは当然だとヒューは思った。道中、何人かの騎士が命を落とした。森の奥の奥、エルフの国はひっそひと佇んでいた。

たどり着いたエルフの国で、騎士達は容赦なくエルフを切り捨てた。切り捨てたのは男のエルフだ。エルフはぱっと見ただけでは男女の差がなかった。線が細く、たおやかで美しい。騎士達はエルフの衣服をいで体を確認して切り捨てていった。年嵩のエルフは性別に関係なく切った。エルフ達はみな、まるで女性のような高い声を上げて逃げ惑った。見た目だけでなく声にも男女に差はないようだ。騎士達の怒声と下卑た笑い声は異質に響いた。

戦いや侵略において、男性を先に潰すことは定石だ。少しでも戦力を減らすために。しかし、エルフ達は逃げ惑うばかりで反撃には出てこなかった。国の入口に衛兵もなく、農具以外に武器らしきものは見当たらない。おそらく、彼等は戦いに慣れていない。攻め入られたことがなく、他国に攻め入ることもなかったのだろう。エルフの国は一方的に踏みにじられていた。ヒューはエルフの国の中でも特に目立つ石造りの建物を目指した。複数のエルフの、建物に入っていく姿を見た。きっと建物に立てこもるつもりなのだろう。反撃するすべを持っていないであろうエルフが立て籠もるのは悪手だ。それよりも国の外にバラバラになって逃げたほうが良い。少しでも生きる確率を上げるべきだ。ヒューは建物に駆け込んだ。少年か少女の、子供のエルフが騎士の一人に捕まっていた。ヒューは村にいた、ヒューを慕ってくれていた少女を思い出した。まるで妹のような存在だった。彼女と変わらぬ年の子供だ。

「手を離せ!まだ、子供だ!」

ヒューは叫んだ。しかし、ヒューの声は届かなかった。騎士の目は血走っていた。この男は『合法ロリショタだ』と喜んでいた男だ。幼いエルフを蹂躙するしか頭にないようだった。

エルフの子供の腕を掴む騎士の腕を切り落とした。エルフの子供は気を失ってしまったようだ。力なく崩れる体をヒューは抱きとめた。周りのエルフ達は何かを言いながらヒューが抱くエルフの子供に手を伸ばしている。近寄るエルフから身を躱し、ヒューは建物の外に出て馬を呼んだ。

騎士団に入ってから馬たちの世話はヒューに任されることが多かった。その中でも特にヒューに懐き、ヒューの言うことを良く聞いてくれるホスと名付けたその馬は、ヒューの指笛にいつもすぐさま反応してくれた。今も、まもなく姿を表したホスに、エルフを抱えたヒューは飛び乗った。

何人かのエルフが何かを叫びながら建物の外に出てきた。やはり子供に手を伸ばし、ヒューを追いかけてきている。この子はなにか特別な、大切な子なのだろうか。ヒューはエルフ達に怒鳴った。

「この子を取り返したければ、ついてこい!」

ヒューはホスに乗ってエルフの国を駆けた。なにか不思議な力を働かせているらしく、エルフ達は馬の走る速度に食らいついてついてきた。ヒューは騎士達を剣で打ち付け気絶させながら先を急いぐ。やがて入国してきた道に辿り着いた。打ち漏らした騎士が何人か、エルフを捕らえている姿が視界の端に入った。中には抱えているエルフよりも幼い子供もいた。

そのままエルフの国を出てホスを駆ける。長い橋をホスを走らせた。エルフの国へ通じる橋は深い谷の上にかかっている。揺れに揺れて何人かの騎士が谷底に消えた。今は不思議と揺れは収まっている。風が収まっていた。ホスは上手に橋を駆けていった。

一人、また一人と森の中でエルフの姿が見えなくなっていく。走る力がなくなったようだ。

「逃げろ!この子供は、必ずお前達に返す!」

ヒューは叫んだ。

森の中で振り払ったエルフ達には、どうにかエルフの国以外の場所に身を潜めて自身を守ってほしい。夢中でホスを走らせ、気を失って動けない子供はそのままヒューが連れて行った。誰かエルフを捕まえて託せば良かったのだが、立ち止まるほうが危険だと判断した。もしも仲間の騎士に捕まれば、この子は辛い目に合わされるだろう。

目覚めた子供に説明をして、この国に戻ってこようとヒューは思った。しかし。なぜエルフの国を襲ったのか、どこまでどう説明したら良いのだろうか。ヒューは小さな体を強く抱きしめてホスを走らせた。

ヒューは道中見つけた洞窟に身を寄せた。近くに水場があり、しばらくは身を潜められそうだ。

小さな悲鳴をあげるエルフの子供に目が覚めたのかと声をかけてヒューは驚いた。エルフは言語が違うらしい。エルフの国を襲った理由をどう伝えるか頭を悩ませていたが、また別の大きな問題が壁となって現れた。エルフの言っていることがまったくわからなかった。同じように、エルフもヒューの言葉がわからなかった。

ただ、怖がっているらしいことは表情から読み取れた。長い時間眠っていた。ひとまずヒューは水を飲むかどうか尋ねた。身振り手振りも加えてなんとか伝わったようだ。

その後は腹が減っていないか尋ねた。干し肉を渡して、しかし戸惑っている子供に食べるものだと実践してみせた。干し肉を見たことがないないのだろうか。エルフは水は飲んだが中々食べ進めなかった。ただでさえ細い体だ。食べなければ保たないだろう。しかしエルフは引きつった笑みを浮かべて干し肉を食べなかった。

見知らぬ場所で見知らぬ人間から物をもらって、きっと恐ろしいのだろう。その上ヒューはエルフ達を襲った人間の一味だ。ヒューは再度水を勧めたがもういらなかったようだ。首を横に振る仕草は人間と同じ、否定の仕草だろうと判断した。 ヒュー自身が水を飲むと、エルフはあどけなく笑った。何か可笑しかっただろうか。さっきまでの引きつった笑みとは違い、年相応の、愛らしい笑顔だった。

国王は本当に、こんな子供に無体な真似を強いようとしていたのだろうか。騎士達の話は真実なのだろうか。国王に聞いてみたい。しかし、一介の兵士が話をさせてもらえるような相手ではない。



その夜、エルフはうなされていた。次第に悲鳴のような声になっていった。

「どうした?大丈夫か?」

「あ、あっ、あーーーーー!!!」

ヒューを見てエルフは叫び、飛び退いた。ヒューは咄嗟にエルフを抱きしめた。怖い夢をみたのではないだろうか。

目の前で仲間が殺された。

この子に手を伸ばすエルフ達にとって、この子は大切な存在だったのだろうと思う。きっとこの子にとっても大切な仲間だったはずだ。

ヒューはエルフの背中を叩いた。かつて幼い頃、祖母がそうしてくれたように。

「あ、ぁ…うぁ、あ、あぁあ、わぁあん」

エルフは小さな子供のように泣いた。少し、落ち着いたのかもしれない。人間と同じ仕草や行動で落ち着くことができる。

エルフと人間は、似ているところが多い。言葉が通じないこと以外は。ヒューの胸は痛んだ。

今まで盗賊や魔物など、村に害をなすものを切ってきた。食べるために食肉用の動物を絞めたりもする。『生き物を殺してはいけません』などと、綺麗事を言うつもりはない。しかし、害を与えてくるものは斬り伏せたが、食べるためでもない、なんの抵抗もない相手を無碍に斬り殺すことはしたことがなかった。

少なくともエルフ達は抵抗しなかった。ただ襲われて逃げ惑っていただけだ。その上捕らえたエルフの行く末は非道な行為を強いられるという。このエルフよりも幼い、捕らえられていたエルフを思い出して、ヒューは呼吸が苦しくなった。

せめてこの子はエルフの国に帰してやりたい。しかしあの場所に、この子は帰りたいだろうか。ましてまだ、騎士達があの場にいるかもしれない。もう少し時間を置いたほうが良い。

そんな中で、食事を取らないエルフが気がかりだった。このまま飢えてしまっては、国に帰るかはともかく、仲間に会わせてやれなくなる。

あの時追いかけてきたこの子の仲間は、生きているだろうか。

確かめるためにも、この子は生きなければならない。




エルフはよく食事をするヒューを見つめていた。きっと、腹が減っているのだろう。干した肉ではなく、生の肉を焼いたものなら食べるだろうかとヒューはウサギを狩りに出かけた。エルフの主食はわからないが、人間である自分とそう変わらないあの子はきっと焼いた肉なら食べるだろう。

ありがたいことにすぐにウサギは捕まえられた。洞窟に戻るとエルフは馬に何かを話しかけていた。エルフは馬と話せるのだろうか。万が一誰かに見つかると困る。

「あまり外に出るな」

ヒューはエルフを洞窟の奥に促した。エルフは大人しく洞窟の奥へと戻った。言葉はともかく身振り手振りなどで簡単な意思の疎通はできるようになっていた。ますます、人間と変わらないのだとヒューは思っていた。

そして夜。ウサギを絞めていたら絶叫が上がった。逃げ出すホスを指笛で戻し落ち着かせる。エルフが洞窟から出た気配はない。肉をさばくところを見たことがないのだろうか。ヒューは肉を焼きながら考えた。きっと、見たことがないのだろう。ヒューは薄っすらと予見していた。きっとこの焼いた肉を、あの子は食べない。

「肉を、焼いた。食べない、か?」

案の定、布に包まったエルフは肉を食べなかった。それどころかヒューを拒絶するようになってしまった。そもそもが間違っていたのだろう。エルフは肉食ではないのではないか。

それからヒューは森の中で食べられそうな野草をエルフの傍において声をかけた。

「これなら、食べられるか?」

エルフは首を横に振って食べようとはしなかった。試しに石や木を置いてみたがこれは食べないようだ。一度ホスの好物でご褒美のためでもある人参を置いたら腹を鳴らしていた。しかしエルフは食べなかった。エルフは水も飲まなくなってしまった。

見た目にもわかるほど、エルフは如実に弱っていった。

やはり何かを口にしなければならないのだろう。ヒューはどうしたら良いか困り果てた。

やはり連れてくるべきではなかったか。しかし気を失っていたこの子を森に捨て置けば死んでいただろう。仲間の傍に置いてきてやれば良かった。

この子の仲間たちのために、この子は生かしてやらねばならない。ヒューが一方的に取り付けたものだが、ヒューはエルフ達にこの子を返すと約束した。言葉が通じないのだからわかってはいないだろうが、この約束は果たしたかった。

それから粗相をしたエルフを見て、やはり人間と変わらないのだとヒューは改めて思った。羞恥のためか涙するエルフはまるで人間のようだった。ヒューはその時、初めてエルフが男性だと知った。体を拭ってやる時、服の隙間から見てしまった。体の作りが人間と同じかはわからない。もしかしたら両性を備えているかもしれないが、少なくとも男性としての形は人間のそれと変わらなかった。やはりエルフと人間に、大きな差はないように思えた。

弱っていくエルフをどうしたらいいのか検討もつかない。医者に見せたらなにかわかるだろうか。

ヒューはエルフを連れて街へ行くことにした。医者には他言しないよう脅した上でエルフを診てもらう。それから市場でエルフが口にできそうなものを、エルフ本人に選ばせる。洞窟近くの村でローブを買い、ヒューはエルフを連れて大きな街を目指した。人2人分となりホスに負担をかけると思ったが、エルフはますます軽くなったようだ。ホスはいつもと変わらぬ速度で森を駆け、街に辿り着いた。早く早くと気が急いていたヒューを、察してくれたのかもしれない。

日が落ちて顔が認識しづらくなったころを見計らって、ヒューはエルフを抱えて市場を歩いた。道中医者のいる場所を聞くつもりだった。突如エルフが声を上げて手を伸ばした。と思ったら並べられていた林檎を掴んで、あろうことかそのまま食べてしまった。

「お"っ…こら、何をしてるんだ!」

慌ててヒューはエルフを叱りつけてしまった。エルフはボロボロと涙をこぼした。が、エルフは食べることをやめなかった。

「な、泣くな…あと、食べるな、まだ買ってな…」

「あははははっ!泣くほど美味しいのかい?」

そりゃあ良かったと笑う女店主に詫びを言い、ヒューは金を払うと伝えた。女店主は可愛い子にはサービスだと、多めに林檎を持たせてくれた。

その後もホスのための人参を買おうとすると、エルフは腕を伸ばした。また盗もうとしている。いや、盗むという概念がないのかもしれない。そもそも売買という存在を知らないのかもしれない。

人参を渡してやると、エルフは嬉しそうにかぶりついた。どうやらエルフは草食のようだ。なるほど、肉は食べないわけだ。ヒューは納得した。

しかしなぜ、一度見せた時に人参を食べなかったのだろうか。

水も飲まなくなったあれは、肉食に馴染みのないエルフがヒューに驚いて拒絶していたからかもしれない。ヒューの手から、食べ物を受け取りたくなかったのだろう。ヒューの胸はチクリと痛んだ。

「ね、あのお兄さんかっこいい!」

二人連れの女性がヒューを指差していた。ヒューはフードを改めて目深に被る。

村にいた頃からヒューは見た目が良いとよく褒められた。体格が良く、それに合わせて設えたかのような顔面は時に子供に恐れられたが、女性や一部の男性からの評判は良かった。

ヒュー自身あまり自覚も頓着もなかったが、こんな時に目立ってしまう己の顔面は少し疎ましく感じる。

「まじじゃん!すっごい筋肉イケメ…まって、抱えてんのってさぁ」

「はい、女連れ。クソかよ。でもあの子、綺麗〜…」

ヒューは足早にその場を去る。女性にエルフの顔を見られてしまった。特徴的な耳と髪は隠してあるものの、あまり目立つのは良くない。ヒューは路地に入って身をかくすことにした。ひとまず、エルフが人参を食べ終えるのを待ってやろうと思った。

随分と顔色の良くなったエルフはヒューの腕をすり抜けた。駆け出したエルフは少しだけ、ふわりと浮き上がった。狭い路地に風が舞う。ローブがはだけたエルフはすぐに地に足をつけた。

「うそだろ…あれ、エルフだ!!」

「はぁ?まじでいんのかよ!?城に連れてくぞ!」

すぐにエルフに追いついたヒューはエルフを抱えて駆け出した。どうやら国王からエルフを連れてくるようにという命令が出ているらしい。ヒューはエルフにローブを被せて駆け出した。

別の路地に身を潜め、男達をやり過ごす。エルフは震えていた。青い顔で、きっと恐ろしかったのだろう。コリコリと人参を齧り、エルフは自身を落ち着かせているように見えた。食べ終えたエルフは顔色も良くなっていた。

洞窟の中で力を無くしていた姿も、林檎を食べて駆け出した姿も嘘はないように見える。果物や野菜に回復効果でもあるのだろうか。

これなら医者に見せる必要はないのではないか。医者よりも林檎を与えたほうがこの子は元気になるのではないだろうか。髪と耳を隠すように指し示してから、ヒューはまた市場を回った。

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